公開日:2020年10月02日

公的病院への資金援助はソーシャルボンドの利用が望ましい、かな???

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

医療に関しての色々な情報は、できるだけ広範囲に確認するようにしていますが、先日公的病院へ支援にソーシャルボンドを利用しては?という記事を読みました。

そもそもソーシャルボンドってなんだろ?という話ですがこの図がわかりやすいですね。

社会的課題に対しての投資、って端的ざっくりに言えばそんな理解でいいのかなと思います。

 

さて気になった記事はこちらです。

野村資本市場研究所 さんから

新型コロナ問題を踏まえた公立病院の持続可能性とソーシャルボンドによる資金調達

要約を引用すると

<公立病院は、地方公共団体が地域医療の確保のために開設する病院で、地域における基幹的な公的医療機関として、新型コロナウイルス感染者の受け入れでも中心的な役割を果たしている。

  1. 公立病院は、経営健全化等に努めてきたものの、民間病院では担えない不採算・特殊部門に係る医療等を担っていることもあり、新型コロナウイルス感染症問題が顕在化する前から、既に厳しい経営状況を抱えているケースが多かった。さらに、新型コロナウイルス感染症問題の発生により、国等による支援策が講じられているものの、公立病院の経営状況の悪化が進む傾向が見られている。
  2. 公立病院が経営の持続可能性を維持するためには、新型コロナウイルス感染症問題顕在化前から課題とされていた公立病院改革の取組みや地域医療構想を通じた地域における効率的な医療提供体制の構築に加え、今般の感染症問題を踏まえて大規模感染症等の有事の際に対する医療提供体制の確保等も重要課題となるとみられる。そして、これらの課題に対応するためには、財源確保にもより一層の工夫が求められよう。
  3. 効率的・効果的な財源確保の一手段としては、ソーシャルボンドが挙げられる。諸外国では、主にスペインのマドリード州、ベルギーのワロン地域、フランスの地方金融公社のSFILグループが公立病院や地域医療システムを資金使途としたソーシャルボンドを発行している。
  4. 日本の公立病院向けの財源調達で仮にソーシャルボンドを活用する場合、(1)地方公共団体金融機構によるソーシャルボンド、(2)共同発行市場公募地方債形式のソーシャルボンド、(3)住民参加型市場公募地方債形式のソーシャルボンド、といった選択肢があり得る。>

 

 

その他にもソーシャルボンドへの理解を深めるためには、この著者の方の以下の記事を読むことをお勧めします。

持続可能な社会の実現に向けて注目が集まるソーシャルボンド

要旨の部分だけ引用させて頂きますが興味ある方は是非全文お読みください。

 

 

以上上記の内容を読んで上での個人的な感想としては

・公的病院へのソーシャルボンドの利用は今後推進すべき。外部資金が流入することにより公的病院の役割や業務についての議論も活発化され、経営自体も効率化されることになるであろうから

・地方の公的病院へのソーシャルボンドの活用は、可能であればその地域の投資家が積極的に役割を担うような形が望ましいのでは?文中の3)にあるように住民参加型市場公募地方債形式のソーシャルボンドが、その地域の公的病院の支援や地域医療連携推進法人の支援ができるようになれば、より地域のコミュニティ形成に寄与できるようになるのではないか

・診療所レベルでも社会的課題の解決のための資金調達の一つの方法としてソーシャルボンドの活用ができたら・・・自分としては札幌の社会的課題を解決するための病院設立資金とかにできたらうれしいですし、当初より多数の投資家に参加してもらうことでより明確な課題設定と事業目標の設定が可能となるはず

・行政のデメリットはあまりないのではないか?シュリンクする地方経済、行政を考えると試す価値あり

 

などと考えましたよ。皆さんのご意見はどうですか?

 

2020年上半期の当院の診療実績→こちらをどうぞ!

2020年5月から北区、手稲区でも訪問診療開始しています→興味ある方はこちらこちらをどうぞ!

おすすめ過去ブログのまとめをみたい方→こちらをどうぞ!

現在当院の勤務に興味のある医師募集中→こちらこちらをどうぞ!

開業に興味のある医師も募集→こちらこちらをどうぞ!

当院の診療所、もしくは法人内の訪問看護ステーションで働きたい看護師さんも随時募集しています→こちらをみてご連絡ください!

札幌で訪問看護ステーションを起業したい看護師さん→こちらをどうぞ!

医師の仕事に興味ある中学生、高校生の方、診療所見学しませんか?→こちらを確認してみてください!