公開日:2020年01月17日

今から在宅医療で【開業・参入】しようと考えているお医者さんへのアドバイス

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

当院には過去2年くらい結構な数のお医者さんが在宅医療で開業したい、って相談に来られています。自分としては当院の成り立ちや開業後の経過、現状、そして自分が考える医療情勢の未来をできるだけお話し、できるだけニュートラルなポジションからアドバイスしたいなと思って情報をお伝えしています。

さて今年2020年は2年に一度の診療報酬改定の年ですね。1月に入って改定の主要項目がある程度きまり、おそらく例年通りであれば2月中旬(15,6日くらい?)に原案が発表されることになるでしょう。

過去振り返ってみると自分が参入する少し前2000年代後半から在宅医療への強烈な診療報酬支援が行われていました。その影響もあってか2010年代前半は在宅医療に飛び込んだ先生も多かったと思いますが、直近の2016年~後半にかけては逆に在宅医療から撤退したクリニック、先生もちらほらみられるようになってきました。これは単純に24時間365日縛られるのに疲労したから、っていう理由もあるかもしれませんが、一番は在宅の診療報酬が先細りすることがみえてきたから、っていう理由が大きいと考えています。

ということで今後2020年以降の在宅医療の診療報酬はどうなるかというとおそらくは現状維持ということはなくて算定用件のハードルの高さがどんどん上がることが容易に予想されます。複数医師での勤務体制、地域での往診応需、看取り数や小児在宅への取り組み、地域包括ケアの中での連携の主軸としての機能などなど・・・本当に多岐にわたると個人的には考えています。

 

さてそんな中で上記表題<今から在宅医療で【開業・参入】しようと考えているお医者さんへのアドバイス>ということですが、これは現状を考えれば明らかに「在宅医療のみをする開業はしないこと」に尽きると思います。2020年代の10年間は、個人的にはかかりつけ医機能を有する医療機関が必ず評価されるので外来診療の機能をもたない、というのはかなり危険度が高くなります。(同じ理由から専門特化での開業も勧めません。今はよくても将来的に生きていけないとはいわないけれど絶対経営は厳しくなります。)もっとスパッと率直に言うと、今からの在宅のみでの開業はレイトマジョリティの層に入っていると言えると思っています。開業に必要なのは「現状でニーズがある分野で開業する」ではなくて「5年後10年後20年後にニーズがある分野を考え開業する」ことですよ。

フリーアクセスの制限が必ずもっと厳しくなる、さらに外来以上在宅未満の患者さんの診療を地域の中でしなければいけない、より複雑化する地域コミュニティへの関与、などなど明らかに外来診療の機能がなければ乗り切れないと個人的には考えています。

 

 

ということで上記のような時代に必要とされる診療所をつくるためには、医師1人事務2人看護師1人、とかっていう小規模の診療所ではなくて、早期から複数医師体制や多職種チームの結成が必須になると考えています。

上記自分の考えに興味のある医師、一緒に働いてみたいと少しでも思える方、そんなチームを1から自分でつくってみたいと考えている医師の方いましたら気軽に連絡くださいね。また開業考えているけれど今後の医療情勢について自分の意見を聞きたいって言う方も歓迎しますよ。

 

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