サ高住で生きる、介護を受けるということ~この10項目に我慢できますか?

こんにちは、札幌の居宅中心に在宅医療を行っている訪問診療医@今井です。

サ高住で生きる、介護を受けるということ

当院は高齢者住宅よりは患者さん個人宅を中心に訪問診療を行っています。当然まとめて患者さんを診る訳ではないですし、医療も個別性が高いものを求められるためその分手間や人手もかかりますが、患者さんと家族の生活や素顔を診ることができるためやりがいがあるし医療者にとっても大変楽しい診療をさせてもらっています。

その一方でサ高住の患者さんも診療はしてはいますが数としては少数です。それはこちらがきちんと付き合いたいなと思える事業所が少ないっていうのが一番の理由です。

そんないい住宅は少ないサ高住ですが、皆さんはご自身が、もしくは両親がサ高住に入居することは検討されていますか?

自分はこれまでの経験からできるならサ高住に入居することはお勧めしません。可能な限りまずは自宅で本当に過ごすこと、介護を受けることが難しいかどうかを検討すべきかと思っています。

サ高住を外からみることが多い在宅の医療者が「サ高住で生きる、介護を受けるということ」っていうことを少しネガティブな側面から述べてみたいと思います。

皆さんはこの10項目に我慢できますか?

サ高住に住む時に我慢を強いられる10項目

①個人の自由度が少ない

何をするにも施設の許可が必要です。要介護者の人であれば外出なんて夢のまた夢となるでしょう。施設の中で囚われて生きることになります。

朝遅くまで寝ていること、夜更かしするっていう自由ももちろんなくなります。

②受ける医療や介護の自由度が狭まる

サ高住で契約している医療機関や系列事業所からの介護、場合によっては不必要なショウタキやカンタキなどを知らないうちに利用させられることになっていることもあります。

必要のないサービス、もしくは自分にあわない事業所のサービスであっても拒否権はありません。

③個別性のあるケアは期待できない

サ高住の住民○○人にケアを行うような事業者が入るためケアにはもちろん個別性は期待できず、機械的なケアや介護保険の点数をとるための意味のないケアを受けることになる可能性があります。

④何をするにもお金が必要となる

サ高住は”サービスがついている高齢者住宅”っていう意味ですがこれは間違いではありません。問題は何をするにも全てにお金がかかること。サービスは全てお金で換算されることになります。

場合によっては自室から食堂までの移動もヘルパーの介助っていうことでお金請求される可能性もあります。まさしくお金こそサービスを受けられるか受けられないかを決めるっていうことを強烈に意識させられるのがサ高住です。

⑤通所という名のフロア移動

よくあるのが2階以上の階が住宅、1階がデイっていうことになっていて、自室から1階のフロアに移動することがデイに通うっていうことになっている場合があります。

笑っちゃいますがこれがサ高住の現実です。

⑥介護保険は限度額いっぱいまで使用される

経営する事業者にとっては利用者さんが必要かどうかは関係ありません。大事なことは介護保険の点数をどれだけ関連事業所に落としてくれるか、です。

なので例え不必要なサービスでも施設のひも付きケアマネさんに限度いっぱいまで点数は使用されるでしょう。

⑦食事が画一化し生きる楽しみが奪われる

食事は厨房で作ってくれるところもあれば配達のところもあるでしょうが、大抵美味しくないと皆さん言っています。

ひどいところだと食事たべれたもんじゃないから隣接するローソンで食べ物買いに行くっていっている患者さんもいたところもありました。

食事は毎日の楽しみのはずですがサ高住によっては全く楽しみではなくむしろ悲しみとなっている住宅もあります。

⑧いざとなればACPを無視される可能性がある

サ高住では夜間や休日は管理者が不在であることがあるので体調変化したときにはその場にいる施設職員の判断で全てが決まることがままあります。

在宅クリニックが「必ず電話してね」って言っていてもそんなのお構いなく施設の現場の職員が救急要請します。

すると事前のACPで「蘇生しないで」っていう意思を出していようが無視されることももちろんあり得ます。

⑨病状が悪化した場合退去を迫られる可能性がある

サ高住の経営者にとってはいい顧客とは、手間がかからず介護保険の点数を落としてくれる入居者さん、っていうのが本音です。看取りをどうするとかいつまでそこで過ごしたいか、なんて利用者さんの気持ちは二の次であることがままあります。

そうなるとどうなるか?体調が変化してADLが低下しケアが大変になってきたときに「もうここでは過ごすことができませんので他を探してください」ってことが良くあります。

⑩ある日運営会社が突然破綻する可能性がある

経営母体が民間の事業者であることが多いので突然破綻や破産、事業譲渡などで母体が変わることがあり得ます。つい最近も札幌でほく○うとかっていうグループが経営破綻しましたよね?事業者が突然変わり契約内容も大きく変更される可能性も否定できません。

 

さてサ高住で生きる、介護を受けるっていうことは上記10項目+αに我慢することができますか?

正直自分は無理ですね。こんな風になっている患者さんたくさんみてきましたよ。

サ高住に入るっていうことはこういう点を我慢して最悪自分の身にも、両親の身にもおきるんだ、ってことはよくよく理解しておいてほしいと思いますよ。

皆さんのご意見はいかがですか?良ければおしえてくださいね。

 

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