公開日:2017年04月11日

公文書からみる医療の将来についての検討⑧

公文書からみる医療の将来についての検討の⑧です。だいぶ長くなってきましたがそろそろ終わりですのできちんと最後まで読み通そうと思います。まずは医科歯科連携・歯科疾患予防の推進等、 薬剤師の生産性と付加価値の向上、フィジシャン・アシスタント(PA)の創設等についての項目をみてみます。

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医科歯科連携・歯科疾患予防の推進等に関しては特に真新しいことは書いてないと考えています。むしろ重要なのはそのあとの2項目ですね。

1つ目、薬剤師の生産性と付加価値の向上については結構大事なことが書かれています。P36から気になる文言のみ抜粋しますね。

「薬剤師の本質がもっぱら調剤業務のみに止まることなく」「、調剤を主体とした業務構造を変革し、専門職として処方内容を分析し患者や他職種に助言する機能や、薬物療法のプロトコルを策定する機能を強化すべき」「、医師に対して、治療効果や副作用のモニタリングのための検査の実施を含めた薬物療法の提案を行うことにより、薬物療法の有効性・安全性をさらに向上させていくことが期待」「、薬局においては、「かかりつけ薬剤師・薬局」の推進等の取組みが進められているが、今後の地域における薬局や薬剤師の機能は、患者・住民とのコミュニケーションの側面を中心に、大きく変容することが期待」「、処方箋 40 枚につき薬剤師1名の配置等、処方せんの枚数に応じた薬剤師の配置基準は、実態及び今後の効率化の可能性を踏まえて見直すべき」「、薬剤師が地域包括ケアの重要な役割を担い得る存在として、より高度で幅広い活動を行う専門職に脱皮していくことが必要である。例えば、保険者が行う糖尿病性腎症の重症化予防プログラムにおけるかかりつけ薬剤師による指導の役割などは、持てる能力を発揮する好例であると考えられる」「、同じ薬剤処方であれば再度の診察・処方せん交付は不要とあらかじめ医師から指示されている場合には、医師との連携の下、薬剤師等によるリフィル処方への対応を可能とし、長期に有効な処方せんが一度出されれば、これを提示することで何度も薬を受け取ることができるよう検討すべき」

リフィル処方せんの導入、薬剤師の対物から対人業務へのシフトの加速、セラピストとしての役割の重視、などなど増員された薬剤師さんの今後の高齢化社会においての役割がかなり明確に提示されています。ここに書かれたこと、今はあんまり予想し難いですが必ず現実になると思ってもらっていいかと思います。どう対応していくかは薬剤師さんはもちろんですが医師も、他の医療職者も変化への覚悟は必要ですね。

2つ目、フィジシャン・アシスタント(PA)の創設等についても結構細かく重要なところかきだしてみますね。

「日本においても、海外の事例 33 を参考に、「フィジシャン・アシスタント」の資格を新たに設け、簡単な診断や処方、外科手術の助手、術後管理等ができるようにすることを重要な選択肢として検討すべき」「ただし、フィジシャン・アシスタントの創設等については、新たな業務として医行為を行う者の不安や懸念を払拭することが前提となる。このため、医療機関の医師がこれらの者のスキルアップを促し、サポートする体制の構築を図っていくことや、こうした者が現場で活躍できるよう、患者の安全や責任分担、診療報酬上の配慮を行い、業務分担を行った方が経営上メリットがある工夫を行っていくことも重要」

 

どうでしょうか、大体これまでの文章のつながりを一通りみてもらい、ここの部分までみてみると医療の将来がどうなるか、何となく皆さんも想像できるのではないでしょうか。

 

ではこの時代が来たときの医師の仕事はどうなるでしょうか?他の職種ができないような高度な医療処置に特化していくだけが医師の仕事となるでしょうか。自分はそうではないと思います。過去のどの時代を切り取ってみてみても、医師の仕事は人を治癒し、そしてそれが不可能となったときは人生の最後を看取ってあげることだと思います。そこのところに対応できる、感情をもった人間が、技術に特化した医師とは正反対の必要とされる医師となるのではないかと思います。皆さんはこの先の時代の医療、どう考えますか?