温故知新・・・訪問看護で求められる看護はあの人の言葉に集約されています
こんにちは、札幌の在宅医@今井です。
とある訪問している癌の患者さん宅ですが、家族の方が病気を持っていることもあり介護力が少しだけ不安な状態です。訪問看護師さんも入ってもらって対応して頂いており、点滴や麻薬の使い方など医療面での対応などは十二分にしてくれていますが、ちょびっとだけ気になる点がありました。
それは寝床や着衣、食事や衛生面など、保清の面でのケアが少し足りないのかなぁ、という点・・・患者さん家族は気にならないかも知れませんが、やっぱり色々な患者さんのケアをみてきた自分としては「せっかく医療面でこれだけ頑張ってくれているのだから、もっと身の周りのこと、生活環境にも注意して、介入してあげて看てあげればいいのにな」と少しだけ残念に感じましたよ・・・
訪問看護は病院の看護よりも患者さんの生活に密着している看護だけあって、訪問看護師に求められるマインドの根本となるもの、訪問看護が提供すべき看護はそれこそ看護のど真ん中、「そもそも看護とは、看護師とは何か?何をすべきか」という部分かと思います。この部分の考えが揺らぐようであれば、提供する訪問看護も軸足が定まらなくなると思います。
自分は訪問看護師の基本となる考えや提供すべき看護は、現在も未来もおそらくナイチンゲールのこの言葉に集約されると思います。
「看護がなすべきこと、それは自然が患者に働きかけるに最も良い状態に患者を置くことである。」
「看護とは、新鮮な空気、陽光、暖かさ、清潔さ、静かさなどを適切に整え、これらを活かして用いること、また食事内容を適切に選択し適切に与えることー。こういったことのすべてを、患者の生命力の消耗を最小にするように整えること、を意味すべきである。」
ちょっと時間がたっている言葉ですが、物事の本質を捉えている言葉は年月がたっても全く色褪せしませんね。温故知新とはまさにこのこと・・・これこそが訪問看護の基本となるべきだと個人的には思っていますよ。
医療処置や知識が訪問看護師に求められている訳ではありません。あくまで患者さんや家族が自宅で快適に過ごすために何をしてあげるべきか、訪問看護の究極の目的はそこではないかなと自分は考えています。皆さんはどう考えますか?よかったらご意見くださいね。
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