公開日:2022年02月08日

資料提供~離島保健師のすゝめ~

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

色々資料みていたらこんな世界もあるのかぁ、と単純に面白そうに思えた資料がありましたのでご紹介します。自分が保健師資格をもつ看護師なら、絶対この活動に興味持つだろうな、と思えましたよ。皆さんはいかがでしょうか?

笹川平和財団から

離島保健師のすゝめ

自治医科大学看護学部講師、NPO法人へき地保健師協会理事長◆青木さぎ里

 

全国どこに暮らしていても、自分らしく暮らすという人々の願いを、健康面から支えるのが保健師である。
本稿では離島で活動する保健師に期待される役割と、活動する際に起こりうる困難とその解決策のヒントを伝える。
保健師免許を持つ方が就職や転職を検討する際に「離島保健師」を選択肢に加えていただければ幸いである。

離島における保健師活動の魅力

全国どこに暮らしていても自分らしく暮らすという人々の願いを、健康面から支えるのが保健師である。保健師は、国家試験に合格して得られる資格であり、子育て支援、疾病や介護の予防など、すべての地域住民を対象に健康生活が実現できることを目指し活動している。離島は医療や福祉、教育など生活に欠かせない社会資源が乏しい上に、島外の社会資源も利用しにくい。医療資源の充実はどの離島でも大きな関心事となっているが、保健師にとっては、医療資源が乏しい地域こそ保健師の本領である予防活動が求められるのでやりがいを感じやすい。住民の持つ力を引き出し、住民とともに健康的な地域づくりを行えるなど、保健師らしい活動が展開しやすいことも離島における保健師活動の魅力になっている。
保健師は活動する際に目標と計画を立てる。その基盤となるのは地域診断である。まず住民の健康状態を把握し、次に健康に影響している生活習慣や保健行動(健康を保持・増進または、病を早期発見・対処しようとする行動)はなにかを特定する。そしてなぜ人々がそのような生活習慣や保健行動に至っているのかを分析していく。人々の行動には、健康に関する知識の有無だけでなく、価値観や人々のつながり、環境が影響する。保健師は住民個々に焦点を当てつつ、地域住民を生活集団として、いわば一つの生命体のように捉え、その集団が過去から現在に向かってどのように変化(成長)してきたのかを理解し、集団として持つ力も捉える。そのために保健師は地域の文化や歴史、教育や産業など人々の生活や行動に影響する背景をすべて洗い出し、分析する。
離島では人口規模が小さいことや海に囲まれているため地域の境界線が明確であるという特徴もある。地域の隅々まで見渡せることで、都市部なら埋もれがちな少数派のニーズや潜在的なニーズも捉えやすい。このような利点も離島における保健師活動の魅力となっている。

島による保健師の働き方の違い

離島保健師は所属機関や島の地域特性等により働き方が異なる。まず、所属が異なれば業務内容は異なる。離島住民を対象に活動する保健師の多くは公務員で、所属先には都道府県(保健所)と市町村があり業務分担をしている。市町村は育児支援、生活習慣病や介護予防など住民に身近な健康課題に関わる業務を担い、保健所は感染症や難病など専門的広域的な業務を担う。次に、勤務期間の違いである。都道府県(保健所)や市町村のうち一部離島の自治体では、行政区域に離島とそうでない地域を含む。そのため、離島を担当できるかどうかは異動で決まり、担当期間も数年ほどで短い。一方、市町村のうち全域離島の自治体であれば退職まで離島地域を対象に活動できる。
また、住民へのかかわり方の違いもある。保健師の活動拠点は役場庁舎や保健センターや保健所であることが多い。活動拠点が離島内にあれば保健師が直接住民に関わることは当然可能である。しかし、島外に活動拠点がある自治体もある。この場合保健師は離島に出向かなければ直接的支援ができない。頻繁に赴くことが困難な場合は、日常的な支援は島内専門職(診療所看護師など)に担ってもらうなど工夫されている。
最後に、保健師一人が対応する業務範囲の違いがある。一般的に自治体の人口規模が小さいほど保健師数は少ない。自治体として対応すべき保健師の業務範囲は人口に関わらず同じであるため、保健師数が少ない自治体ほど保健師一人が対応する業務範囲が広くなる。業務範囲が広ければ必要な知識も増えるが、地域全体を把握し対応できる点は保健師にとって魅力的である。
連携機関や連携方法などは、島ごとの人口規模や他地域(本土や大規模島)へのアクセスのしやすさ、島内の社会資源および専門職の種類や数、島外社会資源への利用しやすさといった地域特性により異なる。
さらに近年では開業保健師などに業務委託を行う自治体も出てきた。定期的に島を訪れ委託業務を非常勤で行うといった働き方もある。

離島保健師ならではの困難と解決策のヒント

離島保健師ならではの困難として、まず、保健師が離島で住民とともに暮らすことに着目したい。離島内居住は、海を中心とする島独特の生活空間や時間感覚の共有や、社会や文化の内側からの理解、情報入手ルートの獲得および情報の蓄積、匿名性の欠如に関する実体験、住民が期待する守秘の範囲の理解などにつながる。一方で、保健師としての信頼を守りながら一住民としていかに生活するか、住民間の利害関係がみえる中で(時に自分や家族も巻き込まれながら)活動の公平性と客観性をいかに確保するかなどは多くの離島保健師が体験する困難である。
次に、保健師数が少ないことに着目する。保健師は組織的に活動する。地域診断から活動方針の決定、実施、評価、改善のプロセスを保健師間で共有・検討しながら行っている。これにより保健師は活動の質を保証し、同時に人材育成を行っている。しかし、離島では保健師の離職したあと募集しても応募がない自治体は少なくない。歴任保健師が蓄積してきた活動にかかわる重要な情報や判断、実践知などが継承されなければ、保健師活動が質・量ともに保てないリスクにつながる。では、こういった困難はどうすれば乗り越えられるだろうか。
まず、住民の反応から自分の実践を評価することである。住民の反応を得られないこともあるが、役場の同僚や上司などが耳にした住民の反応を聞いてもよい。もし自分が「失敗を極度に恐れる」ようになったら、その原因として組織的な活動ができていない可能性を考え、体制を自らつくりはじめるとよい。初めから完璧を目指すことはなく、自分が相談しやすい人と意思決定までのプロセスを共有するなど、可能なところから始めるのが鍵である。
また、研修の積極的誘致である。離島では島外での研修に参加するのは金銭的時間的に難しい。加えて、研修で得た知識を離島の地域特性に合わせて役立つよう整理しなおすのは案外難しい。そこで、講師を島へ招き、保健師や島内関係者と一緒に研修を受けることをお勧めしたい。経費は抑えられ関係者全員で共通認識が得られるほか、講師が実際に島を体験することで内容が地域特性に合ったものになりやすい。さらに演習形式であれば参加者間の共同作業を機に連携強化につながることも期待できる。離島は魅力的な旅行地であるので招かれて喜ぶ講師も多いはずだ。
最後に、歴代保健師が得てきた情報や判断、実践知が蓄積・継承されない事態の回避についてである。以前は交流したくても離島保健師が集まることは難しかったが、コロナを機にオンライン上で集まりやすくなった。自治体にこだわらず互いの実践知などを共有・保存できる場をつくれば、未来の離島保健師に向かって蓄積・継承していくことが可能になるのではないだろうか。本稿を縁に、離島保健師に関心を持っていただければ幸いである。(了)

 

色々な資料を読むと自分が追体験できているようで面白いですね。皆さんも離島保健師という仕事に興味湧いてきませんか?

 

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