年末も夜まで訪問は続きます

先週や月曜に退院時カンファレンスした患者さんなど連日訪問が続いています。いつもは看護師さんと二人でまわるのですが、年末は休みでいないため、さびしいですが一人で患者さんち回っています。つかの間の休憩は運転しながらのコーヒーです。

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セブンのコーヒーはおいしいですね。年末だけでどれだけのむことになるのやら・・・・、まあひとまず限界までは頑張ります。よく病院とかで年末年始によく患者さん受けてくれますね、と言われるのですが、自分としては年末年始に頑張るコツとしては、あくまで休みと考えずに”平日の火曜日、水曜日”といった意識で仕事することかなと思っています。いわゆる自己暗示です。意識すれば皆さんもすぐできますので試してみてください。簡単ですよ。

終わって診療所に戻る時間にはすっかり暗い夜空。通りかかった神宮は、しんしんと降る雪の中正月の参拝客を待ちかまえているように佇んでいました。

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今年も年末は怒涛の勢いで過ぎていきます。

診療報酬のことなどをブログで記載していましたがこの2週間はほぼ連日8時近くまで訪問や往診、退院時カンファレンスなどに参加していたため全く時間がなく更新していませんでした。自分たち医師のみならず当院の訪問看護師やソーシャルワーカーなども年末を自宅で過ごしたい患者さんのために日夜遅くまで働いてくれています。ここまでぎりぎりの時期に退院してくる患者さんの診療している在宅クリニックは札幌には絶対に他にはないと断言できます。すべては患者さんのため・・・・・明日も2件の退院時カンファ、頑張っていきたいと思います。

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ところで最近当院で経験した帯状疱疹の一例です。既往歴は特にない35歳男性、最近仕事が忙しく不規則な生活が継続、睡眠も不足していたためか左肋間神経に帯状疱疹が12月○○日発症し初診。当初より診断はついていたが”患者さんの痛みがわからないためいい機会だ、帯状疱疹の痛みを経験してみたい”との訴えあり内服治療拒否。その後皮疹は現在進行形で拡大傾向で経過観察となっている。その後”結構痛いですが自分は薬飲まなくてもまだ大丈夫そうです。患者さんの痛み、少しだけわかりました”とのこと・・・・・・・・

年末は少しは休めるでしょうか。皆さんは無理せずにきちんと薬をのみましょうね。

ちなみに明日は当院の見学にお医者さんがこられます。他にも希望する医療者の方いたら気軽にご連絡ください。

訪問看護師さん募集しています

在宅医療、在宅での緩和ケアに興味のある訪問看護師さんを募集しています。

当院は札幌で多職種での在宅医療を行っているクリニックです。医師、看護師、リハビリセラピスト、ソーシャルワーカー、ケアマネなど一人の患者さんにクリニック内で円滑に連携しつつより質の高い在宅医療を提供しようと頑張っています。しかし訪問看護師さんに関しては業務増加のため現在人が足りず募集することとなりました。

在宅医療や訪問看護に興味のある看護師さんを募集しています。訪問看護未経験でも病棟などできちんとした経験があれば対応はできると思います。必要な介護保険の知識や薬などの知識などは一緒に勉強していければと考えています。

連絡先は下記ホームページ内の募集先をみてみてくださいね、お待ちしています。

http://www.imai-hcc.com/recruit

院長 今井浩平

年末が近くなってきました。

この時期はやっぱり自宅で過ごしたいのはみなさん共通で、在宅医療をうけたい患者さんが増えてきています。カンファレンスも毎週2~4件程度医師3人で手分けして各病院と行っています。これから年末にむけてどうなることか、忙しすぎるのも少し心配もありますね。

今日もお看取りしましたが今月は6人の患者さんを自宅で看取っています。何故か大体お看取りは早朝もしくは夜間ですね。月末に向けて体調整え札幌の皆さんの在宅医療への欲求、自宅で亡くなりたいという希望にこたえていけるように頑張ろうと思います・・・・

平成28年度の診療報酬改定の基本方針について

診療報酬の追加の情報がきましたので掲載します。来年度の改定の方針と書いてありますが、根本的には医療と介護の同時改定が行われる平成30年にむけた基本方針の発表だと自分は捉えています。簡潔な文章ですので皆さん是非全文みてみてください。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000106231.html より http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000106491.pdf

1
平成 28 年度診療報酬改定の基本方針

1.改定に当たっての基本認識

(超高齢社会における医療政策の基本方向)
○  いわゆる「団塊の世代」が全て 75 歳以上となる平成 37 年(2025 年)に向けて、制度の持続可能性を確保しつつ国民皆保険を堅持しながら、あらゆる世代の国民一人一人が状態に応じた安全・安心で質が高く効率的な医療を受けられるようにすることが重要である。
○  同時に、高齢化の進展に伴い疾病構造が変化していく中で、「治す医療」から「治し、支える医療」への転換が求められるとともに、健康寿命の延伸の観点から予防・健康づくりの取組が重要となってくる。医療や介護が必要な状態になっても、できる限り住み慣れた地域で安心して生活を継続し、尊厳をもって人生の最期を迎えることができるようにしていくことが重要である。
○  また、この「超高齢社会」という問題に加えて、我が国の医療制度は、人口減少の中での 地域医療の確保 、少子化への対応、 医療保険制度の持続可能性の確保といった様々な課題に直面しており、さらには、災害時の対応や自殺対 策な ど 、個 々の 政策 課題 への 対応 も求 めら れて いる 。 こうした多面的 な問 題 に対応するためには、地域の実情も考慮しつつ、平成26 年度に設置 された地域医療介護総合確保基金 をはじめ、 診療報酬、予防・健康づくり、更には介護保険制度も含め、それぞれの政策ツールの特性・限界等を踏まえた総合的な政策の構築が不可欠である。
○  さらに、2035 年に向けて保健医療の価値を高めるための目標を掲げた「保健医療 2035」も踏まえ、「患者にとっての価値」を考慮した報酬体系を目指していくことが必要である。
(地域包括ケアシステムと効果的・効率的で質の高い医療提供体制の構築)
○  「医療介護総合確保推進法」等の下で進められている医療機能の分化・強化、連携や医療・介護の一体的な基盤整備、平成 30 年度(2018 年度)に予定されている診療報酬と介護報酬の同時改定など、2025 年を見据えた中長期の政策の流れの一環としての位置づけを踏まえた改定を進めていく。
○  特に、地域包括ケアシステムや効果的・効率的で質の高い医療提供体制の整備には、質の高い人材を継続的に確保していくことが不可欠である。人口の 減少傾向や現下の人材不足の状況に鑑み、医療従事者の確保・定着に向けて、地域医療介護総合確保基金による対応との役割分担を踏まえつつ、医療従事者の負担軽減など診療報酬上の措置を検討していくことが必要である。
(経済成長や財政健全化との調和)
○  医療政策においても、経済・財政との調和を図っていくことが重要。「経済財政運営と改革の基本方針 2015」や「日本再興戦略 2015」等も踏まえつつ、無駄の排除や医療資源の効率的な配分、医療分野におけるイノベーションの評価等を通じた経済成長への貢献にも留意することが必要である。
2.改定の基本的視点と具体的方向性
(1)地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関する視点
【重点課題】
(基本的視点)
○  医療を受ける患者にとってみれば、急性期、回復期、慢性期などの状態に応じて質の高い医療が適切に受けられるとともに、必要に応じて介護サービスと連携・協働するなど、切れ目ない提供体制が確保されることが重要である。
○  このためには、医療機能の分化・強化、連携を進め、在宅医療・訪問看護などの整備を含め、効果的・効率的で質の高い医療提供体制を構築するとともに、地域包括ケアシステムを構築していくことが必要である。
(具体的方向性の例)
ア  医療機能に応じた入院医療の評価
・  効果的・効率的で質の高い入院医療の提供のため、医療機能や患者の状態に応じた評価を行い、急性期、回復期、慢性期など、医療機能の分化・強化、連携を促進。
イ  チーム医療の推進、勤務環境の改善、業務効率化の取組等を通じた医療従事者の負担軽減・人材確保
・  地域医療介護総合確保基金を活用した医療従事者の確保・養成等と併せて、多職種の活用によるチーム医療の評価、勤務環境の改善、業務効率化の取組等を進め、医療従事者の負担を軽減。
ウ  地域包括ケアシステム推進のための取組の強化
・  複数の慢性疾患を有する患者に対し、療養上の指導、服薬管理、健康管理等の対応を継続的に実施するなど、個別の疾患だけではなく、患者に応じた診療が行われるよう、かかりつけ医やかかりつけ歯科医の機能を評価。
・  患者の薬物療法の有効性・安全性確保のため、服薬情報の一元的な把握とそれに基づく薬学的管理・指導が行われるよう、かかりつけ薬剤師・薬局の機能を評価。
・  医療機関間の連携、医療介護連携、栄養指導等、地域包括ケアシステムの推進のための医師、歯科医師、薬剤師、看護師等による多職種連携の取組等を強化。
・  患者が安心・納得して退院し、早期に住み慣れた地域で療養や生活を継続できるための取組を推進。
エ  質の高い在宅医療・訪問看護の確保
・  患者の状態や、医療の内容、住まいの状況等を考慮し、効果的・効率的で質の高い在宅医療・訪問看護の提供体制を確保。
オ  医療保険制度改革法も踏まえた外来医療の機能分化
・  本年5月に成立した医療保険制度改革法も踏まえ、大病院と中小病院・診療所の機能分化を進めることについて検討。
・  外来医療の機能分化・連携の推進の観点から、診療所等における複数の慢性疾患を有する患者に療養上の指導、服薬管理、健康管理等の対応を継続的に実施する機能を評価。
(2)患者にとって安心・安全で納得できる効果的・効率的で質が高い医療を実現する視点
(基本的視点)
○  患者にとって、医療の安心・安全が確保されていることは当然のことであるが、今後の医療技術の進展や疾病構造の変化等を踏まえれば、第三者による評価やアウトカム評価など客観的な評価を進めながら、適切な情報に基づき、患者自身が納得して主体的に医療を選択できるようにすることや、病気を治すだけでなく、「生活の質」を高める「治し、支える医療」を実現することが重要である。
(具体的方向性の例)
ア  かかりつけ医の評価、かかりつけ歯科医の評価、かかりつけ薬剤師・薬局の評価
・  複数の慢性疾患を有する患者に対し、療養上の指導、服薬管理、健康管理等の対応を継続的に実施するなど、個別の疾患だけではなく、患者に応じた診療が行われるよう、かかりつけ医やかかりつけ歯科医の機能を評価。(再掲)
・  患者の薬物療法の有効性・安全性確保のため、服薬情報の一元的な把握とそれに基づく薬学的管理・指導が行われるよう、かかりつけ薬剤師・薬局の機能を評価。(再掲)
イ  情報通信技術(ICT)を活用した医療連携や医療に関するデータの収集・利活用の推進
・  情報通信技術(ICT)が一層進歩する中で、患者や医療関係者の視点に立って、ICT を活用した医療連携による医療サービスの向上の評価を進めるとともに、医療に関するデータの収集・利活用を推進することで、実態やエビデンスに基づく評価を推進。
ウ  質の高いリハビリテーションの評価等、患者の早期の機能回復の推進
・  質の高いリハビリテーションの評価など、アウトカムにも着目した評価を進め、患者の早期の機能回復を推進。
(3)重点的な対応が求められる医療分野を充実する視点
(基本的視点)
○  国民の疾病による死亡の最大の原因となっているがんや心疾患、肺炎、脳卒中に加え、高齢化の進展に伴い今後増加が見込まれる認知症や救急医療など、我が国の医療の中で重点的な対応が求められる分野については、国民の安心・安全を確保する観点から、時々の診療報酬改定においても適切に評価していくことが重要である。
(具体的方向性の例)
○  上記の基本的視点から、以下の事項について検討を行う必要。
ア  緩和ケアを含む質の高いがん医療の評価
イ 「認知症施策推進総合戦略」を踏まえた認知症患者への適切な医療の評価
ウ  地域移行・地域生活支援の充実を含めた質の高い精神医療の評価
エ  難病法の施行を踏まえた難病患者への適切な医療の評価
オ  小児医療、周産期医療の充実、高齢者の増加を踏まえた救急医療の充実
カ  口腔疾患の重症化予防・口腔機能低下への対応、生活の質に配慮した歯科医療の推進
キ  かかりつけ薬剤師・薬局による薬学管理や在宅医療等への貢献度による評価・適正化
ク  医薬品、医療機器、検査等におけるイノベーションや医療技術の適切な評価  等
(4)効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点
(基本的視点)
○  今後、医療費が増大していくことが見込まれる中で、国民皆保険を維持するためには、制度の持続可能性を高める不断の取組が必要である。医療関係者が共同して、医療サービスの維持・向上と同時に、医療費の効率化・適正化を図ることが求められる。
(具体的方向性の例)
ア  後発医薬品の使用促進・価格適正化、長期収載品の評価の仕組みの検討
・  後発品の使用促進について、「経済財政運営と改革の基本方針 2015」で掲げられた新たな目標の実現に向けた診療報酬上の取組について見直し。
・  後発医薬品の価格適正化に向け、価格算定ルールを見直し。
・  前回改定の影響を踏まえつつ、現行の長期収載品の価格引下げルールの要件の見直し。
イ  退院支援等の取組による在宅復帰の推進
・  患者が安心・納得して退院し、早期に住み慣れた地域で療養や生活
を継続できるための取組を推進。(再掲)
ウ  残薬や重複投薬、不適切な多剤投薬・長期投薬を減らすための取組など医薬品の適正使用の推進
・  医師・薬剤師の協力による取組を進め、残薬や重複投薬、不適切な多剤投薬・長期投薬の削減を推進。
エ  患者本位の医薬分業を実現するための調剤報酬の見直し
・  服薬情報の一元的把握とそれに基づく薬学的管理・指導が行われるよう、かかりつけ薬剤師・薬局の機能を評価するとともに、かかりつけ機能を発揮できていないいわゆる門前薬局の評価の適正化等を推進。
オ  重症化予防の取組の推進
・  重症化予防に向けて、疾患の進展の阻止や合併症の予防、早期治療の取組を推進。
カ  医薬品、医療機器、検査等の適正な評価
・  医薬品、医療機器、検査等について、市場実勢価格を踏まえた適正な評価を行うとともに、相対的に治療効果が低くなった技術については置き換えが進むよう、適正な評価について検討。
・  また、医薬品や医療機器等の費用対効果評価の試行的導入について検討。
3.将来を見据えた課題
○  地域医療構想を踏まえた第 7 次医療計画が開始される平成 30 年度に向け、実情に応じて必要な医療機能が地域全体としてバランスよく提供されるよう、今後、診療報酬と地域医療介護総合確保基金の役割を踏まえながら、診療報酬においても必要な対応を検討すべきである。
○  平成 30 年度の同時改定を見据え、地域包括ケアシステムの構築に向けて、在宅医療・介護の基盤整備の状況を踏まえつつ、質の高い在宅医療の普及や情報通信技術(ICT)の活用による医療連携や医薬連携等について、引き続き検討を行う必要がある。
○  患者にとって安心・納得できる医療を提供していくためには、受けた医療や診療報酬制度を分かりやすくしていくための取組を継続していくことが求められる。また、それと同時に、国民全体の医療制度に対する理解を促していくことも重要であり、普及啓発も含め、国民に対する丁寧な説明が求められる。
○  国民が主体的にサービスを選択し、活動することが可能となるような環境整備を進めるため、予防・健康づくりやセルフケア・セルフメディケーションの推進、保険外併用療養の活用等について広く議論が求められる。

来年度以降のがん対策加速化プランがでました。

国が増え続ける癌患者さんへの対策にどう考えているのか、そしてどう対応しようと考えているのかがわかる資料をみることができます。http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000106010.html のPDF http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000106059.pdf を参考にしてみてください。

在宅分野に関しては緩和ケアの部分を抜粋してみてみたいと思います。国は在宅緩和が進まないのは研修不足や、緩和ケアチームの取り組みが不足、普及していないからだと考えている節もありますがそうではないと思います。現場の人はできる限り在宅での看取りをしたいと思っています。現実的には働く人がいないから看てあげられないという点が一番の問題で、そこをどう改善するか、どう在宅に医療者を誘導する政策がとれるかが不明瞭のままではこの計画自体が画餅になってしまうでしょうね。皆さんの感想はいかがでしょうか。

以下先ほどのPDFより抜粋 P18~

(3)緩和ケア
<現状と課題>
緩和ケアについては、がんと診断された時から全人的な苦痛を軽減するため、拠点病院に緩和ケアチームを設置し、がん疼痛をはじめとするさまざまな苦痛のスクリーニング 31 を診断時から行うなど、緩和ケアを組み入れた診療体制の整備が行われてきた。また、がん診療に携わる医師等が緩和ケアに関する基本的な知識と技術を習得するための研修も進められ、平成27年9月30日時点で63,528人が受講している。 しかし、拠点病院において、緩和ケアチームの年間新規診療症例数が50件(月に4件程度)に満たない施設は25%におよび、緩和ケアチームの診療報酬上の評価である「緩和ケア診療加算」を算定する拠点病院も176施設と半数に満たず、緩和ケアのニーズに対応できていないことや苦痛のスクリーニングも普及していないことが、「緩和ケア推進検討会」等で指摘されている。
さらに、身体的苦痛や精神心理的苦痛の緩和が十分に行われていないがん患者が3~4割32 いるという調査結果も出ており、基本計画の全体目標である「全てのがん患者と家族の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上」を達成するためには、引き続き緩和ケア提供体制の検証と整備を進める必要がある。
また、入院、外来、在宅等の診療の場を問わず「切れ目のない質の高い緩和ケア」を提供するためには、地域で緩和ケアを担う人材の育成や施設間の地域連携は欠かせない。平成27 年8月に「緩和ケア推進検討会」がとりまとめた「地域緩和ケアの提供体制について」では、①拠点病院等の専門的緩和ケア(緩和ケアチーム、緩和ケア外来等)の提供体制が、地域では十分に整備されていないこと、②地域で緩和ケアを担う施設に関する情報が集約・共有されていないこと、③地域の緩和ケアを担うスタッフが不足しており、診療・ケアの質が十分に担保されていないことなどが課題としてあげられている。
<実施すべき具体策>
入院患者のみならず、外来患者に対する緩和ケアも充実するため、以下の施策を提言する。
緩和ケアチームの質の向上のため、緩和ケアチームの年間新規診療症例数が多い等、診療機能の高いチームが、他病院の緩和ケアチームの医療従事者を受け入れて、実地研修を提供する。
苦痛のスクリーニングの事例集等を作成し、医療現場に普及する。
人材育成に関しては、関係学会や都道府県と協力して、引き続きがん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会の受講を進める。
関係団体と協力して、入院、外来、在宅等の診療の場を問わず、適切な緩和ケアを提供できるよう、緩和ケアに関するガイドブックの改訂を進める。
終末期の療養生活の質を向上させるため、関係団体等と協力し、遺族調査を通じて終末期の医療・介護サービスの実態を分析する。
がん患者が住み慣れた家庭や地域での療養や生活を選択できるよう、関係団体と協力し、緩和ケアに携わる者や施設間の調整を担う人材の研修や、訪問看護ステーション等の看護師を対象とした研修を実施する。
近年、外来で治療を受けるがん患者が増えていることに鑑み、病院の外来から在宅医療への移行や、がん患者が安心して自宅等で療養できるよう緊急の症状緩和目的の入院を受け入れる緩和ケア病棟を評価する。

2016年診療報酬改定議論の最終的な論点です

中医協からの資料が再度でています。診療報酬改定に関する基本的な見解について、診療側と支払い基金側との意見が真っ向から対立しています。ある意味それがなければ議論がうまれないですし、利益が相反する組織同士の主張ですので至極当然といえば当然だと思います。以下に支払側委員と医療者側からの意見を全文引用し提示します。皆さんはどちらの意見にコミットできますか?自分は色々思うところはありますがここでの見解発表は控えておきたいと思います。

中央社会保険医療協議会総会(第316回)http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000105567.html より

1号側委員提出資料 http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000105861.pdf

平成 28 年度診療報酬改定に関する 1 号側(支払側)の基本的考え方
○  わが国は、急速な高齢化の進展に伴い、医療費は増加の一途を辿り、25 年度にはついに国民医療費が 40 兆円を超えた。今後、一段と高齢化が加速する中にあっては、さらなる増加は避けられない状況にある。
○  国内経済は、足もとでは緩やかな回復基調が続いているものの、政府の掲げる強い経済の実現には未だ道半ばである。医療費を含めた国民の社会保障費負担の増加を抑制しなければ、労働者の手取賃金の伸びが抑えられ、消費の下押し要因となるほか、企業においても事業コストの増大に直結することから、国内外からの投資が減退し、経済成長が大きく鈍化するのではないかと懸念される。
○  このような背景から、政府はいわゆる「骨太方針 2015」において、社会保険料を含む国民の負担増は極力抑制するとの方向性の中で「社会保障関係費の伸びを、高齢化による増加分と消費税率引き上げとあわせ行う充実等に相当する水準におさめること」を目指すこととしている。
○  医療保険者の財政は、保険料収入の伸びを上回る医療費の伸びに加え、高齢者医療制度に対する支援金・納付金の増大などにより深刻な状況に陥っている。被用者保険では、20 年度の現行制度創設以降、大幅な保険料率の引き上げを余儀なくされ、被保険者に重い負担を求めることで、財政危機をしのいでいるが、今後さらなる引き上げも懸念される。また、国民健康保険においても、依然として財政状況は窮迫しており、今次法改正により財政運営主体等の見直しとともに消費税財源を用いて財政支援の拡大措置がとられた。
○  一方、先日公表された医療経済実態調査結果では、一部の病院の経営状況にやや悪化の傾向は見られるものの、医療機関等の経営は全体としては中期的におおむね堅調に推移していると見られる。足もとで賃金・物価に改善傾向が見られるとしても、長年に亘り賃金・物価の伸びを上回る診療報酬改定が行われてきていることを考慮すれば、次期改定において患者負担や保険料負担の増加につながる診療報酬の引き上げを行うことは、到底、国民の理解と納得が得られないものと考える。
○  このため、28 年度改定において診療報酬はマイナス改定とすべきである。併せて、26 年度改定と同様に薬価・特定保険医療材料改定分(引き下げ分)を診療報酬本体に充当せず、国民に還元する必要がある。
○  28 年度改定にあたっては、医療機能に応じた入院医療の評価として急性期をはじめ患者の状態像に応じた適切な評価や在宅医療の充実を図るほか、医薬品等への費用対効果評価の導入、いわゆる「かかりつけ薬剤師」の機能の発揮などによる残薬解消や多剤投与の是正、調剤報酬の適正化、新たな目標を踏まえた後発医薬品の使用促進など、全体として効率的で質の高い医療提供体制の構築と医療費の適正化を図っていくことを基本方針とすべきである。また、その中で前回改定において重点的に取り組んだ入院および外来医療の機能分化・強化、連携の推進、長期入院の適正化、主治医機能の強化などの効果を検証し、さらに促進するための施策を講じるべきである。
○  なお、患者の視点に立った報酬体系を目指し、限られた財源を効率的かつ効果的に配分する必要があることから、個別項目については、今後の審議の進捗状況も踏まえ、改めて意見を提示することとしたい。

 

2号委員提出資料 http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000105862.pdf

平成28年度診療報酬改定に対する二号(診療側)委員の意見

◇  実調の結果を見ると医療機関等の経営は悪化傾向
今回の医療経済実態調査の結果等から、医療機関等は総じて経営悪化となったことが示された。前回診療報酬改定が実質▲1.26%のマイナス改定であったことや、消費税率引き上げに伴う補填も同時に行われたため、多額の設備投資等があり、控除対象外消費税負担が大きい医療機関では、補填が十分ではなく、経営悪化に繋がったと見られる。
◇  超高齢社会に対応するため、地域包括ケアシステムの確立を含め、国民の安心・安全の基盤のためには過不足ない財源投入が必要 団塊の世代が 75 歳以上の後期高齢者となる 2025 年に、持続可能な社会保障制度を実現するためには、かかりつけ医を中心とした切れ目のない医療・介護を提供できるよう地域包括ケアシステムの確立も重要である。
あと 10 年という短期間の中で、地域における医療資源を有効活用しながら、超高齢社会にふさわしい医療機能の分化・連携体制をさらに推進するためには、継続して改革を進めなければならない。国民の安心・安全の基盤のためには、過不足ない財源投入が必要である。
◇  医療には経済波及効果、雇用創出効果もあり、アベノミクスによる賃金上昇の方向性と整合性を取るべき
国民が適切な医療を受けるためには、過不足のない診療報酬の確保が重要である。また、診療報酬は国民皆保険体制の中で、実質的に医業経営の原資を司るものであり、医業の再生産の可能性を左右し、ひいては医療提供体制の存続に直結する。 医療用消耗品や医療機器などの価格は、技術料から包括して償還されており、価格が上昇したことにより、結果として人件費が圧迫された。医療機関の費用構造における人件費の割合は、2000 年の 50.2%から、2012 年は 46.4%へと大きく減少している。   アベノミクスの成果により、1 人平均月間現金給与総額は 2009 年を 100 とすると、2014
年は製造業が 109.3、全産業で 100.4 であるのに対し、医療は 98.0 に落ち込んでいる。また、2010 年と比べて 2014 年は、物価は消費税率の引き上げも含めて 2.8%、賃金は 2.4%と大きく上昇している。 11 月 24 日に開催された経済財政諮問会議では甘利経済財政政策担当大臣から「希望を生み出す強い経済実現に向けた緊急対策(案)」が出され、「賃金・最低賃金引き上げを通じた消費の喚起」が提案された。 医療には全国で約 300 万人以上が従事しており、特に地方において雇用誘発効果が高くなっている。医療機関が経営的にも安定し、給与等の形で医療従事者に還元されれば、特に地方の経済も活性化し、地方創生への多大な貢献につながるものと期待できる。したがって、医療において適切な財源を確保することにより、甘利大臣が提案するように賃金引き上げを通じて消費の喚起が期待できる。
◇  薬価等引き下げ分は本体改定財源に充当すること
薬価差は、制度発足時に十分な技術評価ができなかったことから生じたものであり、その不足分に相当する潜在的技術料である。薬価改定財源は、1972 年の中医協の「建議」以来、診療報酬へ充当されてきた経緯があり、歴代の厚生大臣や総理も薬価改定財源を技術料に充当されるべきと述べている。また、健康保険法では、診察、薬剤の支給、処置など
の療養の給付を受けることができるとされており、健康保険法において薬剤は診察等と不可分一体である。その財源を切り分けることは不適当である。
◇  医療界も改革すべき点は改革しながら
社会保障費は医療、介護等を中心に今後も増加することが見込まれるため、時代に即した改革が必要である。未曾有の少子高齢社会が進展し、人口が減少していく中で国民皆保険を堅持し、持続可能な社会保障を実現するためには、我々医療側から、財政主導ではなく、過不足ない医療提供ができる適切な医療環境の整備を提言していかなければならない
と考えている。
診療報酬は、医療機関等にとって経営の原資であることはもとより、国民に適切な医療を提供するためには医療機関等の経営が健全であることが重要である。さらに、そこから国民に医療提供するために不可欠な医療の進歩に伴う設備投資等のコストを賄っている。 診療報酬改定は2年毎に改定されることから、その間の物価・賃金の動向や医療の高度化
を反映するものであり、いわば地域医療を確保していくための経費であると言える。 医療機関等は国民生活のセーフティネット機能を果たしていることから、医療現場ではその社会的使命感によって、国民が求める質の高い医療に応えている。 診療報酬を増やすと、国庫負担増、国民負担増に直結するという考え方ではなく、国が国民にどのようなレベルの医療を提供するのかという国民との約束や責任・使命を果たすための費用であると、本来、考えるべきである。
今回、マイナス改定を行うことになれば医療崩壊の再来を招くことになる。政府は必要財源を確保し、診療報酬本体はプラス改定とするべきである。

講演会無事終了しました。

小樽の病院での講演会無事に終了しました。短い時間でしたが簡単に小樽の皆さんに札幌の在宅医療について情報提供できたのではないかと思います。それにしても雪がすごかった・・・・小樽と札幌はやっぱり冬は結構距離あると感じますね。

その後済生会病院のスタッフの皆さんと食事に行きました。麻酔科の木谷先生やリハビリの面白いスタッフの方々、内弁慶な薬剤師さんや栄養士さん、何故かひねりあげが大好きだったと判明したテンション高い看護師さんなど楽しく歓談して過ごせました。この緩和ケアチームは本当に良いチームで皆さん小樽のことを本当に神経に考えていたのがよくわかりました。小樽の皆さん、呼んでくれて有難うございました。また機会があれば是非呼んでください。絶対伺いますね。帰宅は1時すぎ・・・・もう寝ます。

 

行った居酒屋さんです。シャコがおいしかったー。

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一緒に行った皆さんと。

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おみやげにもらいました。本当に感謝です。

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【2015年度】札幌の在宅医療の現状について

小樽済生会で講演する内容については上記のとおりです。参考とする資料について文章つくりましたのでせっかくですし公開します。簡単にまとめた文章ですので齟齬があってもあまり気にしないで読んでください

 

札幌での在宅医療の現状について

 

本日の講演内容

1 当院について

2 札幌の在宅医療の現状について

3 札幌での在宅緩和ケアの現状、問題点 

4 在宅医が病院の医療者へ望むこと

1当院について

当院は2011年10月に開設した在宅医療、訪問診療に特化した在宅療養支援診療所です。当初は訪問診療のみで始めましたが、その後各医療機関からのニーズもあったため訪問看護も2012年から開始、現在は訪問診療、訪問看護に加え、併設した訪問看護ステーションからの訪問リハビリ、居宅介護支援事業所のケアマネによる居宅介護支援も行っております。

診療方針に関しては開設当初より①依頼があった症例はできるだけ受ける②施設の訪問診療よりは居宅患者の診療を優先する③癌末期の人に関しては、在宅復帰からの残された時間が短いこともあり依頼があれば多少距離が遠くても早めに診療する、というスタンスで診療しています。紹介患者さんは病院からが5割、残り5割がケアマネさんや訪問看護ステーション、家族から直接問い合わせであったり行政からであったりします。

現在の診療範囲は中央区、西区、北区、手稲区、南区と豊平区の一部となっています。過去には銭函の癌末期の患者や南区の石山の患者、あいの里在住の方なども依頼されることがありましたが、遠方の患者さんは癌末期で予後が限られており、かつ他の近隣の医師が受けられないときのみ当院で対応するようにしています。診療している患者数ですは中央区、西区で各80名前後、北区、手稲区で30名、他の地域で10名程度の200名弱の患者さんを診療しています。イメージとしては、札幌自体を病院と考えてもらい、その中で200床の病床をもち様々な疾患と状態の患者さんを診療していると思ってもらえればと思います。患者さんの住居での内訳は居宅が170名前後、施設が30名弱とこの規模の在宅療養支援診療所では珍しいですが施設患者さんの割合がかなり少ない状況となっています。また疾患については特にこの疾患は受けられない、などと言うことなくできる限り在宅療養を支援する役割を果たしていきたいと思っているため神経難病から癌末期、呼吸器疾患や認知症など幅広く診察を行っております。(小児に関しては自信がなく現在は原則診療していません。)

体制については開設当初より24時間365日往診できる体制をとっています。当初は医師自分のみの一人体制でしたので札幌から全く離れることができませんでしたが、2014年4月より医師が一人一緒に診察してくれ、また15年度からさらにもう一人増え、現在3人体制で診療を行っております。現在おおよその訪問件数は8~10件/日程度で毎日の業務を行っております。夜間往診は平日に2回程度、土日の往診は平均して2日間で4件程度でしょうか。

 訪問看護に関してはこちらも訪問診療と同様に開設当初から24時間体制をとっています。当初より経験豊富な緩和ケアの認定看護師が訪問看護を引っ張っていってくれて、現在は診療所付属の訪問看護師が4名、訪問看護ステーションに7名の看護師が業務に従事しています。機能としては診療所側の看護師が末期患者に特化した訪問看護を、ステーションではそれ以外の比較的安定した患者を対象とした訪問看護を行っています。こちらもほぼ診療と同範囲の地域をカバーしています。

 SWに関しては現在2名体制で病診連携、診診連携、患者さん家族の相談を受け付けています。新規の患者は月おおよそ25名前後、退院時カンファも平均月8回程度行っておりその度に参加しています。在宅ではケアマネとともにサービスに必要な調整や福祉用具の手配、身体障害の申請などの各種手続きの援助などを行っております。

当院の現在の体制は医師3名、看護師計16名、リハビリPTOT各1名、SW2名、ケアマネ1名事務6名体制の人員となっています。今後の目標としては、宮の森を中心とし、これまでの診療をさらに質を高く多くの患者さんに在宅医療を提供できるように医師、看護師、リハスタッフなどのさらなる充実を行っていきたいと考えています。

 

札幌の在宅医療の現状について

 札幌の在宅医療に関してですが最近は少しずつですが訪問診療医の先生が増えてきています。自分の把握している範囲ですが手稲区は家庭医療クリニック、西区はホサナファミリークリニック、坂本医院、中央区は当院、静明診療所、ごう在宅クリニック、札幌中央ファミリークリニック、北区、東区は栄町ファミリークリニック、札幌在宅医療クリニック、みきファミリークリニックなど、各地区に2,3か所は訪問診療とあそこ!というところがあります。ただ癌末期の医療依存度の高い患者さんをみる訪問診療医はあまり多くなく、全体としては在宅医のキャパとしては足りていないのが現状です。また複数医師の在籍する診療所のその中でほんの一握りとなっておりそのことが夜間や休日の対応などの各医師の負担にも繋がっています。特に在宅医が不足している地区は札幌では南区でしょうか。早急に体制、診療医ともに同地区では整備されることを希望しています。

 訪問看護に関しては、在宅医療の一番大事な要素と考えています。しかし現状では市内で小規模のステーションが乱立する様相を呈しており、正直訪問診療に携わっている自分でも、どの地区にどの程度の看護レベルのステーションが、どれだけあるのかわからない状況となっています。また24時間土日もふくめきちんとしたサービスを提供できるステーションはそう多くはありません。なので当院から外部に訪問看護を依頼する場合はやはりきちんとしたケアを提供できるところを選別してお願いしています。

おそらくどの地区でもそうだと思いますが札幌でもどの訪問看護ステーションも慢性的に人手不足が継続しています。訪問看護師の募集は数多くありますが、やはり一人で出先で判断することが多いことや待機の携帯のストレス、求められる介護保険の知識など、病院勤務と比べると少し壁があり応募してきてくれる看護師さんが少ないのが現実です。結果として待機携帯をもつ回数が2,3人でやっている訪問看護ステーションでは月に1人あたり10回程度となることもあります。それでは現実的に夜間など呼ばれる可能性が高い重症度の高い患者さんは1人か2人程度しかみることはできないのはある意味当然だと思います。当院でも未経験の看護師の教育を行っておりますがやはりある程度のレベルに達するには、十分な病棟経験があったとしても最低でも半年から1年はかかると思います。今後の増え続ける地域の在宅医療ニーズに答えるために訪問看護ステーションも大規模化が求められていますが札幌でどうなるのか、先行きはこのままでは少し不安な現状です。

 行政からの依頼も年々増えています。認知症独居の方が特にトラブルケースとなることが多く、介護保険の主治医意見書の対応、精神科への病診連携への介入、高齢者ネグレクトへの対応など多岐にわたります。当院はSWも配置しているため比較的行政からの連絡が入ることが多く、都度対応しております。札幌という土地柄か高齢者住宅や民間の施設にはあまり困ることないことは良い点ですが、独居困難例は包括やケアマネと協力し適切な住まいへの紹介も必要となっています。今後独居の高齢人口が多くなるという社会的な背景は全国的にも継続すると考えます。認知症をベースとした困難症例をだれがどう介入するのかが問題となると思いますが、札幌でも徐々に問題が顕著化しつつある印象です。どのように在宅医療側が介入するのか、現状の個々の努力ではなくシステム作りが求められます。

 

3札幌での在宅緩和ケアの現状、問題点 

 札幌における在宅緩和ケアの現状は自分が訪問診療を開始した5年程前と比べても大きく変化はないようと感じています。その中で自分が特に気になる点を幾つか述べてみたいと思います。

 ひとつめはやはりというか訪問診療医、訪問看護師の不足です。対応する医師、看護師の少なさが既存の医療機関への負荷となっています。例えば当院では前述の如くあいの里や銭函、定山渓手前の石山など、かなり遠くまで訪問に出かけることがあります。どこもみる医療機関がなく当院が対応しなければ患者さんが自宅へ帰れない場合などはやはり多少無理をしても診療すべきとは考えますが、長期間続けるのは難しい状況です。これまでは頑張ってきていましたがこれから先はどうなるのか、一抹の不安があります。また訪問看護師に関してですが、前述したとおり少人数でやっているところが多いためそう多くは1ステーションではターミナル患者をみることができません。ある程度そのような状態の患者をみるのに慣れた看護師であれば、医師の指示をまつことなくオピオイドをその患者さんに適した方法で服用することを考えてくれたり、スピリチャルケアを十分にやってくれたりとかなり医師の負担を軽減してくれますが、少ない症例数しかみていない看護師ではなかなかそこまでできず結果として医師がすべてをやることとなるのが現状です。質の高い訪問看護師が増える事が結果として医師の負担も軽減してくれることとなるため、その育成はゆっくりですが継続して行っていかないといけません。が時間はかなり必要です。

ふたつめは退院時の病院側の問題です。ターミナルの患者の退院時カンファレンスに必要なことは、すべての条件を完全に整えることではなく、できるだけ迅速にカンファレンスを開き早く自宅に帰すことを優先して考え動くことだと考えます。しかし、いくつかの医療機関では退院時カンファレンスの開催に2~4週程度時間がかかり結果として帰れなくなることがまだあります。これはできるだけ解消するように各病院に開設当初からお願いしていますが中々温度差があると感じます。また在宅に帰る患者さんは原則帰りたい患者さん全員となるべきですが、医療者の方でこの状態、処置をしているならかえせないと考えてしまいがちで結果として帰ってこないことがままあります。自宅で過ごしたい、帰りたい患者さんは全員帰してあげるという意識をもつことがまずは重要でどのように帰すかについては在宅側への相談を積極的に病院再度からしてもらえればと思います。

 みっつめはバックベット、特に緩和ケア病棟の問題です。札幌市内では東札幌病院、時計台記念病院、厚生病院、五輪橋病院、カリンパなどがありますが量的に充足していません。特に西区、手稲区の患者さんはホスピスに入院となるとかなり遠くまで足をのばさないといけないため不便です。解消するためにはできれば西区、手稲区にもう一つ緩和ケア病棟が必要かと考えています。また夜間休日の対応ですが、その時間帯にも対応してくれる緩和ケア病院が現実的には東札幌病院しかないため在宅で過ごしているターミナルの患者さんのバックベットはそこに依頼することが多くなってしまいます。今後質量ともにさらに充実し夜間休日でも真のバックベットとなってくれる病院が増えることが望まれます。

 

4在宅医が病院の医療者へ望むこと

 医療者にとって病院が“ホーム“であっても患者さんにとってはそこは純然たる”アウェー“の場です。病院で医療処置ができるのはあたりまえですが、患者さんにとっての”ホーム”、つまり日常生活の場である自宅で、どのように生活と医療との折り合いをつけているか、実際に訪問してみないとわからないことはたくさんあります。困難症例に関しては積極的に訪問診療や訪問看護を利用することを是非検討してみてください。

 皆さんに望むことは以下の通りです。

  1. 自宅に帰れること、在宅医療のことを知らない患者さんはまだまだたくさんいます。皆さんがまずは在宅医療の情報を整理して、ある程度そういるシステムがあるんだよと患者さんに説明できるようになってもらえたらよいかと思います。
  2. ターミナルの患者さんで病状がどうであっても、本人が自宅に帰りたいと思ったら帰すことはできます。まずは目の前の患者さんが帰りたいのかどうか、どこで最期を過ごしたいのかをきちんと聞いてあげて、自宅という選択肢もあると提案してあげてください。
  3. 疼痛管理などに関しては在宅には在宅のやり方があります。病院の処置をそのまま行うことは介護力から言っても無理なことが多いためアレンジが必要です。場合によってはCADから内服や貼付薬に変更しないほうがいい場合もあります。そこは病院主導で決定するのではなく在宅医療者にも早めに相談してみてください。
  4. 外来でHOTの管理や血糖管理、疼痛管理、認知症の対応などに困っている患者さんなどはちょっとした医療者の介入で病状がよくなること、生活がしやすくなることがままあります。まずは積極的に近隣の訪問看護師と顔見知りとなり、導入してみることを考えてみてください。

 

以上簡単ですが本日の講演の要旨でした。皆さんの参考になればと思います。

札幌市で訪問診療医が少ない地域って

札幌市で訪問診療医が少ない地域って皆さんどこかわかりますか?手稲区?北区?清田区?・・・・・違いますね。正解は南区です。あの広大な南区、病院までの距離のある南区が一番訪問医がすくないなんて残念ですよね。

当院にも最近南区の癌末期の患者さんが多く紹介されるようになってきました。元々訪問医が少ない南区で、さらに癌末期をみていく診療所となるとほぼないのが現状ではないでしょうか。おそらく南区の患者さんの訪問は、清田の吉崎先生や白石の前野先生が遠くから足を延ばし一生懸命みられていると思います。当院でも癌も非癌も末期の患者さんであり、他に受けるところがない患者さんであればできるだけ受けるようにしています。ただ北の沢や南の沢、石山や藻岩下などかなり冬季は移動に時間がかかるところが多いです。できるだけ早く南区でも居宅の訪問を頑張ってやってくれる診療の先生が来てくれることを切に希望します。それまでは依頼されたらできるだけ当院も尽力したいと思いますが・・・・かかる時間と労力かなり必要ですが、患者さんと家族からの感謝の声はありがたいです。ひとまず事故のないように頑張りまーす。

南区で訪問診療開始したい医師の方いたら是非ご連絡ください。お手伝い致します。