<学校における医療的ケアの実施>をどう考えていくのか?【検討会議の資料から】
こんにちは、札幌の在宅医@今井です。
当院では小児の在宅医療は現在行っていませんが、小児の在宅医療を考える時に保護者の方の介護負担をどう減らすのかを考えるのと同時に、子供にとって単にケアを提供するだけでなく充実して生活できるように配慮してあげるのもとても大切なことだと思っています。
なので学校における医療的ケアが必要なお子さんをどうみていってあげるのかって非常に大事な問題ですよね。
学校における医療的ケアの在り方について
と考えていたら先日6月20日に「学校における医療的ケアの実施に関する検討会議」が中間まとめを公表しました。
資料は本編と概要の二部からなりますが、国が今後医療的ケア児の対応をどう考えているのかよくわかりますので資料をみてみたいと思います。
概要の方がわかりやすいのでそちらをみてみましょう。↓以下資料
気になる言葉を抜きだしてみると
○指示書の内容に責任を負う主治医との連携も不可欠。学校は医療的ケア児の健康状態等の必要な情報を主治医に提供することが必要。
○健康がすぐれない場合の無理な登校を控えたり、緊急時の連絡手段を確保するなど保護者にも一定の役割
○保護者の付添いについては、本人の自立を促す観点からも、真に必要と考えられる場合に限るよう努めるべき。
○人工呼吸器の管理をはじめ、特定行為以外の医療的ケアについては、一律に対応するのではなく、個々の医療的ケア児の状態に応じてその安全性を考慮しながら対応を検討することが重要。
○学校は、教育委員会のガイドライン等を踏まえ、各学校における実施要領を策定。 医療的ケア安全委員会を設置するなど、校長の管理責任の下、関係する教諭・養護教諭、看護師、教育委員会の委嘱した学校医・医療的ケア指導医等が連携し、対応できる体制を構築。
などなどとなっています。もっと詳しく読みたい人は本編の資料をお読みください。
まあ資料を読んでの今井の感想としては
①どこまでの学校が医療的ケア児を受け入れられるようになるのかなぁ、元々ガイドライン等を策定するのはお子さんがいきたい学校に行けるようになるようにするためだと思うんだけど、正直この通りに一般の学校がするのは難しいんじゃないかなと・・・・
②医師の責任がどの程度になるのかは医療者としては気になるな。包括的な指示を出すことはできるけれど実際の処置をしたり呼吸器管理したり、また患者さんの状態を確認するのは看護師がすることだし責任とれって言われても困ることもあるんじゃないか?
余談だけれども在宅の現場でも今後医師からの包括的な指示の元に看護が動く機会が増えるのは間違いない。ただ何かあった時の責任の所在に関してはどうするのか、議論が必要になるだろう・・・
③一番は保護者の付添いについては、本人の自立を促す観点からも、真に必要と考えられる場合に限るよう努めるべきっていう文言、この通りになればいいなっていうふうに単純に思います。
将来的に医療的ケアを受けている子供が不自由なく学校に行けて、親の方も安心して預けられるような環境をつくることができればいいですね~。
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