あなたのかかりつけ医は医療全般について相談できますか?
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。
日本慢性期医療協会のHPがあるのですが考えさせられる二つの記事が出ていました。
①療養病床は看取りの場ではない」 ── 入院分科会で池端副会長
②急性期病院で終末期、「ふさわしくない」 ── 6月27日の定例会見で武久会長
二つの記事からは、急性期病院での終末期医療は急性期病院が行うべき求められている医療ではない、終末期医療を現実に行っているのは療養病床だがきちんと行うためには(診療報酬面含め)どうしたらいいのかを考える必要がある、っていう内容です。
まあそれはいいとして気になった内容は以下のもので、①の記事中に書かれていた中心静脈栄養や胃瘻の患者さんのことです。曰く
「胃瘻であれば拒否感がある方が多いが中心静脈栄養であればしたい患者さん家族がいる」
「その場合行く場所がなく療養病床が受け皿になっている」
ということで日慢協の主張としては医療区分3に中心静脈栄養が入っているがこれは外さないでくださいってことなんですが、確かにここに記載されている中心静脈栄養を受ける患者さんの行く場所っていうのは選択肢としては本当に少なくなります。
個人的には多くの患者さん家族が、中心静脈栄養を医師に勧められたから受ける→いざ療養の場を探す時になって選択肢がほとんどないことに気がつく→結局療養病床に入所→そのまま何もしないでただ過ごす、そして・・・・・・、ということで看取った後に家族が中心静脈栄養を受けさせて良かったのか苦悩する、というコースをたどっているように思えます。
この原因は治療をする医師(中心静脈点滴を入れる医師)がきちんとその後の療養のコースや人生の見通しについて話をしなければいけないんですが、正直その役割は難しいと思います。だって普段から患者さん家族と話をしていないのでACPの確認や人生会議への参加もしてはいないでしょうから・・・・・なので高齢者の医療全般において治療の選択肢が出てきた時に、誰が患者さんの意思を尊重した上で家族の気持ちを考慮し最適な医療を考えてあげるのかと言ったらやっぱり普段から診療しているかかりつけ医しかいないのではないかなと思います。
あなたのかかりつけ医は医療全般においてよき道標になってくれる、相談にのってくれる医師ですか?専門の診療ばかりに目が行き他の科のことは他の科で相談してね、っていうスタンスではないですか?本当に医療の選択肢を考えなければいけない状況になった時に普段の自分の考えを考慮して、金銭面や社会面も含めた上で自分や家族の相談にのってくれますか?必要なら在宅医療をしてくれ、さらに介護保険の事についても相談にのってくれますか?
もしかかりつけ医について相談したい方いましたらいつでも当院外来に受診してください。一つ一つ問題を一緒に考えていきたいと思いますよ。
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