公開日:2019年12月19日

全世代型社会保障検討会議において議論されている社会保障の未来

こんにちは、札幌は宮の森のかかりつけ医@今井です。

 

12月19日本日、安倍晋三内閣総理大臣が議長を務める「全世代型社会保障検討会議」(以下、検討会議)が第5回会合にて中間報告をまとめています。内容は読んでもらえれば、と思いますがですが、今後の社会保障制度を国がどう考え、どのような方向性にもっていきたいのかが非常によくわかる文章となっています。一部抜粋し自分が気になる部分を赤文字にしてみたいと思いますよ。以下どうぞ!

(全世代型社会保障への改革)
一億総活躍社会を掲げる安倍内閣にとって、全世代型社会保障への改革は最重要課題である。少子高齢化が急速に進む中で、これまでの社会保障システムの改善にとどまることなく、システム自体の改革を進めていくことが不可欠である。
しい時代の日本に求められるのは、多様性である。みんなが横並び、画一的な社会システムの在り方を、根本から見直していく必要がある。多様性を認め合い、全ての人が個性を活かすことができる社会を創ることで、少子高齢化という大きな壁を克服する。そのために、多様な学び、多様な働き方、そして多様なライフスタイルに応じて安心できる社会保障制度を確立する必要がある。
これまで社会保障改革といえば、年金、医療、介護が主要なテーマになってきたが、今回の全世代型社会保障改革は、人生100年時代の到来を踏まえて、働き方を含めた改革を行っていくものである。結婚、出産といった人生の各段階に応じて、また、病気になったとき、高齢になったとき、どのような働き方ができるか。年金などの各制度との関わり合いも重要になる。
働き方改革を進め、子育てや介護など様々な事情の下でも就労への意欲を活かせる社会を作る。元気で意欲ある高齢者に就業の機会を確保する。人生100年時代の到来をチャンスとして前向きに捉えながら、働き方の変化を中心に据えて、年金、医療、介護、社会保障全般にわたる改革を進める。これにより、現役世代の負担上昇を抑えながら、令和の未来をしっかりと見据えた、全ての世代が安心できる社会保障制度を構想する必要がある。

(4)今後の改革の視点
(生涯現役(エイジフリー)で活躍できる社会)
従来の社会保障は年齢による画一的な取扱いがなされることが多かったが、年齢を基準に「高齢者」と一括りにすることは現実に合わなくなっている。現在の高齢者を過去の高齢者と比較すると、肉体的にも精神的にも元気な方が増加している。
高齢者の歩行速度は、10年で10歳若返っている。また、現在就労している60歳以上の方で、70歳以降まで働くことを希望している高齢者は8割にのぼる。今後は、「高齢者」や「現役世代」についての画一的な捉え方を見直し、生涯現役(エイジフリー)で活躍できる社会を創る必要がある。
(個人の自由で多様な選択を支える社会保障)
人生100年時代を迎え、ライフスタイルが多様化する中で、学びにおいても、仕事においても、老後においても、個人が自由で多様な選択ができるよう、特定の生き方や働き方が不利にならない「選択を支える社会保障」を構築する必要がある。
(現役世代の負担上昇の抑制)
2022年には団塊の世代が75歳以上の高齢者となり、現行の社会保障制度を前提とすると、現役世代の負担が大きく上昇することが想定される。人生100年時代の到来をチャンスとして前向きに捉えながら、働き方の変化を中心に据えて、年金、医療、介護、社会保障全般にわたる改革を進めることで、現役世代の負担上昇を抑えながら、全ての世代が安心できる社会保障制度を構築する必要がある。
(全ての世代が公平に支える社会保障)
世界に冠たる我が国の社会保障制度を将来世代に着実に受け継いでいくためには、制度の持続可能性が重要である。このため、改革全般を通じて、自助・共助・公助の適切な役割分担を見直しつつ、大きなリスクに備えるという社会保険制度の重要な役割も踏まえ、年齢ではなく負担能力に応じた負担という視点を徹底していく必要がある。こうした取組と併せて、必要な財源確保を図ることを通じて、中長期的に受益と負担のバランスを確保する努力を継続していく必要がある。
(国民の不安への寄り添い)
全世代型社会保障への改革を補完する取組として、国民の不安に寄り添っていくことが重要である。現在、多くの国民が、「近くに医者がいない」、「1人で老いていく」、「地域のつながりがなくなった」、「子や孫の時代にはますます生活が厳しくなっていく」といった漠然とした不安や懸念を持っているとの指摘がある。
特に、地域間格差が指摘される地域の医師不足、独居高齢者・孤独死、「地域」の消滅・崩壊に関する不安は切実であり、こうした国民の不安を正面から受け止める必要がある。今後、世論調査等を通じて、国民が持つ不安の実態把握を進める。

 

 

いかがでしょうか?国が目指そうと考えている方向性がよくわかるのではないでしょうか。ではこれを現場レベルでは何をしていくべきなのか・・・自分は毎日自分なりに考えて方向性をつけていきたいと思っていますよ。皆さんも準備はきちんとしていますか?