看護の大学教育は必須。ただその負担に地方は耐えられるか?【北海道・函館市医師会が看護大学の設置要望】
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医&病棟医@今井です
日経新聞の記事で気になる記事を見つけましたのでシェアします。10月10日のものです
北海道・函館市医師会が看護大学の設置要望
「函館市医師会(北海道函館市)は10日、大泉潤市長に看護大学設置要望書を提出した。2025年3月、市の検討会議が公立はこだて未来大学に看護系学部を増設することが望ましい、と答申したが、その後の動きがなかった。大原正範会長は「1年ごとに設置環境は厳しくなる。消滅可能性都市を避けるラストチャンス」と述べた。
北海道内には札幌市のほか北見市などにも看護系大学があるものの道南にはない。函館医療センター特別院長を務める大原氏は「専門学校より看護大を選ぶ高校生が増え、若者の市外流出が進み医療体制を維持できなくなる」と強調した。市は未来大などと協議中といい、大泉市長は「重く受け止めたい」と応じた。
中小病院は人件費が高い大卒を避ける傾向があるといわれる。市立函館病院院長の森下清文副会長は「看護師一人ひとりの能力・生産性を向上するために高等教育が必要だ」と述べた。」
地方から都市部への人口の移動は年代別にみると転機になる年があります。10代から20代にかけては
①進学(高度教育)のため
②就職のため
③子育てのため
がメインの理由になるのかなと思いますが、今回の函館市医師会の提案は①②を函館で行うことができるようになるよ、それにより道南の人口流出を最低限にとどめることができるよ、大変だけど頑張ろうぜ!っていう提案なのかなと今井は考えました。
昨今の事情を考えると、数少ない看護師希望の学生さんに入学してもらうためには看護学校ではなく大学での看護学科の新設(看護教育の高度化)は不可避ですよね。ただ看護大学となると一番の問題は費用の捻出と教員の確保になるのかなと思います。
特に地方都市では費用もさることながら教員の確保が何よりの問題・・・おそらくは地元の医師会の協力→開業医の先生が時間を捻出し各専門科の授業をしていくと思うのですが、正直開業医のDrは夜間休日当番や医師会の公務、悪化する経営環境などで、どんどんどんどん手弁当でのボランタリーの仕事は難しくなってきています。
それが可能なぎりぎりの時期、タイミングが上記の医師会長の「1年ごとに設置環境が厳しくなる」のような言葉につながっているのかなと。かりにこれが3、4年後とかってなるともう設置は不可能となるでしょうね。かなり危機感をもって提言しているのがわかります。
地方の看護学校は今後どうしていくのか進路を打ち出すことが必須です。函館市医師会は自ら奮い立って教育の高等科、学部設置をしようと大きな方針を打ち出しました(当然言ったからには教育には協力するハズです。その決断もすごいですね)あとは行政がそれをどう考えるのか・・・もし設置しなければ生徒流出&医療が基盤から崩壊→10年後には消滅都市入り、というのもありえなくはないのかなと。
皆さんの地域の看護学校はいかがでしょうか?10年スパンでの方針をもう打ち出さないと、自然と生徒減→学校がなくなる、というのが目に見える時期が2025年なのかなと今井は考えていますよ。
-
時間ある方は以下の項目をチェック!!
法人のこれまでのこと、これからのことを確認したい人はこちら↓
直近のいまいホームケアクリニックの診療実績について知りたい方はこちら↓
法人の在宅医療やかかりつけ医、入院医療について知りたい方はこちら↓
在宅クリニックがなぜ病床運営をするのか、興味ある方はこちら↓
同じくなぜ在宅クリニックが訪問看護ステーション/居宅介護支援事業所をもっているのか、気になる人はこちら↓
在宅医募集しています。是非確認の上ご連絡ください↓
外来や病棟看護師、訪問看護師を募集しています。是非チェックを!↓
医療事務さん募集しています。一緒にチームの一員として働きませんか?
MSW、ケアマネさんも募集中です。是非見学にきてください↓
リハセラピストさんも募集しています。是非ご連絡を!↓
病院経営や事務長職に興味ある人募集しています。経営一緒にしませんか?↓
人事担当、SEさん募集しています。これから組織を大きく、価値のあるものにする手伝い、してくれませんか?