公開日:2026年10月04日

このお店、この提供方法で食中毒のリスク管理は大丈夫でしょうか??

こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です

 

先日SNSを見ていたら、かなりぎょっとする画像が流れてきました。

当該商品を提供されている店舗名を出すかどうか、ちょっと悩みました。ただ今回は誰かを中傷したいわけではなく、あくまで今井が医療者として感じた素朴な疑問です。気になる方はたぶんご自身で調べられると思うので、今回は店舗名は出さずに、少しだけここで取り上げてみようと思います。

9月29日に札幌でオープンしたハンバーグ屋さんとのことで、お客さんにハンバーグを提供して、好みの焼き加減で自分で焼いて食べてもらうスタイルのようです。

今井がびっくりしたのは、提供される時点でハンバーグが完全に生、もしくは生に近い状態だということでした。ネットで拾ったお店の写真を何枚か載せます↓

 

もちろんお店としては「しっかり焼いてくださいね」と案内しているとは思います。でも、ひき肉のレアとステーキのレアは、食中毒のリスクがまったく違うんです!!

ステーキの場合、菌がつくのは基本的にお肉の表面なので、表面をしっかり焼けば中がレアでもリスクは比較的低くおさえられます。ところがひき肉は、表面の菌がミンチにする過程で中まで練り込まれてしまう。だから「中まで火を通す」ことが絶対条件になるんですね。

今井が気になったポイントは2つです。

①十分に加熱されていないひき肉は、命に関わる食中毒のリスクがある

腸管出血性大腸菌(O157など)に感染すると、血便や激しい腹痛だけでなく、溶血性尿毒症症候群(HUS)という合併症を起こすことがあります。特に小さなお子さんや高齢の方は重症化しやすく、最悪の場合は本当に亡くなることもあります・・・・マジで取返しがつかなくなりますが、本当に、本当にこの提供方法で大丈夫なんでしょうか??

②焼き加減をお客さんに委ねるのは、飲食店の「安全に食を提供する」という役割として大丈夫なの??

混んでいる時間帯、おしゃべりに夢中なとき、お酒が入っているとき・・・中までしっかり焼けているかを毎回お客さん自身が判断するのは、正直なかなか難しいと思います。っていうかきちんと焼けているかどうか、見た目だけで判断できる人の方が少ないのでは??

確かに写真はインスタ映えすると思います。ただ、たとえば静岡の「さわやか」のように、肉の管理を徹底していることで知られるお店と同じくらいの体制が本当に取られているのか?? そこは外からは見えないだけに、どうしても気になってしまいます。

安全に食を提供するっていうのは飲食店として一番最初のイロハのイのような気がするんですが・・・・大丈夫でしょうか??

ということで皆さんがもし同じような提供方法のお店に行かれるときは、ここだけは覚えておいてくださいね。

〇ひき肉料理は、中心まで色が変わり、肉汁が透明になるまでしっかり焼く
〇お子さんや高齢の方、妊娠中の方には特に「よく焼き」を徹底する
〇食べたあと数日たってから、強い腹痛や血の混じった下痢が出たら、早めに医療機関を受診する

特に2番目は個人的に本当に意識してほしいなと。子供や妊婦さんがなったら本当に悲惨ですからね・・・・

何事もなくお店が長く愛される場所になってくれればそれが一番です。が(考えすぎかもしれませんが)数か月後にこのブログを悲しい形で振り返ることにならないよう、1医療者として願っています・・・・

皆さんはこういうスタイルのお店、どう感じますか?? よければ考えてみてくださいね。

 

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