資料提供~2022年度の社会保障予算を分析する-診療報酬改定で攻防、参院選後はどうなる?
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。
ニッセイ基礎研究所さんの面白い資料を見つけましたのでご紹介します。診療報酬改定及び社会保障費全般に関しての知見をまとめた資料です。興味ある方は一読してみるといいかと思います。
2022年度の社会保障予算を分析する-診療報酬改定で攻防、参院選後はどうなる?
PDFはこちらです。
自分が特に気になった内容を少しだけ引用します。
8――診療報酬本体の改定の評価と今後の展望
1|「玉虫色」となった診療報酬本体の改定率
まず、診療報酬本体の改定率を巡る攻防を考えると、今回の改定水準は政治的に「玉虫色」という見方が示されている15。確かに財務省は 0.3%程度の改定率を望んでいたため、0.43%増という本体のプラス改定率に関しては、財務省が譲歩したかのように見える。さらに、横倉氏が会長として改定に当たった 2014 年度以降、4 回の改定率の平均が 0.42%だったため、これを僅かに上回ったことで、日医の面子を保てる水準に収まったと言える。
しかし、日医、自民党が要望していたとされる 0.50%に届かなかった上、0.43%の本体改定率は「首相案件」とされていた不妊治療の保険適用と看護職員の給与引き上げの影響である 0.4%を含んだ数字であり、実質的なプラス幅は小さい。
さらに、初診料の減少に繋がる可能性を伴うため、日医として反対してきたリフィル処方箋が導入される点も踏まえると、むしろ政治的には日医が押し切られたという見方も可能である。
こうした背景には、新型コロナウイルス対応などを巡って、日医を含めて民間医療機関に対する風当たりが強くなっていることも影響している可能性がある。さらに、過去の診療報酬改定に関わったプレイヤーが交代したことで、横倉氏が会長時代に誇った政府・自民党とのパイプが一種の目詰まりを起こした点は否めず、各種報道を見ると、決着の場面では第一線を退いた伊吹氏や横倉氏が要路に働き掛ける一幕もあったようだ。
今後、導入が決まったリフィル処方箋を含めて、診療報酬改定の詳細については、中央社会保険医療協議会(中医協、厚生労働相の諮問機関)で2022 年 3 月末までに決定される予定だが、医療現場への影響に加えて、こうした決着が今年に予定されている日医会長選、あるいは夏の参院選にどう影響を及ぼすのか、その動向を注視する必要がある。
2|医療提供体制改革を加速させる「言質」?
さらに、診療報酬改定を最終決定する閣僚折衝に際して、財務、厚生労働両相の間で「診療報酬における医療提供体制の整備等」と題する文書が交わされている点も見逃せない。ここでは、「良質な医療を効率的に提供する体制の整備等の観点」に立ち、表 1 のような内容で医療提供体制改革に取り組む方針が示されている。
具体的には、急性期病床(いわゆる看護配置 7:1 基準の病床)の適正化とか、急性期から回復期への移行など外来機能分化、かかりつけ医機能の強化、多店舗を有する薬局の評価適正化といった方針であり、ここでは全てを一つ一つ取り上げないが、いずれも医療提供体制改革を目指す「地域医療構想」を含めて、以前から懸案になっているテーマである16。
こうした改革項目が改めて列挙されたのは「医療提供体制改革なくして診療報酬改定なし」とする財務省のスタンスが反映された結果であり、中医協における医療提供体制改革の見直し議論に関して、財務省が厚生労働省から「言質」を取ったと解釈することも可能であり、今後の議論が注目される。
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まぁここ以降、特に3|今後の医療制度改正の展望も面白い文章ですので是非一読してみてください。医療制度の改革は2022年の試金石、その先の2024年や、中期的には2030年までを見据えてどう変化するのかをよくよく考える必要がありそうですね。
先を見据えて準備する・・・今から対応していきたいと思います。皆さんもぜひ行動に移してみてくださいね。
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