公開日:2018年06月21日

1年間で死者4000人!?カナダでもオピオイド乱用が問題に・・・・

こんにちは、札幌の在宅緩和ケア医@今井です。

カナダでも製薬会社の影響でしょうか、オピオイドクライシスがおきているようですね。

以下AFP通信より

カナダの「オピオイド危機」、17年死者4000人 公衆衛生当局

【6月20日 AFP】カナダでは、オピオイド系鎮痛剤の乱用による「オピオイド・クライシス(鎮痛剤危機)」で2017年に4000人近くの命が奪われた。同国の公衆衛生当局が19日、明らかにした。主な死因は強力な鎮痛薬フェンタニルの過剰摂取で、当局は事態がさらに悪化していると警告した。

オピオイド関連の死者数は前年比34%増で、過剰摂取による死亡事故で最も多かったのはフェンタニルを路上の麻薬密売人から違法に入手した30~39歳の男性が関与したケースだった。

2017年の死者3987人の90%近くが、アルバータ(Alberta)州、ブリティッシュコロンビア(British Columbia)州、オンタリオ(Ontario)州のわずか3州に集中した。公衆衛生当局は、報告書の中で「カナダは増大する深刻な鎮痛剤危機に見舞われる状況が続いている」と述べている。

 フェンタニルはヘロインの30~50倍、モルヒネの50~100倍強力な作用を持つと考えられている。

ジネット・プチパ・テイラー(Ginette Petitpas Taylor)保健相は「オピオイド系薬の処方の割合が高い」ことも「鎮痛剤危機の要因の一つ」になっていると指摘。「私は保健相として業界に対し、即刻行動を起こし、カナダ国内でのこれらの製品に関連するマーケティング活動を停止するよう求めている」と述べた。

同保険相は、オピオイド系処方薬が「痛みへの対処が必要なカナダ国民の助けになることが考えられる」と述べるも、その一方で、処方薬のマーケティングが医師らに過度の影響を与え「過剰処方」を引き起こすこともあり得ると指摘している。

公衆衛生当局が発表した数字によると、2017年のオピオイド処方件数は2130万件で、実際に2012年以来初めて減少に転じたという。

鎮痛剤危機への対策としてカナダ政府は、多額の予算を投入して緊急医療サービスの強化と過剰摂取の緊急治療薬ナロキソンの配布を行ってきた。(c)AFP

 

いやー、内容をみる限りカナダもかなりオピオイドの乱用が社会問題化してきていますね。今後規制の方向に進むのか、それとも製薬会社のロビー活動の影響でさらなる使用緩和に進むのか、どうなるのかは注視したいですね。

ちなみにアメリカは乱用に歯止めがきかないような現状だと認識していますが・・・・カナダは大丈夫かなぁ。

関連記事オピオイドの過剰服用

 

今後日本でも慢性疼痛にオピオイドの処方が解禁されたこともあり乱用されていくこととなるのでしょうか?(正直整形の先生とかはかなり乱用している印象は否めませんが・・・)

正直製薬会社は日本でもかなり広告活動するでしょうからどんどん売り上げは上がっていくでしょうね・・・・日本も大丈夫かなぁ、心配です。(某大学の教授みたいに多額の謝礼が製薬会社から学会関係者にも支払われるようになるのでしょうね~)

必要な患者さんには使用しますが安易な長期使用には気をつけたいですね。

皆さんも自分が飲む痛み止め、何を処方されたかは気をつけましょう!自分の身は自分で守るっていう意識、大事ですよ!!

 

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