公的病院がCFで救急車を購入するのはいいですが、経営自体は絶対見直すべきでしょうね~奈良県総合医療センター、救急医療を支えるために18万km走った救急車の買替えへ。~
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。
奈良県の総合医療センターがクラウドファンディングで救急車の購入をしたい、という記事が目につきました。
READYFORさんより
奈良の救急医療を支えるために。18万km走った救急車の買替えへ。
要旨としては以下の通り↓
CFで地域の人を巻き込みながら、奈良県の地域医療について、高度急性期医療について考えてもらいながらかつ支援を受けるという取り組み自体は悪くないのではないかなと思いますが、やっぱり経営側の人間としてはものすごく気になる点がいくつかあります。ぱっとみ思いつく順に適当に書き出してみると
①車両管理はどうなっているの?
明らかに耐用年数の限界にきているのであればわかりますが、この手の救急車両とかってメンテナンスすればまだまだ走れる距離ではないかなと思いますが・・・・普段の管理はどうなっているのでしょうか?
②予算管理はどうなっているの?事業はどうなっているの?
ただ車両の状態が走行距離云々ではなく明らかなに劣化している場合ももちろんあるでしょう。その場合どの程度の時期になったら買い替えるのか、ある程度目途を立てて予算を作っておくはずです。事務方は何をしていたのでしょうか
資料みてみようか、ということで探してみたら令和元年のものですがありました。ご紹介します。
事業としては以下の5つがあるようです
トップの理事長は県の医療政策参与だったんですね。
・・・・令和元年のものですが正直補助金が入っても事業単体として成り立っていないですね。確かに医療は公的なサービスなので採算性のみを追求する、というのは間違っていますが、赤字ということは負債を将来の県民や市民、国民に転嫁しているだけです。また公的業務を請け負いながらもきちんと利益を出している民間病院なんてたくさんあります。
収入と支出のバランスがとれてないのであれば収入を挙げるか支出を減らすかするしかないんですが、取り組んでいるのでしょうかね・・・
③そもそもこのCFって本当に必要な車両なの?
今回のCFの救急車って救急隊が使用する救急車ではなく、転院用の救急車両ってことですよね。確かに呼吸器が付いていたり状況が不安定な患者さんは多いでしょうが、本当に絶対必要な車両なんでしょうか?民間に業務委託して(場合により別法人つくるなりmして)費用は患者さん持ちにするとかっていう発想はないのでしょうか?
車両維持コストもかかりますし何より赤字の事業運営なので、どうしたらこの救急車両の収支が合うように運用できるのか、検討しているのでしょうか?
・・・などなどちょっと考えただけでも本当に色々気になるところがでてきます。医療機関のCF利用に関しては自分は否定的な意見ではないのですが、この件に関しては本当に必要なものは予算を回さないといけないし、不必要なものであるならばこの件にCFするよりもっといいCFの案件がなかったのかなぁと思ってしまいますよ。例えば看護学生の奨学金制度の確立とかでもいいですし。
いずれにせよこの金額のこの案件までCFしなきゃいけないような状況なら医療機関経営としては明らかに失敗しています。理事長及び理事はどう考えているのでしょうか?奈良県の方もどう考えるのか気になりますね。
2022年上半期、それ以前の当院の診療実績→こちらをどうぞ!
現在の目標は2024年に病院を開設すること!一緒に病院つくりませんか?→こちらをどうぞ!
人事部立ち上げました!!一緒にやってくれる方まだまだ募集しています!→こちらをどうぞ!
法人運営をしてみたい事務の方募集しています→こちらをどうぞ!
クリニックの事務長やってみたい方募集中→こちらをどうぞ!
札幌で在宅医療、在宅緩和ケアなどの訪問看護、地域密着型の外来看護をしたい看護師さん募集しています。診療所、訪問看護ステーション、看護小規模多機能など全事業所で募集中!→こちらをどうぞ!
さっぽろみなみホームケアクリニックでも訪問看護ステーション始めました。南区で訪問看護したい看護師さん募集中→こちらをどうぞ!
当院及びさっぽろみなみホームケアクリニックでは常勤医、非常勤医を募集しています→こちらをどうぞ!