公開日:2023年11月02日

開業医が医療法人化すべきかどうか、何を軸にどう考えるべきか

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

とある会合で開業後2,3年のお医者さんから「開業後ある程度順調に経過しているけれど法人化するかどうか迷っています。どう考えたらいいんでしょう?先生ならどうします?」という相談がありました。

諸々個人状況を聞いたうえで、自分の意見としてと前置きしたうえで「自分がその状況なら医療法人化しません」とお伝えしましたよ。

 

開業医が医療法人化するかどうかはいくつか考える視点があります。単純に一番多いのは”売り上げが一定規模を超えたから法人化”というのがあると思うのですが、売り上げだけで単純に法人化を考えるのは現実にはお勧めしません。

今井が考える開業医が医療法人化するかどうかの一番の争点は

①その開業医が考えている事業スパン

②継承するかどうか

の2点だと思います。

 

正直開業するときの年齢にもよりますよね。30代40代なのかと50,60代とでは大きく時間軸が異なりますよね。また次世代に継承するつもりなのか、1代限りなのかでも違ってきます。

また①に関して他に考える要素ですが、個人的には開業期間20年が一つの目安だと思っています。20年続けるなら法人化のメリットは享受できるだろう、20年しないなら個人のままで続けてもいいだろうと思ってます。

②に関しては次世代まで続けていく意思があるのなら法人化一択ですし、1代限りなら法人化しなくてもいいかなと。

あと強いて言えば付帯事業の有無も争点になってくるでしょうが、そっちの事業は株式会社や合同会社でもできないことはないですからね。分院はまた別ですが・・・

今後税制度(退職金含め)や医療法人を取り巻く制度(情報公開制度)は大きく変化していきます。退職金のうまみもない、情報は全て公開していかなければいけない、所轄官庁の締め付けが大きくなる、周辺の書類手続きがさらに煩雑になる等を考えると、トータルで事業の出口まで考えて法人化するかどうかを考える必要があるかと思います。皆が法人化しているから法人化、って、それは絶対してはダメだと思います。

医療法人の制度はなぜあるのか、そして何を目的に制度が運用されているのかを考えれば、自ずと自身が法人化すべきかどうかは理解できるようになると思います。

 

 

件の医師は継承は絶対考えていない、今は40代だけれども老後は早めに切り上げて楽しみたいとのことなので、法人化せずに必要あれば合同会社設立して柔軟に対応する方がメリット大ですよ~って話をさせて頂きました!!参考にしてもらえたかな・・・

自分ですか?自分は”事業は継続させてこそ事業”と考えているので法人化一択でした。100年後どうなっているか楽しみです!(^^)!

 

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