公開日:2019年12月09日

高齢の両親の、療養や治療における意思決定は子供が代理で行うべきでしょうか?

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

外来に定期通院されている80代のAさんですが、奥さんがとある病気で入院となってしまいました。Aさんは奥さんが入院してからずっと、介助や様子を見るために毎日病院に通われており、自分の外来に来るときには毎回「○○は最近こうだった」とか「リハビリして■■ができるようになった」などと奥さんの病状について報告や相談をしてくれます。

そんなAさんですが何やら浮かない顔で外来を受診されました。先日病院の方に呼ばれて話をしたのですが、奥さんの病院での入院期限がそろそろ限界に近づいてきたため転院や療養施設先の相談をされたとのことです。

Aさんは奥さんと50年以上一緒にいるため「病院の医療者にはわからないようなことも自分にはわかるんだ。だから自分と一緒に生活するのが一番ストレスが妻にとってもないと思うんだよ。だけれども子どもからは高齢の自分が妻の世話をするのは無理だろう?って言われてしまったんだよ。確かにその通りかも知れないけれど・・・・・先生どうしたらいいどだろう?」との質問がありました。

自分としてはAさんの気持ちも十分よくわかりますし、お子さんの気持ちも理解できます。ただAさんのこれまでの献身的な態度をみていると、本人達の気がすむように自宅介護の環境を整えてまずは自宅復帰を考える、という方向でもいいのかなと思いますが、息子さんたちと少し相談が必要そうですね。

 

高齢の両親の、療養や治療における意思決定は子供が代理で行うべきでしょうか?自分は年齢的な問題や体力的な問題があるとしてもできる限り本人や配偶者の方の意思を優先してあげたいと思っています。なぜならば月並みですが本人達の意思を尊重しないと、後で後悔する時が必ず来るからです。それもそう遠くない時期かも知れません・・・・

かかりつけ医や在宅医として地域医療に携わる身としては、できる限り家族間の葛藤や心配な問題点などにも関わっていきたいと思っています。Aさん家族とは今後も相談していきたいと思っていますよ。

 

皆さんは同じ様な状況になったらどう考えますか?決して他人事ではない問題だと思いますよ。良ければ考えてみて下さいね。

 

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