公開日:2021年12月01日

ACP=書類を渡して患者さん自身で考えてもらうこと???

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

最近ですが、他院でがんと診断されBSCとなり外来フォローされていたが体調悪化→遠くの専門病院に行けないので自宅近くのクリニックの当院外来に受診、という患者さんが立て続けにいらっしゃいました。

受診時に外来で話を聞くと、病院は違えど二人ともACPに関しては外来の医師から書類を渡されて考えてみてください、と言われたのみとのこと・・・

「誰に相談していいのかわからなかったので一応自分なりに考えてみたんですがこんな感じでいいですか?」と差し出された、よれよれになったACPの用紙・・・自分には何とも哀しみに包まれた書類としか見れなかったです。

2人とも病状についても年齢も高齢であったこともありよく理解しているのか不明だったので、ひとまず必要な情報を関連する病院から取り寄せて自分が医療情報をまとめて簡易にして患者さんと家族に対し説明→今後の療養方針とACPを再度考えていくことになりました。

 

特定機能病院の外来業務が忙しいのは重々理解できますので、そもそもBSC方針の人をそのような病院の外来でフォローしていくときには医師以外の人も積極的にフォローしていく体制を構築することが望まれますが、中々そこまできちんと考えられた外来診療をしている病院は札幌では少ないですね。

書類を渡すだけがACPでは、人生会議ではなく、その人自身の考え方と生活環境、家族までをみた上で、現状と今後病状が変化した時に何ができて何ができないのか、外来で診るのか訪問診療で診るのか、はたまたHARELUのようなホスピスに入るのか緩和ケア病棟に入るのか、何がベストか一緒に考えてあげる努力を医療者はすべきではないでしょうか??

 

患者さんが差し出した、ご自身で考えて何度か書き直してよれよれになったACPの書類、自分には忘れられませんよ・・・・

 

 

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