コロナ禍の発熱外来、病院や診療所で「病気を診ずして 病人を診よ」というのは難しいのでしょうか・・・・
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。
現在スタッフの一部でコロナ感染者がいますので、残ったスタッフの皆で色々調整しながら日々診療しています。(感染自体は仕方ないのでゆっくり休んで体調整えてもらいたいと思います!(^^)!)
その関係で外来もいつもよりちょっとコマ数多くでていますが、外来にでる時間が長くなればやっぱり気づきがあります。
何に気づいたの?と言われれば、とにかく「いつも通っている大きな病院に受診したくてもできない発熱患者さんがかなりの数に上る」ということです。
いつもは○○病院の耳鼻科や皮膚科にかかっている、それなりに珍しい病気であったり難病である。今回発熱したので病院のいつも通院している科に電話したところ「内科ではないから発熱患者さんは診れません」と言われた・・
市内の他の病院や診療所に電話しても「かかりつけ患者さんじゃないから無理」「その疾患はきちんと病気の状態、病歴がわからないと診療できないから無理」と言われ続けどこも受診ができない状況が続いている。
上記のような経過が一人とか二人ならわかるのですが、結構な人数の患者さんが比較的大き目な病院で同じような経験をされています。皮膚科や耳鼻科にとどまらず、外科で乳癌やリンパ浮腫の経過みてもらっている患者さん、腫瘍内科に通院されている方もまた同じ経験されています。これって医療機関としてどうなんでしょうか??うーん・・・ちょっと患者さんが可哀そうかなと。
慈恵医大の建学の精神で「病気を診ずして病人を診よ」っていうのがありますが、まさしく上記のような対応をする医療機関って病気しか診ていないですよね。確かに病院では各科は専門科として専門分野の診療をしているので、各科それぞれそういう対応になるのは元勤務医としてはよく理解できています。でも理解しているのと同意しているのは同義では決してないです。
病院として本当にそれで患者さんに対してきちんと向き合っていると言えるのでしょうか?
今回のコロナ禍での発熱患者さんへの対応を通じて、かかりつけ医制度の重要性、病院の組織としての限界が如実に炙り出されたと感じます。今後ここの部分に問題意識をもって活動するクリニックや病院は生き残れるでしょうが、現状に胡坐をかいている医療機関は5~10年後には絶対かなり苦しい状況になるかなと思います。
皆さんの周りで同じように発熱しているからといつものかかりつけクリニックや病院で診療断られた経験ありますか?この問題の根幹は何だと思いますか?その解決策はどうしたらいいと思いますか?
自分はこの問題の解決策(他にも多剤投薬や地域包括ケアに関わる多くの問題の解決策)はかかりつけ医の制度化しかないと確信しています!!
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