公開日:2026年09月24日

介護の自己負担はどう変わる?【在宅医が読み解く“2割負担拡大”と在宅療養への影響】

こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です

9月18日、社会保障審議会・介護保険部会で、介護保険サービスの利用料が「2割負担」になる人を増やす議論が始まっています。

訪問診療で伺うお宅でも、ご家族から「うちの親って対象になるんですか??」と聞かれることが、ちょっと増えそうですね。なので今回、いま何が検討されているのか、在宅療養にどう影響しそうなのか、なるべくわかりやすくまとめてみたいと思います。

※まだ検討段階で、決まったことではありません(ここ大事です)。年内に審議会が意見をまとめ、2027年度からの制度に反映する方向で議論が進んでいます。

いまは多くの方が「1割負担」です!!

介護保険サービス(訪問介護、デイサービス、訪問看護など)の利用料は、多くの方が1割負担です。一定以上の所得がある方は2割になります。

2割負担になる目安は、いまはこうなっています。

  • 単身の方:年金収入とその他の合計所得金額が280万円以上
  • 夫婦世帯:346万円以上

&合計所得金額が160万円以上であることも条件です

検討されている案は4つあります!!

厚生労働省は、この基準を下げる4つの案を示しました。

単身の方 夫婦世帯 新たに2割になる見込み人
案1 260万円以上 326万円以上 約13万人
案2 250万円以上 316万円以上 約21万人
案3 240万円以上 306万円以上 約28万人
案4 230万円以上 296万円以上 約35万人

どの案になっても、「年金がそこそこある」中間層の高齢者の一部が新たに2割負担になる、というのが今回の議論の中心です。

(「そこそこある」の線引きがどんどん下がってきている・・・というのが今井の率直な印象です)

いきなり倍にならないように、緩和策も(^^♪

〇上がる額を最大7,000円までに抑える案

新たに2割負担になった方は、当分の間、1割のときからの増加分を最大7,000円に抑えるという案です。たとえば1割で月1万円だった方は、2割で計算すると2万円になりますが、この案だと1万7,000円で済みます。

〇預貯金が少ない方は1割のままにする案

年金などの収入が基準を超えていても、預貯金が500万円以下なら1割のままにする案です。自己申告が基本で、市町村が金融機関に確認できる仕組みも検討されていますよ。

在宅医として、いちばん心配していることは・・・

審議会では「現役世代の負担はもう限界で、早く決めるべきだ」という意見がある一方で、「負担が増えるとサービスの利用控えが起きて、要介護度が悪化し、かえって介護費が増えるのではないか」という懸念も出ています。

今井が在宅の現場でいちばん心配しているのも、まさにこの「本当に必要な人が利用しなくなる」利用控えですよ。

自宅での療養は当然ですが訪問診療だけでは成り立ちません。

訪問看護、ヘルパー、デイサービス、福祉用具、ショートステイ・・・・いくつものサービス(多くの他職種の支援)を組み合わせて、ようやく「家で暮らし続ける」ことができるんです。

負担が増えると、まず「ヘルパーを週3回から2回にしようか」「ショートステイは我慢しよう」と削られがち・・・その分はご家族にかかってきて、介護疲れから在宅療養を続けられなくなる、ということが起こりえます。

マクロの視点からみると仕方ないこととはいえ、もっとできること(無駄の削減)はないのかなぁとも思うのは今井だけでしょうか?(^^♪

おわりに

介護保険の自己負担は、「家で暮らし続けられるかどうか」に直結する話ですよね。

当法人では、訪問診療・訪問看護・居宅介護支援が連携して、お金のことも含めて無理なく在宅療養を続けられるよう、ご本人・ご家族と一緒に考えています!(在宅ダメなら外来もありますし(^^♪)

札幌市内で訪問診療や在宅介護についてご不安のある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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