公開日:2018年08月24日

迷走する専門医制度をめぐる議論【誰のための専門医制度か?】

こんにちは、札幌の脳神経外科専門医@今井です。

専門医制度をめぐる議論が活発にされているようですが、正直これは利権の取り合いにしか見えないのは自分だけでしょうか?

以下メディウォッチの記事一読してみてください。

専門研修修了医(certified doctor)と臨床経験を十分に積んだ専門医(specialist)は区別すべき―四病協

要点は以下の文中の文章がわかりやすかったので引用します。(個人的に気になる部分は赤文字としています。)

(1)国民視点から専門医制度の見直しを求める

(2)初期臨床研修終了後3年程度の研修は「専門研修制度」とし、その研修を修了した医師を「(認定)専門研修修了医師:certified doctor」、その後、臨床経験を10年程度積み、必要な研修等を修了してscience・art・coordinate能力を兼ね備えるに至った医師を「専門医:specialist」と位置づけ、両者を明確に区別する

(3)後者の「専門医:specialist」研修は、「いつからでも」「どこでも」適切な指導者のいる機関で、カリキュラム制(年限や研修施設を定めず、一定の症例数などを経験することで専門医試験の受験資格を得られる仕組み)に基づく技術研修と学習、さらに厳格な資格審査で認証する

(4)医師のキャリアパスに則った重層的で、多様性のある専門研修(例えば、▼研究者専門医(specialist、以下同)▼急性期専門医▼予防・健診専門医▼在宅医療専門医▼高齢者医療・介護専門医—など)を確保する。研修の提供、専門医の認証は限られた機関である必要はなく、例えば「四病協の認証」もありうる

(5)専門研修を受けない医師に対しては、所属病院、病院団体、医師会が「質の担保のための研修」を提供する(四病協でも研修必修化に協力する)

 

ということで結局は

新専門医制度の中で四病協にも一役買わせてくれ!!

って言っているだけに聞こえるのは自分だけでしょうか?

そもそもこんな風に制度変更したとしても全く国民にわかりやすい制度とは思えないし、根本として専門医制度って何のためにあるの?っていう疑問が出てこざるを得ません。

個人的に自分の考えでは専門医制度は職業ギルドの中の一制度という認識であって、飽くまで医師がそのキャリアや能力に応じて認められる資格である、と考えています。

国民にわかりやすい制度というのは聞こえはいいですが、結局は迎合しているだけ、利権を自分(四病協)が握りたいだけと感じてしまいますがいかがでしょうか?

 

新専門医制度が少しでも医師や国民のための制度になればいいのですが、正直この2,3年の議論をみているとその可能性は低いと言わざるを得ないですね・・・・迷走する新専門医制度、残念です。

皆さんはどう考えますか?

 

 

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