公開日:2023年11月02日

”診療報酬引き下げ”では社会保障費の問題は解決しない!!【11月1日財政制度分科会資料より】

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

11月1日に開催された財務省主導の経済財政審議会において、なんと!診療報酬引き下げの案が提出されました。この物価高+人材難の時代、病院の経営状況が限界に来ている状況では、正直もう正気の沙汰とは思えない案ですが・・・・一応その資料を読んでみたいと思います。

資料 社会保障

色々書いてあるので全部読んでもらいたいのですが、診療報酬全体について言及されているP19~28を引用します↓

 

基本的には今井は診療報酬の引き下げには反対です。理由は

①インフレ基調にある中で病院経営の厳しさが明確だから(診療所ではないです、病院です)

②そもそも社会保障上昇の原因は高齢化人口の増加が問題。よって高齢者の医療給付の問題にこそ切り込むべきだから

③2024年以降医師の働き方改革などで大きく医師の雇用状況が変化していく。これに対応するためにはトータルでの医師の給与費はさらに増大することは確実だから(個別の医師の給与はどちらかというと増えることはあまりないでしょう)

 

基本的には増大する社会保障費への対応には負担と給付の問題こそ考えるべきです。負担はもう現役世代は限界まで負担しているので、切り込むべきなのは給付の問題です。生活保護の医療費負担、柔整の保険対応もそうですが、高齢者への医療給付をどこまでするのかもきちんと議論すべきです。

そういう議論をすっ飛ばして点数だけごちゃごちゃいじって現場に負担をかけていくのは・・・正直政策としては下の下だと思います。(正直都市部では、看護師や薬剤師するより他の職種で働いたほうが条件がいい状況が生まれてきていますよね)

 

政府がどのような判断を下していくのか・・・次回の診療報酬改定は今後10年の大まかな方向性を指し示すことになると思うので”国が医療職への対応をどう考えているのか”の試金石にしたいと個人的には考えていますよ。

 

皆さんは時期診療報酬改定、どうすべきかと思いますか?

 

 

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