公開日：2023年11月06日

医療がどんどん萎縮していくのでは・・・【東京女子医大に賠償命令　研修医に説明義務違反】

こんにちは、札幌のかかりつけ医＆在宅医＠今井です。

先週の記事で少し古いのですが、東京女子医大で研修医が手技する際に説明義務違反があったとする判例がでましたのでご紹介したいと思います。とっても疑問な判決です。以下１０月２５日の産経新聞の記事です。どうぞ↓

東京女子医大に賠償命令　研修医に説明義務違反

「東京女子医大病院（東京都新宿区）で動脈から採血された山口県の５０代女性が、担当した研修医の過失で腕のしびれなどの障害が残ったとして、大学側に計約６１００万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、山口地裁は２５日、説明義務違反があったとして２２０万円の支払いを命じた。

判決理由で秋信治也裁判長は「上腕動脈からの採血に際し、神経損傷のリスクについて説明義務違反があった」と指摘した。一方で研修医の手技に過失はなく、説明義務違反と障害との因果関係は認められないとした。

判決によると、女性は平成２２年に動悸を訴え同病院を受診。研修医により動脈血を採取された際、肘から右手親指の神経を損傷し、しびれが続くなどの障害を負った。」

正直動脈血での採血なんか病院勤務していたら数え切れないくらいありますし、都度説明と同意書をとるのであれば日常の業務が絶対に回らなくなります。裁判官はそこまで現実を理解した上で判決を出しているのでしょうか？

少しでも侵襲的な医療に全て説明と同意を求める、ということになると、その不利益は病院や医師だけでなく間違いなく患者さんにも及ぶことになると思うのですが・・・・皆さんは上記の裁判の結果をどう受け止められますか？

病院側が控訴するかどうかまで含めてその後の経過を確認したいと思いますが・・・・皆さんのご意見はいかがですか？

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