地域医療構想における病院再編がいかに困難か~室蘭の3病院から考える~

こんにちは、札幌の医療政策研究が趣味の医師@今井です。

 

2018年の5月、2年前に自分が書いたこちらの記事で言及していた室蘭3病院の統合の件ですが、その後どうなっていたのかなぁと記憶の片隅には置きつつも何も記事をみることがないまま経過していましたよ。

ただ最近になり室蘭日報に病院再編(統合?)についての記事が出ていましたのでご紹介したいと思います。自分が室蘭に興味をもっているのは自分が初期研修を室蘭で過ごした、という以外に、公的病院を含めた地域の基幹病院3つがどのような形で再編、統合していくのか、という地域医療構想の中の病床再編(病院機能再編)を考える上でとてもモデルケースになる場所だなと考えているからです。先々の日本の各地で起こる病院再編を考える上で参考になるなと。

なので皆さんも一度よければこの記事を読んでみてください。

室蘭日報より

■ 室蘭の3病院連携・再編中間報告、なお隔たり埋まらず

「室蘭市地域医療連携・再編等推進協議会」(会長・青山剛市長)の第11回会合が23日夜、同市東町の保健センターで開かれ、2019年度内に示す「中間取りまとめ(第2次中間報告)」について議論。ただ、病院機能の再編や法人統合する場合の経営形態は、各委員の考えに差異があり、第2次中間報告は「蘭西地域の医療機関に設ける機能」を示す程度の見通しだ。

 完全非公開で行われ、市内3病院の関係者や青山会長などの委員が出席。昨年3月公表の「中間取りまとめ」では、19年度中をめどに、市内3病院の連携・再編などに関する基本的な考え方を取りまとめる-と明記。その具現化に向け、同年度は計6回、完全非公開で会合を開いてきた。

関係者によると、第2次中間報告では、(病状が安定して在宅復帰を目指したり、長期療養に対応する)回復期や慢性期をはじめ、一部の一般診療機能を蘭西地域に設ける点などが示される見通し。

一方、慢性的な赤字体質が続く市立室蘭総合病院(市立病院)について青山会長は、開設者の立場で「経営改善は必須」と強調。地方独立行政法人への移行をはじめ、経営改善につながるさまざまな可能性について、さらに検討を進めていく考えを改めて示したという。

終了後、青山会長は「経営形態や再編の進め方などは、依然として、さまざまな意見がある」と説明。市立病院については「経営改善を進めないと(協議会の)議論自体が進まない」とし、同病院の「経営改善支援業務委託事業」の結果などを踏まえて判断する考えを示した。
(松岡秀宜)

◆―― 市立病院経営調査コンサル会社決定

市立室蘭総合病院の経営課題や経営改善策などを、病院経営専門の民間コンサルティング会社に調査委託する「経営改善支援業務委託事業」について、室蘭市は24日までに、有限責任監査法人トーマツ札幌事務所を選定したことを明らかにした。

公募型プロポーザル方式で選定した。青山剛市長は同事業の結論について、2020年度(令和2年度)が最終年度となる同病院の「新経営改革プラン」の改訂に反映させるほか、病院開設者として「今後の経営形態を判断する材料」とする考えも示している。
(松岡秀宜)

◆―― 市立の赤字体質改善先決、製鉄病院が考え示す

室蘭市地域医療連携・再編等推進協議会を構成する医療機関の一つ製鉄記念室蘭病院(前田征洋病院長)は22日夜、市内3病院統合・再編問題への「考え方」について室蘭、登別両市の医療関係者らに説明した。

前田病院長は「まず、赤字体質の市立室蘭総合病院(市立病院)の構造改革を進めるべき」と指摘。「赤字体質が改善されてから、病院機能の段階的な再編統合を進めるべき。その上で、最終的な経営統合もありうる」とも話した。同協議会第11回会合前日に開かれた同病院主催の医療連携カンファレンスで示した。

関係者によると、市立病院開設者の室蘭市は、地域医療連携推進法人の活用にも関心を寄せる一方、「3病院の経営統合後に、病院機能を再編統合すべき、との考え」という。

この考えに、前田病院長は「(市立病院は)累積赤字を抱える病院。赤字体質からも脱却できていない。いきなり経営統合を求められても、同意できない」と異を唱えた。

ただ、議論自体が平行線でも「前に進まないと、西胆振全体の医療が停滞してしまう」と強調。救急・がん・高度専門・小児周産期の各医療の充実など、「地域から求められる、質の高い、真の急性期病院を目指したい」などと説明した。

同協議会は、昨年3月に「中間取りまとめ」を公表したが、完全非公開で会合が続くため、西胆振医療圏の医療機関からも「方向性が見えない」などの声もある。同病院が公の場で考え方を示したのは、中間取りまとめ公表後では初。
(松岡秀宜)

 

 

ということで読んでみた後の自分の印象としては

①2018年の段階から2年経過したが状況に変化なし

②各病院はまずは自院の機能強化を第一として考えいる(これは当然っちゃ当然ですけど)

③経営基盤や状況が異なる病院の統合や再編はかなり苦労を伴う

③議論は完全非公開であり病院の再編という公共性の高い話のはずであるのに全く経過がわからない

などが気になった点でしょうか・・・・

おそらくこの内容はこれから先に本の津々浦々で起こる地域医療構想における病院再編でどの地域も経験する事象になっていくのでしょうね。

 

長期的な、地域スパンの目で見てみると、限られた医療介護従事者を効率よく地域で働いてもらうための体制を早急に整えないと、住み手、働き手がどんどん札幌圏などの他の地域に流出してしまう悪循環になってしまうのは火を見るよりも明らかだと感じていますが皆さんはどうでしょうか?何かご意見あればくださいね。

 

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