ベストの医療×ベストの医療×ベストの医療＝患者さんにとってベスト、とは言えない・・・
こんにちは、札幌のかかりつけ医＆在宅医＠今井です。
当院の外来はかかりつけ医としての機能を重視しており、小児や高齢の患者さんが当院にかかりながら複数の医療機関を受診することが結構あります。
基本的には行かなくていいのであれば当院で投薬管理、治療方針の相談が必要だったり検査が必要だったりした場合は各病院の各科の専門の先生に相談させて頂きながら医療面や生活面についての対応を行っています。
そんな中ですが先日とある高齢の患者さんが初診で来院されました。聞くと体のだるさがつらくて動くのがしんどい、そろそろ訪問診療にしてもらった方がいいかどうか相談したいので来ましたとのこと・・・・色々問診させてもらうと現在は他院の整形クリニック、病院内科①（循環器）、病院内科②（内分泌）、泌尿器科クリニックと４科を受診し投薬を受けているとのこと、服用している薬は１０種類を軽く超えています。
採血とると諸々バランスが崩れており、投薬を全てまとめてこちらで調整し６種類くらいまで減らしたところで症状は改善、現在は外来に体調良く通院されています。（もちろん事前に各科の先生には連絡し調整許可を頂いてから行っていますよ）
各科の先生は、患者さんの特定の領域の訴えに対してベストな治療をしてあげよう！との考えからどうしても薬を（多く）処方しがちです。各科の先生がそう考えたとしても、ベストの治療×ベストの治療×ベストの治療×・・・・・がその患者さんにとってベストかと言われると、決してそうではないことが多いのが現実です。
”木を見て森を見ず”ではないですが、誰がその患者さんの生活や人生を診ながら医療面での相談にのってあげるのか、かかりつけ医がいない患者さんはえてしてそうなる可能性が高いと感じますよ。
皆さんも色々な専門医にたくさん受診するより、まずはある程度の年齢になったら個人をトータルで診てくれるかかりつけ医を探してみてください。きっと医療や介護面でもっと有益なアドバイス、もらえると思いますよ！！
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