公開日:2021年11月03日

病院が在宅医療に本格的に取り組む・・・・そんな時代に在宅クリニックはどう生き残るのか?

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

札幌市内の医療ニースですが、先日豊平区の柏葉記念脳神経外科病院が外来機能を分化して”かしわば記念クリニック”を開設するとの記事を見かけました。↓以下どうぞ

柏葉脳神経外科病院が新クリニックを10月に開設

脳や脊髄に専門的な治療を提供する柏葉脳神経外科病院が、新たに外来専門の「かしわば記念クリニック」を開設する。予約制で待合室などの3密も回避できる。

「柏葉脳神経外科病院」は1971年の開院。札幌市豊平区を拠点に脳卒中などの各種脳神経疾患の患者に急性期医療を提供してきた。救急患者は年間2000件受け入れている。4月には開院50周年を迎えた。
運営する社会医療法人柏葉会(寺坂俊介理事長)では、コロナ禍においては感染対策に注力。来館者への検温や、待合室でのソーシャルディスタンスに取り組んできた。

しかし、待合室の混雑や救急患者の往来も多いため〝密〟状態が発生しやすい。これを解消するため外来機能を分割。今年10月に完全予約制の「かしわば記念クリニック」を開設する。院長には患者支援センター長の藤本真氏が就任する。
場所は、病院に隣接する駐車場用地(札幌市豊平区月寒東1条15丁目11番20号)を地権者から取得した。
延べ床面積272・75平方メートルの2階建てで、広い待合い室と複数の診察室が特徴。患者同士の接触を可能な限り排除できる。
対象は再診や脳ドック利用者で、画像検査は柏葉脳神経外科病院で実施する。
「昨年夏から設置の検討に入っており、感染が終息すれば無駄になるとの意見もあったが地域医療のために決断しました。安心で安全な外来診療を提供していきたい」と寺坂理事長。

柏葉脳神経外科病院は詳しくはわからないのですが、外部からみている限り理事長先生が寺坂先生になってから経営方針を明確に示しているのかな、と感じていますよ。やっぱり先をみるトップって重要ですね・・・

 

さてさてこの記事ですが、個人的には「病院が在宅医療に本格的に参入する時代が来たな」と感じましたよ。

病院が外来機能を分化する目的は

⓵将来の外来機能分化(医療機関の機能分化)の政策に備えるため

②外来機能分化により病院の本来機能を強化できる

③病院より小回りの利く外来医療を提供するため(発熱対応、予防接種など)

④将来的に病院をバックとした在宅利用に本格的に行うため

かなと自分は考えます。特に④に関しては在宅医療者、経営者としてものすごく気になっています。自分が在宅始めた10年前から「病院が本格的に在宅医療に進出してきたとき、市中の在宅クリニックはどうしたら患者さんや他の医療、介護スタッフから選ばれる存在となるだろうか?」ということをずっと考えてきました。

今後おそらく札幌でも、他の病院も外来機能の分化→在宅医療への取り組みというのは、今後10年スパンで考えると本格化していくのではないかと考えています。(というか将来の医療政策を予測すれば病院としてその準備は絶対すべきなんですが、していない今の病院経営者がダメなんですよね)

その中で診療自体の質の差別化、最後まで過ごせる住宅の併設、かかりつけ医としての地域密着型外来機能など、自分が考える限りの準備はしてきたつもりですが、在宅療養支援診療所は”どうしたら選ばれる存在となるのか”をよくよく考える必要があると思いますよ。

 

 

病院が本格的に在宅医療に参入してくる時代、既存の在宅クリニックはどうやって生き残っていくのでしょうか?明確な答えをもっていないクリニックさんは今後厳しい戦いを強いられていきそうですね。

 

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