公開日:2026年07月22日

社会保障制度の綻びが、クラファンという形で透けてきたか・・・

こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です

昨日の医療系の記事をざっと定点観測していましたが、3つ、医療機関でのクラファンが目にとまりましたのでシェアします。

妊産婦さんとご家族が安心して過ごせる環境を目指して

救急搬送が増える大阪の広域救急を救う。医誠会に5台目ドクターカーを

今井はクラファン自体は決して否定はしませんし、むしろ支援者が直接事業者に結びつくことができるいい制度だと思いますが、医療機関が当たり前のようにクラファンを利用して諸々の整備をしていくという現状にはちょっと社会保障制度の現状としての違和感を覚えます。

 

まず3つのプロジェクトの中身をざっと整理すると・・・・

〇 飯田市立病院:産科の家族ケアルーム新設・備品整備。第一目標1,000万円をすでに達成し、ネクストゴール1,500万円に挑戦中(190%達成、寄付者219人)
〇 大阪けいさつ病院:650床の新病院建設(総工費330億円)に伴う、患者・家族向け憩いスペース「いのちの杜」整備。目標1,500万円(現在1%程度)
〇 医誠会国際総合病院:救急搬送増加に対応するドクターカー5台目の導入。目標750万円(現在3%程度)

・・・・並べてみると、実はこの3つ、性質がかなり違うんですよね。

飯田市立病院は「アメニティ・快適性の向上」で、正直これは公金や通常の診療報酬ではなかなか手が回らない部分。大阪けいさつ病院の「いのちの杜」も同じくホスピタリティ強化の文脈。一方で医誠会のドクターカーは、地域の「断らない救急」を支える搬送インフラそのものへの投資で、今井としてはこっちのほうがより本質的な資金不足に見えます(実際、月100件以上フル稼働という状況は結構シビアな数字です)。

今井の率直な感想としては・・・・

〇 「アメニティ」領域は、クラファンとの相性がすごくいい

産後ケアの個室化とか憩いの空間とか、患者満足度には直結するけど診療報酬の対象にはならない部分。ここは「地域の人が直接、こういう医療機関であってほしいと意思表示できる」という意味で、クラファンの本来の強みが活きる領域だと思います。

〇 一方で、ドクターカーのような「医療の基盤インフラ」がクラファン頼みになるのは、今井としてはやっぱり違和感がある

救急搬送体制の拡充って、本来は診療報酬や補助金でカバーされるべき公共性の高い部分のはず。それが「寄付が集まるかどうか」で左右されてしまう状況は、地域医療の持続可能性という意味で危うさを感じます(現に目標達成率にもかなり差が出ていますよね・・・・)。

〇 達成率の差がそのまま「地域の関心・体力の差」を映してしまう

飯田市立病院は190%、大阪けいさつ・医誠会はまだ数%。これは病院の努力の差というより、そもそも「クラファンで足りない部分を埋める」というモデル自体が、地域住民の経済力や関心度に依存してしまう構造だということを示している気がします。人口減少地域や経済的に厳しい地域ほど、逆に医療機関がクラファンに頼らざるを得ない場面が増えていくとしたら・・・・それは本当に「みんなで支える医療」と言えるのか。今井としては引っかかるところです。

それにしてもこの医療機関での差は・・・地域で支援されている医療機関とそうでない医療機関の差というべきなんでしょうか?どうなんでしょうか?

さてみなさんの地域の医療機関がクラファンに挑戦していたら、支援しますか?それとも「そもそも税金や診療報酬で手当てされるべきでは」と考えますか!

よければ医療機関のクラファンについて、そして社会保障制度についても考えてみてください。現場からの報告でした~(^^♪

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