【院内処方のメリット・デメリット】当院がかかりつけ医として1年間院内処方を行った感想をお伝えします。
こんにちは、札幌は宮の森のかかりつけ医@今井です。
当院は昨年10月から土日も朝7時から年中無休で診療していますが、門前薬局さんもなく土日に常時対応してくれる薬局さんも近くにないため、患者さんの利便性を考え院内処方を一部取り入れてかかりつけ外来診療を行っていました。薬の品目としては200種類程度を導入しています。
↓これがバックヤードのメインの薬品棚です
ほぼ10か月院内処方を継続してみてわかったメリット、デメリット、診療所側と患者側など特に区別せずに簡単に書きだしてみたいと思います。
院内処方のメリット
・調剤料がかからないため金額が圧倒的に安い
・移動する手間もないため患者さんが楽
・土日でも対応できる薬局を探さないで処方可能
・院内処方で出す場合手持ちの院内薬からだすためにどうしたって処方自体が簡素になる→多剤投薬になりづらい
・突合点検で戻ってきても薬局の調剤料負担しなくて済む
・看護師や事務員の薬への知識、理解が深まる
院内処方のデメリット
・在庫管理が大変
・処方のダブルチェック等のために看護師や事務員などの人手が必要
・会計まで時間がかかる
・診療所に経済的なメリットいっさいなし
・散剤が処方できない(小児対応が院内では難しい)
・軟膏の混合ができない
・一包化ができない→認知症患者さんにとっては薬の管理が大変に
こんな感じでしょうかね。総じて言うとどちらかというと院内処方は、
・処方薬自体が少ない
・管理が自分でできる
・急性疾患でなるべく無駄な移動はしたくない
っていう一部の患者さんにとってはメリットが大きいかなと思います。
逆にやっぱりデメリットは診療所側の負担が人的にも在庫的にもペイできるような診療報酬ではないため経済的に負担になるという点が大きいでしょうか・・・・運用するためのコストはやっぱデメリットの最たる点でしょうね。
これから当院は門前ができるので院外処方がメインになるとは思いますが、上記のメリットの高い患者さんに関しては患者さんの利益のためにも院内処方で対応できるように考えていきたいと思います。
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