公開日:2020年06月14日

患者さんを看取って泣く訪問看護師さんは素晴らしいと思いませんか?

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です・

 

先日とある看護師さんと話しをしていましたが

「患者さんを看取った時に泣いてしまうのは医療者としていいのでしょうか?プロといえますか?感情のコントロールはきちんとできないとだめかなと思っていますが先生はどう思いますか?」

っていうような話になりました。確かに何事もその領域のプロであるならば、私情を挟まず客観的に場を判断し、最適な判断を下し適切な対応をすることが求められるでしょうから、医療者としては泣くのは・・・・って思う方もいるかもしれませんが、在宅医療の領域に関しては違うかなと自分は考えていますよ。

というわけで上記質問に対しては

「気にしなくていいよ。泣ける時には泣いて全くかまないと思うよ。それだけ患者さんと距離近く看護できていたってことでしょ?むしろそれで泣けないほうがまずいかも・・」

とおつたえしました。

訪問看護の仕事を真面目にやろうとすると、患者さんその人がどんな人でどんな看護を望んでいるのかを理解することから始まります。それを理解するためには生い立ち、兄弟の有無、就職してからどうだったのか、配偶者とはどう知り合ったのか、今の関係は、子供の有無とかかわり方は、病気になってからどう頑張ってきて今に至るのか、などの情報を整理していくことを行います。

それと同時並行して訪問看護の仕事は「その人に介入していくこと」が求められますから、会話のキャッチボールを行って精神的にも距離は近くなりますし、ましてADLが落ちていく癌の患者さんなどであれば身体的な距離も近くなります。

そんな患者さんを担当して連日訪問して、家族と一緒にケアをして・・・その患者さんが最後に「○○さん、ありがとう」なーんて言葉を遺していかれたら泣けないはずがないです。

むしろ「看護の仕事をしていて、患者さんが亡くなった時に泣いたことがない看護師さんは、看護の仕事を本当の意味で経験したことがない」と強くいいたいですね。

 

感情移入、いいと思います。たくさん看護してたくさん泣けばいいと思います。感情のコントロールは100人くらい看取った時にようやくできるようになってくると思いますよ。最初は思うがままに泣いてあげてみてください。

というわけでそんな看護、訪問看護を経験したい看護師さん、是非当院に来てくださいね。一緒に在宅したい看護師さん募集中ですよ!(まずは見学をお勧めしていますので是非見学からどうぞ)

 

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