公開日:2026年07月11日

病歴が、本人の同意なしにAI企業に??本当にこれ大丈夫?【改正個人情報保護法が成立 病歴や信条も…本人の同意なく提供可能に】

こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です

ヤフーニュースさんで気になる記事を見かけましたのでシェアします。7月10日の記事です。

改正個人情報保護法が成立 病歴や信条も…本人の同意なく提供可能に

「AI(人工知能)モデル開発やデータ活用を進めるため、個人データを収集する際の規制緩和を盛り込んだ個人情報保護法の改正案が10日、参院本会議で与野党の賛成多数で可決され、成立した。病歴や犯罪歴といった機微な個人情報の取り扱いに懸念が出ており、今後策定される規則やガイドラインに対応がゆだねられる。

改正案に賛成したのは、自民党、日本維新の会のほか、国民民主党、チームみらい。立憲民主党、公明党、参政党、共産党、れいわ新選組、沖縄の風、社民党などが反対した。  現行法では、企業や病院が個人データを外部に提供するときなどに、原則として本人の同意を得ることを義務づけている。法改正で、AIモデルや統計情報を作成する目的に限り、同意を不要とする「特例」を新たに設ける。企業にとっては、大量の個人データを集めやすくなるメリットがある。米国や中国に後れを取る国内でのAI開発を後押ししたいと、政府は説明する。

一方、病歴や犯罪歴などプライバシー性が極めて高い「要配慮個人情報」までも、本人の同意なく外部に提供できるようになる点に、批判や懸念の声が相次いでいた。  データを外部に提供する際、提供元がデータ内の氏名を匿名化することも求められていない。一定の条件を満たせば、海外企業や個人事業主もデータの提供を受けられることから、データ流出や悪用への対策が不十分と指摘されていた。政府は今後、策定する規則やガイドラインによって不正利用を防ぐとしている。

また、悪質な利用や第三者への提供をする事業者に、金銭を支払わせる課徴金制度を新たに創設する。違反行為で得た利益に相当する金額を課徴金として徴収できるようになる。一方で、被害を受けた本人に代わり、消費者団体が訴訟を起こせる団体訴訟制度は盛り込まれなかった。  改正法は公布後、2年以内に施行される。」

何が変わったのか

現行法では、企業や病院が個人データを外部に提供するときは原則として本人の同意が必要でした。

今回の改正で、AIモデルや統計情報を作成する目的に限り、この同意が不要になる「特例」が新たに設けられました。

「AI開発で日本が米国・中国に後れを取っている。データを集めやすくして国内のAI産業を育てたい」というのが政府の説明です。

今井が気になること

この改正、正直なところかなり気になっています。

①病歴まで同意なしに外部提供できる

一番の問題はここです。

病歴や犯罪歴など、プライバシー性が極めて高い「要配慮個人情報」まで、本人同意なしに外部提供できるようになります。

たとえば今井が診ている患者さんの病歴——がんの診断、精神疾患の既往、終末期の状態——こういった情報が、患者さんの知らないうちにAI企業に渡る可能性があるということです。

「それで医療が進歩するなら」という考え方もわかります。でもその判断を、情報の所属元である患者さん自身がしていないという点がどうしても引っかかります。

②氏名の匿名化も義務ではない

提供元が氏名を匿名化することは求められていません。つまり「氏名つきの病歴データ」が流通する可能性があるということです。

③海外企業にも渡る可能性がある

一定の条件を満たせば、海外企業や個人事業主もデータ提供を受けられます。一度海外に出たデータが、どう使われるか。追跡することは事実上困難ではないでしょうか。

④具体的なルールはまだ決まっていない

「今後策定される規則やガイドラインで不正利用を防ぐ」というのが政府の説明ですが・・・・法律は成立したのに、肝心のルールはこれから、というのは正直そりゃないでしょ、順番が逆でしょって思ってしまいます(^^♪

医療者として思うこと

在宅医療の現場で患者さんと向き合っていると、「病歴」というのがどれだけ繊細な情報かを日々感じます。

がんであること。認知症であること。末期であること。精神科への通院歴。——これらは、患者さんやご家族が「誰に話すか」を慎重に選んでいる情報です。

その情報が、本人の知らないうちにどこかに渡っていく。

「AIモデルの学習に使われるだけで、個人が特定されるわけじゃない」という説明はわかります。でも「同意を取らない」ことへの慣れが社会に広がること自体に、またそれを推進するのが国であるということに今井はちょっと違和感を感じます

この問題、皆さんはどう考えるでしょうか?よければ教えてくださいね。

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