公開日:2022年02月01日

看護師さんなら是非一読をお勧めします。 ~ICN 看護師の倫理綱領 (2021 年版)~

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

日本看護協会からICN 看護師の倫理綱領(2021 年版)が1月31日に公開されました。志高く看護を提供したいと考えている看護師さんであれば一読しておいて損はないかと思いますので是非確認してみてください。

日本看護協会より

ICN 看護師の倫理綱領(2021年版)

読んでおいたほうがいい部分、簡単ですが抜き出しますね。

看護師と患者またはケアやサービスを必要とする人々

1.1 看護師の専門職としての第一義的な責任は、個人、家族、地域社会、集団のいずれかを問わず、看護ケアやサービスを現在または将来必要とする人々(以下、「患者」または「ケアを必要とする人々」という)に対して存在する。
1.2 看護師は、個人、家族、地域社会の人権、価値観、習慣および宗教的・精神的信条がすべての人から認められ尊重される環境の実現を促す。看護師の権利は人権に含まれ、尊重され、保護されなければならない。
1.3 看護師は、個人や家族がケアや治療に同意する上で、理解可能かつ正確で十分な情報を、最適な時期に、患者の文化的・言語的・認知的・身体的ニーズや精神的状態に適した方法で確実に得られるよう努める。
1.4 看護師は、個人情報を守秘し、個人情報の合法的な収集や利用、アクセス、伝達、保存、開示において、患者のプライバシー、秘密性および利益を尊重する。
1.5 看護師は、同僚およびケアを必要とする人々のプライバシーと秘密性を尊重し、直接のコミュニケーションにおいても、ソーシャルメディアを含むあらゆる媒体においても、看護専門職の品位を守る。
1.6 看護師は、あらゆる人々の健康上のニーズおよび社会的ニーズを満たすための行動を起こし、支援する責任を、社会と分かち合う。
1.7 看護師は、資源配分、保健医療および社会的・経済的サービスへのアクセスにおいて、公平性と社会正義を擁護する。
1.8 看護師は、敬意、正義、応答性、ケアリング、思いやり、共感、信頼性、品位といった専門職としての価値観を自ら体現する。看護師は、患者、同僚、家族を含むすべての人々の尊厳と普遍的権利を支持し尊重する。

1.9 看護師は、保健医療の実践・サービス・場における人々と安全なケアに対する脅威を認識・対処し、安全な医療の文化を推進する。
1.10 看護師は、プライマリ・ヘルスケアと生涯にわたる健康増進の価値観と原則を認識・活用し、エビデンスを用いた、パーソン・センタード・ケアを提供する。
1.11 看護師は、テクノロジーと科学の進歩の利用が人々の安全や尊厳、権利を脅かすことがないようにする。介護ロボットやドローンなどの人工知能や機器に関しても、看護師はパーソン・センタード・ケアを維持し、そのような機器は人間関係を支援するもので、それに取って代わることがないように努める。

看護師と実践

2.1 看護師は、自身の倫理的な看護実践に関して、また、継続的な専門職開発と生涯学習によるコンピテンスの維持に関して、それらを行う責任とその説明責任を有する。
2.2 看護師は実践への適性を維持し、質の高い安全なケアを提供する能力が損なわれないように努める。
2.3 看護師は、自身のコンピテンスの範囲内、かつ規制または権限付与された業務範囲内で実践し、責任を引き受ける場合や、他へ委譲する場合は、専門職としての判断を行う。
2.4 看護師は自身の尊厳、ウェルビーイングおよび健康に価値を置く。これを達成するためには、専門職としての認知や教育、リフレクション、支援制度、十分な資源配置、健全な管理体制、労働安全衛生を特徴とする働きやすい実践環境が必要とされる。
2.5 看護師はいかなるときも、個人としての行動規準を高く維持する。看護専門職の信望を高め、そのイメージと社会の信頼を向上させる。その専門的な役割において、看護師は個人的な関係の境界を認識し、それを維持する。
2.6 看護師は、自らの知識と専門性を共有し、フィードバックを提供し、看護学生や新人看護師、同僚、その他の保健医療提供者の専門職開発のためのメンタリングや支援を行う。
2.7 看護師は、患者の権利を擁護し、倫理的行動と開かれた対話の促進につながる実践文化を守る。
2.8 看護師は、特定の手続きまたは看護・保健医療関連の研究への参加について良心的拒否を行使できるが、人々が個々のニーズに適したケアを受けられるよう、敬意あるタイムリーな行動を促進しなければならない。
2.9 看護師は、人々が自身の個人、健康、および遺伝情報へのアクセスに同意または撤回する権利を保護する。また、遺伝情報とヒトゲノム技術の利用、プライバシーおよび秘密性を保護する。
2.10 看護師は、協働者や他者、政策、実践、またはテクノロジーの乱用によって、個人、家族、地域社会、集団の健康が危険にさらされている場合は、これらを保護するために適切な行動をとる。
2.11 看護師は、患者安全の推進に積極的に関与する。看護師は、医療事故やインシデント/ヒヤリハットが発生した場合には倫理的行動を推進し、患者の安全が脅かされる場合には声を上げ、透明性の確保を擁護し、医療事故の可能性の低減のために他者と協力する。
2.12 看護師は、倫理的なケアの基準を支持・推進するため、データの完全性に対して説明責任を負う。

専門職としての看護師

3.1 看護師は、臨床看護実践、看護管理、看護研究および看護教育に関するエビデンスを用いた望ましい基準を設定し実施することにおいて、重要なリーダーシップの役割を果たす。
3.2 看護師と看護学研究者は、エビデンスを用いた実践の裏付けとなる、研究に基づく最新の専門知識の拡大に努める。
3.3 看護師は、専門職の価値観の中核を発展させ維持することに、積極的に取り組む。
3.4 看護師は、職能団体を通じ、臨床ケア、教育、研究、マネジメント、およびリーダーシップを包含した実践の場において、働きやすい発展的な実践環境の創出に参画する。これには、看護師にとって安全かつ社会的・経済的に公平な労働条件のもとで、看護師が最適な業務範囲において実践を行ない、安全で効果的でタイムリーなケアを提供する能力を促進する環境が含まれる。
3.5 看護師は、働きやすい倫理的な組織環境に貢献し、非倫理的な実践や状況に対して異議を唱える。看護師は、同僚の看護職や他の(保健医療)分野、関連するコミュニティと協力し、患者ケア、看護および健康に関わる、査読を受けた倫理的責任のある研究と実践の開発について、その創出、実施および普及を行う。
3.6 看護師は、個人、家族および地域社会のアウトカムを向上させる研究の創出、普及および活用に携わる。
3.7 看護師は、緊急事態や災害、紛争、エピデミック、パンデミック、社会危機、資源の枯渇に備え、対応する。ケアやサービスを受ける人々の安全は、個々の看護師と保健医療制度や組織のリーダーが共有する責任である。これには、リスク評価と、リスク軽減のための計画の策定、実施および資源確保が含まれる。

 

 

看護師さんのraison d’etre、よく理解できた気がしますよ。皆さんも文章家された看護師の役割を一度きちんと理解して、明日からの看護に役立ててみてくださいね。

 

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