公開日:2018年06月21日

平成30年の診療報酬改定はどのような考えが背景にあったのか?公的資料を読んでみる。

こんにちは、札幌は宮の森のかかりつけ医@今井です。

平成30年の診療報酬改定を国がどう考えて何を重点的に変更したのかがよくわかる資料がありました。

2020年、つまり平成32年の改定を予想するのにこれは必ず目を通しておきたいですね。

資料から総論部分のみ抜粋してみますので興味ある方は全文確認してみてください。

ではどうぞ!

中央社会保険医療協議会 総会(第396回) 議事次第 から 平成30年度診療報酬改定の概要(背景と主な改定事項のまとめ)について 4-1

 

【30 年度診療報酬改定の背景】
(急激な社会環境の変化)
・ 明治以降の急激な人口増加を経て近年の少子化により人口減少社会へ突入
・ 日本全体では急速な少子高齢化の進行により、人口構成が大きく変化
・ 一方、地域でみると、少子高齢化の進行の度合いには大きな差
・ 厳しい財政状況と伸び続ける社会保障費
(ケアニーズの変化)
・ 医学の進歩や公衆衛生の向上により、疾病構造は感染症から生活習慣病へと変化
・ 男女の平均寿命が伸び続ける一方、認知症高齢者や、一人暮らし・夫婦のみ高齢者世帯が増加
・ 今後は、悪性腫瘍の医療需要の伸びは鈍化し、肺炎や心疾患、脳血管疾患が増加(技術革新と持続可能性の調和)
・ 医療技術の進歩に伴う、革新的であるが高額な医薬品や医療機器の登場
・ ICT や AI 等の新たな技術への対応の必要性
・ 国民皆保険の維持のため、制度の安定性・持続可能性を高める取組の必要性

【改定の基本的考え方】
30 年度改定は、基本方針にも示されている以下の4つの柱に基づき行なわれた
1 地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進
・ 患者の状態等に応じて質の高い医療が適切に受けられるとともに、必要に応じて介護サービスと連携・協働する等、切れ目のない医療・介護の確保が重要。
・ 医療機能の分化・強化、連携を進め、効果的・効率的で質の高い医療提供体制を構築するとともに、地域包括ケアシステムを構築していくことが必要。
2 新しいニーズにも対応でき、安心・安全で納得できる質の高い医療の
実現・充実
・ 今後の医療技術の進歩や疾病構造の変化等を踏まえ、第三者による評価やアウトカム評価など客観的な評価を進めながら、適切な情報に基づき患者自身が納得して主体的に医療を選択できるようにすることが重要。
・ また、新たなニーズにも対応できる医療を実現するとともに、我が国の医療の中で重点的な対応が求められる分野の適切な評価が重要。
3 医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進
・ 医療従事者の厳しい勤務環境が指摘されている中、医療の安全の確保や地域医療の確保にも留意しつつ、医療従事者の負担の軽減を図り、あわせて、各々の専門性を発揮でき、柔軟な働き方ができるよう、環境の整備、働き方改革を推進することが必要。
4 効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上
・ 国民皆保険を維持するためには、制度の安定性・持続可能性を高める不断の取組が求められ、医療関係者が共同して、医療サービスの維持・向上と同時に、医療の効率化・適正化を図ることが必要

文章みたらわかりますが外来診療や地域包括ケア、調剤等に関してもどのような考えで今回の改定に至ったのかその理由がよくわかる形で公表されていますね~。

これが次回の改定にどうつながるのか他の資料などもあわせて予想していきたいと思います。皆さんは次回の改定の予想、もうされていますか?

 

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