女医さんが仕事と家庭、両者を充実させるために考えておくべきこと
こんにちは、札幌の在宅医@今井です。
研修医2年目の女医さん先生が書いたこの記事、結構反響を呼んでますね。
■私が医療崩壊のトリガーになる未来
極めてよくある話で、僕が入学して男女比見て確信していた未来。筆者さんは真面目な先生だけにキッツー。真面目で頑張ろうとするほど無理ゲーな業界だよ。崩壊するのも時間の問題。
私が医療崩壊のトリガーになる未来 https://t.co/YhVP6rif6l
— いろはす (@irohas_111) 2018年6月30日
いつも書いているが、「医療崩壊」は現状の常軌を逸した医師の勤務体制で漸く保たれている医療提供体制の正常化の過程であって、今が「あるべき姿」ではない。その方法が急性期病院の集約化やタスクシフト、主治医制の緩和などになる。
>私が医療崩壊のトリガーになる未来 https://t.co/iBtQ4vGnKH
— 田舎の元外科医 (@inakashoge) 2018年6月30日
女医はいつ子を産めるのか問題「27で内科認定医、これでいよいよ循環器内科で頑張るぞ!だったのが、29で循環器内科だ頑張るぞ!になったんですよ。このサブスぺシャリティという真のスタートラインが29才になったのが新専門医制度」私が医療崩壊のトリガーになる未来 https://t.co/wXg6QryatM
— LaLa (@lalalacozy) 2018年7月1日
自大学の男女比の均衡具合を見て末恐ろしくなる。(女性比率高め)
やりがい搾取の話を以前親に話したら「誰かがやらなきゃいけない仕事なんだから」と一蹴されたけど、根っこから考えが違うのかな…?
私が医療崩壊のトリガーになる未来 https://t.co/hZ4egfTNRA
— きゅーぴん (@med9pin) 2018年7月1日
凄く文章力があって、途中までめちゃくちゃ共感して読んでいたけど、結論が男性医師を増やす、だったのが少し残念だなぁ‥
女性医師の割合はOECD平均だと45%だし(日本20%)、医師の仕事が女性に合わないというより日本の働き方、根底の価値観が女性に合わないのだとおもう
https://t.co/hs8hvObHQe— みなみ (@373namicho) 2018年7月1日
初期研修2年で一つの病院しか見ていないとバリキャリ的な働き方しか選択肢に上がらない視野狭窄状態になってしまう。
筆者も、その病院でしか通用しない”常識”の罠にハマっているように思う。私が医療崩壊のトリガーになる未来 https://t.co/znZhs2p2DE
— とりこ (@trico_51) 2018年7月1日
まあ色々な意見がありますがこれだけたくさんの意見がでるっていうことは、このような問題で実際困っている女医さんが身近にいることを皆知っているということの裏付けではないかと思います。
この”女医さんが仕事と私生活をどう両立させるか”っていう問題、昔からありますが中々解決されない問題として継続して存在していますよね。
この問題、何が根本としてあるのかというと
①医療機関の医師の働かせ方の問題
②専門医制度の問題
③女医さん自身が仕事のキャリアについてどう考えるかの問題
って大きく3つに分類されるのではないかと思います。順にみていきましょう。
一つ目は医療機関が勤務する医師(女医)をどう働かせるのかという問題。
筆者はおそらく現在急性期病院に勤務していると思いますが、そのような環境ではおそらく当直もばりばりこなし、プライベートも何それ?って感じで働いている医者ばかりでしょう。
そんな病院は駄目だ!なーんて言うつもりはさらさらありませんが、他にももっとマトモな勤務条件で女医さんに働いてもらっている医療機関もあることは知っておく必要はあるでしょう。っていうか民間病院は普通そんな働かせ方しません。
当直がない、もしくは最少減にしている病院、時間や曜日もかなり融通がきく診療所などなど・・・・
医師の働かせ方は病院や診療所によって全く違います!
決して今の病院だけをみて悲観だけをすることがないように・・・(っていうかそんな病院今後生き残っていけませんから大丈夫ですよ。)
医療機関での医師の働き方は今後大きく変わるはずですし、何より自分で色々働く医療機関は選択できる時代です。自分のライフイベントや生き方にあわせて働く医療機関を自由に選択していきましょう。遠慮はいらないですよ~。
確かにそんな女医さんばっかになったら誰が当直するんだ?って議論はでるかと思いますが、それでも辞めるよりは絶対働いてもらった方が医療機関にとっても男性医師にとっても必ずいいです。後はどのように女医さんに働いてもらい、当直する医師の業務負担軽減ができるのかを医療機関や経営者が考えればいいだけです。
さて2つ目は専門医制度が子育てや休職、産休中の女医さんに著しく不利な点ですね。これは新専門医制度で是非改善すべき点であったんですが、現実はその逆。
これは正直個人レベルではどうしようもないですね。現行の新専門医制度は必ずどこかで見直しがされるはずですがそれまではしばらく時間がかかるでしょうし・・・・
でも専門医って必ず必要って訳じゃないですから安心してください。20代後半から子育てして、専門医別にとらないっていう選択肢もありですよ。
専門医もってなくても専門医なみの診療している先生市中にはごろごろいますし、何より患者さんも専門医だからって診察受けにくる患者さんだけではないので大丈夫ですよ。
思ったより専門医かどうかなんて、少なくとも市中のクリニックでは患者さんは気にしないもんです。専門医資格より医療機関にとっても、患者さんにとっても大事なことは、その医師が人間として魅力があるかどうか、の方がはるかに価値が高いが実情です。
専門医をとらずに子育てする、そんな選択肢も2018年の現在ならありかなって思います。
3つ目の女医さんの自身のキャリアについての考えですが、これは個々で全く違うでしょうね・・・バリバリ第一線で働きたい人もいるでしょうし、子育てしながら働きたい女医さんもいるでしょう。場合によっては数年の間子育てに専念したいっていう女医さんもいてもおかしくないと思います。
キャリアは多様化していますしバリバリ働いて幸せならそれでいいですし、そうじゃないなら別に数年現場から離れたって長い人生では何ともありませんよ。
大事なことは個人として仕事を人生の中でどう位置付けるか、ってことを明確にして女医として仕事していくことではないでしょうか?
別に非常勤だろうが当直しなかろうが、周囲や男性医師に気遣いしすぎることはありません。安心してくださいね。
っていうことで長く書きましたが結局女医さんが仕事と家庭、両者を充実させるために考えておくべきことは以下になるかと思います。
①働く医療機関をきちんと選ぶこと
②自分が仕事に何を期待しているのかを明確にしておくこと
③専門医についてはとらないという選択肢もありだということ(人生にはもっと大事なことがあります)
④周囲のスタッフに必要以上に気を使わないこと(どう働いてもらうのか、周囲のスタッフの負担をどう減らすのかを決めるのは医療機関の経営者の仕事ですから大丈夫!)
⑤子育ての期間は完全に仕事を休むっていう選択肢もあること
こんな感じですかね~、早く女医さんが子育ても仕事も楽しくしながら両立できるような時代がくればいいですね、当院はそこを目指して頑張ります!
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