公開日:2019年10月06日

介護費用の上限がさらに増加・・・これからは公的保険のみならず近隣の住民同士の連携構築も必須ですね

こんにちは、札幌は宮の森のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

介護保険の負担金の上限をあげる議論がされていますがこれは近いうちに必ず現実となるでしょうね。

東京新聞より

高所得者 介護負担増へ 65歳以上、月額上限2~3倍

「厚生労働省は五日、膨張する社会保障費抑制のため、主に六十五歳以上の高所得世帯を対象に、介護保険サービスを受ける際の自己負担の月額上限を引き上げる方針を固めた。現在の月額上限は低収入の世帯を除くと四万四千四百円だが、年収約七百七十万円以上の世帯は九万三千円、約千百六十万円以上は十四万百円に増やす。政令改正し二〇二一年度にも導入する。

 介護保険制度の維持が目的で、比較的余裕がある高齢者に相応の負担を求める。

 介護サービスを利用した人の自己負担は一~三割。利用者の負担が過重にならないよう「高額介護サービス費」という仕組みがあり、月ごとの自己負担額に上限を設け、超えた分は払い戻してもらえる。現在、上限は住民税課税世帯であれば収入額に関係なく四万四千四百円。今回、これを見直す。

 具体的には(1)年収約七百七十万円までの世帯の月額上限は四万四千四百円(2)年収約七百七十万~千百六十万円の世帯は九万三千円(3)年収約千百六十万円以上は十四万百円-とする。対象となる六十五歳以上の世帯は数%の見込み。住民税非課税の場合の上限は、現行の世帯二万四千六百円、個人一万五千円を維持する。」

 

制度の持続可能性を求めるためにも相応の負担は避けられないとは思いますが、これを行うなら生活保護制度と障害者総合支援制度の見直しも同時進行で進む事になるでしょう・・・・というかその前にそろそろ介護保険サービスの質の担保についてもっと踏み込んだ規制なりをすべきだと感じるのは自分だけでしょうか?

現行の介護保険周囲の産業の問題点を当事者として簡単に挙げてみると

1)高齢者住宅やサ高住の質の問題

2)事業所による囲い込み

3)情報の非対称性

などがすぐに挙げられます。特にこれからの改善が必須なのは3)の部分ではないでしょうか。

認知症がすすんで独居が厳しくなって入居が必要になった、とか、地方の親を札幌に呼んで入居させなければいけない、とかってなった時にではどこの住宅やサービスの質がいいの?っていう情報が現状全く不足していmす。

自分達在宅医療者は良くわかっているので質の高い住宅やサービス提供者を紹介できますが、全体で考えると本当にごく少数の方にしか伝えられていないです・・・これってすぐには改善は難しいでしょうね。

 

 

今後地域の中で金銭的に低負担で、かついい住環境で暮らしたい!と希望する人に関しては、単純な近所付き合いのみならずその動きを組織化し、金銭面ではなく介護面での互助会を構築するような動きが必須になるでしょうね。地域の組織化をどこが舵取りをしながらしていくのか・・・・自分は地域の中の実情を理解しつつ効率的にそのようなことができるのは、ある程度の地域密着型の大型ステーションか中規模のかかりつけ診療所しかできないのではないかと思っていますがどうでしょうかね。

 

将来的には当院もそのような活動も視野にいれていますし、さらには保険制度を利用しながらも高齢者や障害者同士が互助しながら共生していけるような高齢者住宅もつくったほうがいいのかな、とも思っていますよ。

 

これからは保険制度のみには頼らない、というか頼れない時代が必ず来ます。皆さんはどう備えていますか?

 

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