公開日:2023年11月15日

特養の嘱託医が病院Drだけになると、在宅と同じ形での医療提供が難しくなるのでは?<特養など 入所者急変に「協力医療機関」の定め義務化へ 厚労省>

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

NHKの記事で特養を巡る気になる記事を見つけましたのでご紹介します。11月15日の記事です↓

特養など 入所者急変に「協力医療機関」の定め義務化へ 厚労省

<厚生労働省は、特別養護老人ホームなどの入所者の体調の急変に備えて、夜間・休日に相談や診療が可能な医療機関を、施設ごとに定めることを義務化する方針を固めました。

特別養護老人ホームなどの介護保険施設の多くは、医療が必要になった場合に対応してくれる病院を定めていますが、新型コロナの感染拡大時には、感染した入所者の受け入れを断られるケースが相次ぎ、施設内で感染が広がる問題が起きました。

こうした医療機関との連携の課題を解消するため、厚生労働省は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの施設に対して、感染拡大時にかかわらず、入所者の容体急変時に対応してもらう「協力医療機関」を定めることを義務化する方針を固めました。

「協力医療機関」の条件は、
▽医師や看護職員が夜間・休日に相談に応じ、診療が可能な体制を確保していること、
それに、
▽緊急時に原則入院できる体制を確保していることとしています。

複数の医療機関を定めて、これらの条件を分担して満たすことも可能とする方針です。

一方、医療機関のひっ迫を防ぐため、「協力医療機関」に入院した入所者の病状が改善した場合には、速やかに再び施設に戻れるよう、医療機関と施設の間で情報共有など連携を強化することにしています。

厚生労働省は、こうした方針を今週開かれる審議会で示し、義務化を開始する時期も含めて、今後正式に決めることにしています。>

 

条件を読む限りクリニックが特養の嘱託医を継続するのはハードルが高くなりそうですね。そもそも現在の嘱託医ってほぼほぼボランティアみたいな形で特養に関わっている医師が多いと思うので上記の通知が本当に出るならクリニックは特養から総撤退になるでしょう。そうなると特養の嘱託医は病院Drになるとは思いますが、そうなると

①特養側は今後在宅並みの施設で看取ることを求められることになるのに、来るDrが病院医療しか行っていないため在宅のイロハを知らない⇒運営の質が下がる

②病院側は夜間休日含め受け入れろって無理やろ?どうしろっていうの?

っていう状況が発生すると容易に理解できると思うのですが・・・・国は施設含めて在宅や施設である程度完結せい!ってしたいのだと思いますが、上記施策は逆効果になるような気がします。

 

本当に特養を看取りの場とするのなら

①外付けの在宅クリニック診療をOKとする

②外付けの訪問看護ステーションの介入をOKとする

シンプルにこれでOKだと思います。在宅クリニックなら24時間夜間もそれなりに対応するでしょうし、訪問看護ステーションもOKとするなら特養でも十分看取りは対応可能だと思います。

 

上記施策、現場の肌感覚とは少し違うかなと感じます。皆さんのご意見はいかがですか?

 

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