公開日:2026年05月28日

在宅緩和ケアにおける理想の訪問診療の回数は週何回の訪問か知っていますか?

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医&病棟医@今井です

在宅緩和ケアにおいてどの程度の頻度で患者さん宅を訪問するかはDrにより、また診療所毎でもだいぶ異なります。週1回をベースにしているところもあるし週2,3回訪問することもあるでしょう。もしかして毎日訪問したり訪問看護師さんにある程度お願いしてベースは2週に1度、そんなこともあるかもしれません。

さて皆さんにここで質問です。在宅緩和ケアにおける理想の訪問診療の回数は週何回か知っていますか?

今井は実体験から明確にその答えを知っています。それは「週7回」つまり毎日訪問が絶対に患者さん家族にとってベストです。

これは決して大げさな話ではありません。緩和ケアの本質は、単に痛みを取ることだけではなく、患者さんの生活全体そしてそのご家族の心身のケアまで含んでいます。患者さんの病状の変化が1日単位で起きる緩和ケアの現場では、昨日大丈夫だったことが今日にはもう支援や対応が必要になっているということも少なくありませんよね。だからこそ、日々の変化にすぐに気づき対応できる体制が求められる=毎日診療することがベストなんです。

また、在宅という空間では医療者が「介入者」ではなく「生活の一部」として受け入れられることが重要になります。毎日顔を合わせることで、患者さんとの信頼関係は自然に深まり、患者さんやご家族が在宅医に気軽に悩みや不安を打ち明けられるようになります。たとえ5分10分の短時間の訪問であっても、「今日は体調どうだい?」と日々声をかけ続けることが、医療以上の価値を持ちうるのが在宅緩和ケアの特長だと今井は確信しています。

そう思うようなった原点は、今井が在宅緩和ケアに取り組み始めた2011年10月~12年中旬頃に存在します。

その頃は開業したばかりで患者さんの総数が40人程度・・・患者さんが40人って2週に1回の定期訪問と考えれば、毎日4人訪問したらすぐにすることなくなってしまう、そんな状況でした。そのころはほぼ午前のみで診療終わって午後はブックオフで立ち読みしたりしていたことを今でもよく覚えています!(^^)!

さてそんな時に手稲や西区、北区の奥地や中央区でちょこちょこ在宅緩和ケアのがん末期の患者さんが紹介されてきました。正直午後に何もすることがなかった今井は、(がん患者さんの診療経験が少なかったこともあり)午後の時間はできる限りがん患者さんの訪問を詰めていれて診療していこう、患者さんや家族の方の日々の変化を自分の目で確かめていこう!と考え2012年の半ばくらいまでは、在宅緩和ケアの患者さんは短くてもいいので毎日できる限り訪問すると決めて診療していました。

当初はスキルも知識もなくて未熟な在宅医の自分でしたが、それでも今から振り返っても毎日訪問するからこそ患者さんといい関係が築けることができていたし、家族の方のサポートも十二分に出来ていたと思います。そのころの提供していた在宅緩和ケア、今週1,2回の訪問で提供できるの?と言われると、絶対に無理だと今井は感じています。

家族の方からも

「先生が毎日訪問してくださった意味、当初は理解できなかったんですが、2週間、3週間経つ頃にはよく理解できるようになりました。安心して生活できることってこんなによかったんですね」

とか

「毎日毎日先生と○○が昔の話をしていることを横で聞いているのが何よりの楽しみでした。普段は自分のことあまり家族には話はしないので先生を通して何をどう考えていたのか、ようやく理解した気がします」

とかってやっぱり週1,2回の訪問では絶対に聞くことができない言葉ですよね(^^♪。その後今井は経験も積み、知識や技術もアップしましたが、忙しさのため毎日訪問することは徐々にできなくなっていきました。そうなるとやっぱり上記のような言葉を聞くこと、やっぱり難しくなったのがまごうことなき現実です。

もちろんすべてのケースで実際に毎日訪問することは制度上・人員上の制約もあるので無理でしょう。現実に今井も今はそこまですることはほぼ無理です。ただこの「毎日訪問したいという気持ち」「毎日でも訪問する必要がある」という感覚こそが、在宅緩和ケアにおいてもっとも大切な感覚なんじゃないかなと今井は考えていますよ。

在宅で人生を最後まで過ごす、死をそこで迎えるという選択は、患者さんにとっても家族にとっても非常に勇気のいる決断です。だからこそそこに寄り添う在宅医療者は「医療者」以上の存在となることができればなと。

在宅緩和ケアをするなら毎日在宅医が訪問するのが本来はベスト・・・それこそ本当の理想の在宅緩和ケアをしたいならそうするべきと今井は考えています。いつか自分が理事長、法人運営などの立場がなくなって1在宅医として100%臨床に戻る時がこれば、その時はまた毎日患者さん宅を訪問して理想の緩和ケアを提供してみたいと考えていますよ(^^♪

上記はあくまで今井の1個人としての意見です(がそれは真実で揺るがないものかなと思っています。毎日訪問したことがある在宅医療者は理解してくれるのではないでしょうか??)。皆さんは在宅緩和ケアを行う在宅医は週何回訪問するのがベストだと思いますか?よければ考えてみてくださいね。

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