公開日:2018年06月18日

札医大の臨床研究で倫理違反があった問題は、個人の責任ではなくシステムエラーとして考える姿勢は素晴らしいですね!!

こんにちは札幌医大卒業生の医師@今井です。

以下母校である札幌医大のニュースです。

札医大の臨床研究で倫理違反

札幌医科大学附属病院の臨床研究で、患者の血液を使う際、患者本人から同意を得ていなかったことがわかり、大学は国の指針に違反しているとして今後、研究の責任者の准教授を処分する方針です。

札幌医科大学附属病院では、「腫瘍・血液内科」で行われた血液疾患が発症する仕組みを調べる臨床研究で、不正があるという告発がおととしあり、大学が過去の書類などを調査していました。
大学が15日公表した調査結果によりますと、研究には病院で診療を受けた13人の患者の血液を使いましたが、このうち10人については患者本人から同意を得ていなかったということです。
大学は、患者の同意を得ないのは国がつくった倫理指針に違反しているとして、今後研究の責任者の准教授を処分する方針です。
また大学は、この准教授が研究を行う際の手続き面を十分理解していなかったとして、今後再発防止に向けて研究の手続きが適正かどうかをチェックする新たな部署を設けるということです。
札幌医科大学の三浦哲嗣医学部長は「研究者の教育・支援態勢が十分でなかった問題もあったと認識していて、再発防止に努めていきたい」と話しています。

 

このニュースで大事な点は三浦先生がおっしゃっているように、決してこの問題は個人の問題としてのみとらえるのではなく、組織として、システムとしての問題として考える必要がある、ということです。

①研究者が参照にすべきマニュアルは手元にあったのか

②当該科でのチェック体制はどうなっていたのか

③さらに臨床研究を管轄すべき部署はどう監査していたのか

これらの点がきちんとしていれば少なくともここまで大事にならずに初期段階で異常に気がつくことができたはずです。

何か問題が起こった時に個人の責任に全てを帰すのはもっとも簡単な解決策ですが、三浦先生が今回の失敗を大学のシステムエラーと捉え根本からの解決を図ろうとする姿勢は素晴らしいと思います。

 

札医の卒業生として影からこそっと応援しています、研究しているお医者さん頑張れ!!!

 

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