ALSの治験の紹介です。<興味ある方は是非京都大学CiRAのHPを直接確認してください!>

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

当院でも何人かALSの患者さんの診療をさせてもらっています。患者さん家族は治療方法があるなら是非検討したい、という方が多いのは言うまでもありません。

今回4月15日に京都大学のCiRAから新薬の治験についての情報提供がありましたのでご紹介します。一応本文のせますが、詳しくは是非HP確認してみてください。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者さんを対象とした治験開始について

1. 概要 京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の井上治久教授らは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者さんを対象としたボスチニブ第2相医師主導治験を計画してきました。この度、CiRA 井上治久教授、徳島大学脳神経内科 和泉唯信教授、京都大学医学部附属病院 脳神経内科 髙橋良輔教授、江川斉宏院内講師、北里大学病院 脳神経内科 西山和利教授、永井真貴子診療准教授、鳥取大学医学部附属病院 脳神経内科 花島律子教授、渡辺保裕准教授および奈良県立医科大学附属病院脳神経内科 杉江和馬教授の実施体制にて、医師主導治験を開始しました。そこで、本治験について下記の通り発表いたします。なお、本治験は、多施設共同 ALS 患者さんの前向きコホートであるJapanese Consortium for Amyotrophic Lateral Sclerosis research(JaCALS)注1(愛知医科大学 祖父江元学長、中央事務局 熱田直樹特命准教授)と連携して実施しています。

2. これまでの研究 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動神経細胞注2が変性して筋萎縮と筋力低下を来す進行性の疾患で、治療薬としてリルゾールやエダラボンが使用されています。しかし、それらの治療薬を用いてもALSは根本的治療が難しい疾患であり、さらなる治療薬の開発が求められています。

CiRAの井上治久教授らは、ALS患者さん由来のiPS細胞を運動神経細胞へ分化させ、その細胞を用いて、既に他の疾患で治療薬として用いられている物質を含むさまざまな種類の化合物の中から運動神経細胞の細胞死を抑えることができる化合物のスクリーニング注3を行いました。その結果、細胞死を防ぐ物質としてボスチニブを同定し報告しました(Imamura et al. Sci Transl Med 9 2017,(391),eaaf39622017)。ボスチニブ(販売名:ボシュリフ®錠)は、慢性骨髄性白血病の治療薬として用いられている既承認薬ですが、ALSを適応症として日本および世界各国で承認されておらず、ALSに対する有効性、安全性ならびに適切な用量は確立していません。研究チームは、2019年3月から筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者さんを対象としたボスチニブ第1相医師主導治験を実施し、ボスチニブの安全性と忍容性を評価し、探索的に有効性を評価しました。

第1相医師主導治験に参加された患者さんの人数は限られており、さらに患者さんの人数を増やして、ボスチニブの有効性および安全性を評価することを目的として、第2相医師主導治験を開始しました。

参照:

3. 経過

2019年3月-2021年9月 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者さんを対象としたボスチニブ第1相医師主導治験の実施
2022年4月3日 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者さんを対象としたボスチニブ第2相医師主導治験の開始

※患者さんの組み入れ開始時期は各実施施設によって異なります。

4.治験計画の概要

(1) 治験の目的
第2相医師主導治験では25例のALS患者さんを対象にボスチニブの24週間投与時の有効性および安全性を探索的に評価することを目的としています。

(2) 試験デザイン
多施設共同で非盲検試験注4として行い、外部対照(過去のALSの臨床試験データやJaCALSのデータ)と比較します。

同意取得後、一次登録注5の基準を満たしていることが確認できた場合、12週間の観察を行います。その後、二次登録注6の基準を満たした方のみボスチニブの投与(1日1回、24週間)を受けることができます。

(3) 主な適格基準
【選択基準】

  1. 同意取得時の年齢が20歳以上、75歳以下の患者さん
  2. ALS診断基準(改訂版El Escorial Airlie House診断基準)でDefinite ALSまたはProbable ALSと
    診断されたALS患者さん
  3. 厚生労働省特定疾患調査研究班によるALSの重症度基準で重症度1度または2度の患者さん
  4. 一次登録時において発症後2年以内の患者さん
  5. 観察期間中に、ALSFRS-R注7の合計点数が1~4点低下した患者さん

【除外基準】

  1. 気管切開を施行されている患者さん
  2. 一次登録時および二次登録時の%FVCが80%未満の患者さん
  3. 一次登録前4週間以内にエダラボンを使用した患者さん、一次登録時にエダラボンを使用した患者さん、観察期間開始後にエダラボンの使用を開始した患者さん
  4. 球麻痺型のALS患者さん

適格基準に関する詳細は以下のページをご覧ください。

なお、外来通院ができない患者さん、経口投与ができない患者さん、人工呼吸補助装置を使用中の患者さんは対象となりません。

(4) 目標症例数
25例

(5) 治験参加の募集について
限定された症例数に対して実施するため、募集は行いません。

(6) 治験実施機関
京都大学医学部附属病院、北里大学病院、鳥取大学医学部附属病院、奈良県立医科大学附属病院等の7機関での実施予定です。新たな治験実施医療機関が決まりましたらウェブサイトでお知らせします。

(7) 治験に関するお問合せ先
治験調整事務局コールセンター(CiRA内)TEL:075-366-7361(平日9:30~16:30)
e-mail:ct-als*cira.kyoto-u.ac.jp
(お手数ですがメール送信の際*を@に変えてください。)

(8) 備考
本治験に関する詳細につきましては、以下のサイトをご覧ください。

5. 治験実施体制

  1. 研究代表者
    京都大学iPS細胞研究所(CiRA) 井上治久教授
  2. 治験調整医師
    徳島大学病院 和泉唯信教授、京都大学iPS細胞研究所(CiRA) 井上治久教授
  3. 治験調整事務局
    京都大学iPS細胞研究所(CiRA) 今村恵子特定拠点講師
    イーピーエス株式会社

6. 本治験の支援本治験は、下記の資金的支援を受けて実施しています。

  1. 日本医療研究開発機構(AMED)臨床研究・治験推進研究事業
    「患者レジストリを活用した筋萎縮性側索硬化症治療薬開発のための第2相医師主導治験」
  2. iPS細胞研究基金

その他の支援として、本治験は、ファイザー株式会社と京都大学の共同研究契約に基づき、ファイザー株式会社から治験薬の提供、安全性情報の提供、治験デザインおよび治験実施管理等の助言・サポートを受けて実施しています。

7. 用語説明注1)Japanese Consortium for Amyotrophic Lateral Sclerosis research(JaCALS)
多施設共同のALS患者経時的臨床情報収集、ゲノム遺伝子収集システム。2006年2月から患者登録が開始され、全国30以上の施設が参加し、2022年2月末までに 2,080例を超えるALS患者さんが登録されている。

注2)運動神経細胞
脳からの司令を骨格筋に伝える神経細胞。ALS患者さんではこの神経細胞が変性・死滅することで筋肉が動かせなくなる。

注3)スクリーニング
多数の化合物の中から有効な化合物を見つけること。

注4)非盲検試験
治験を行う際に、患者さんがどの用量の治験薬を投与されているかなど、どのような医療介入を受けているかを患者さん自身および治験担当医師や治験コーディネーターなどの治験にかかわる病院の医療関係者がわかっている試験方法。

注5)一次登録
同意取得後に治験参加の基準を満たしていると医師が判断した場合に12週間の観察期間に進むための手順。

注6)二次登録
一次登録の後、12週間の観察期間を終了した時点で、治験薬(ボスチニブ)投与基準を満たしていると医師が判断した場合に治験薬投与期間に進むための手順。

注7)ALSFRS-R
筋萎縮性側索硬化症機能評価スケール改訂版(ALS Functional Rating Scale-Revised)。
ALS患者さんの日常生活における運動機能の評価尺度。

 

 

 

 

治験を希望する方に情報是非届いてほしいです。皆さんも近くに該当しそうな患者さんいたらHP教えてあげてくださいね

 

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