公開日:2018年05月08日

初期臨床研修の必修と到達目標にもっと在宅医療の項目を増やすべき!!って確信しています。

こんにちは、初期研修を終えたのが遥か昔のように感じられる札幌の在宅医@今井です。

今回初期臨床研修の内容が2020年以降に大きく変化しますが、その点について在宅医からみた意見を少しブログに書いていきたいと思います。

初期臨床研修とは

言わずもがなですが初期臨床研修は医師になって最初の2年を色々な科を回って各分野の知識を深め、その分野の医師の考え方を理解しましょうという目的があります。(まぁ自分は当初から脳神経外科やりたくてたまらなかったので麻酔科や内科の研修中であろうが時間外は脳神経外科の研修!って決めてましたので夜間や早朝の脳神経外科の手術やカテに勝手に入れてもらって1年目からどんどんさせてもらっていましたが・・・)

当初の2年間のプログラムはどのようにするかは病院毎に異なりますが必修科目が決まっています。2020年以降では下記のようになっています。

○2020年度以降は必修科目に、外科、小児科、産婦人科、精神科(各4週以上)内科(24週以上)、救急科(12週以上、4週まで麻酔科に振替え可)、地域医療(4週以上)と合わせて7科目とする。

○外科、小児科、産婦人科、精神科、地域医療については「8週以上が望ましい」とするほか、一般外来での4週以上の研修も求める。

図 必修7科目による臨床研修のイメージ(2020年度以降)

まあ大体こんな感じで必修と選択科目を選んで2年間初期研修することになっている訳です。

2020年以降の初期臨床研修の問題点と改善すべきポイント

ずばり結論から書きますが

地域医療の4週間は短い

と思います。さらに言えば

地域医療ではなく在宅医療をメインとして研修すべし

とするべきです。

おそらくこの初期研修を終えた95%近い研修医はそのまま後期研修で各専門医への道を進むことになるでしょう。その後期研修での経験はほぼ100%超忙しい病院勤務となることは間違いなしです。(というかそこで忙しくなかったら医師として終わります)

なので本格的に地域医療、特に在宅医療の経験をある程度することができるのはこの初期研修の間を逃すと卒後10年以上後となる可能性が高くなってしまいます。

生活視点の医療の重要性、緩和ケアの重要性、意思決定支援、介護保険と地域で活動している他職種の活動を理解すること、どれも今後の超高齢化社会、地域包括ケアの時代には経験しておくべき項目だと考えています。

それがたったの4週では・・・・正直全然足りないと個人的には思いますよ。

さらに初期臨床研修の到達目標はここをみればわかりますが

全く在宅医療に関しての目標がありません!!

これつくったの病院の先生でしょうが、正直自分から言わせると10年後、20年後がどのような社会になっているかわかっていないでしょ?って思わざるを得ないです・・・・

まとめ

○2020年からの初期臨床研修の改定がありました。

○必修項目や期間の変更がありましたが、正直在宅医療の分野に関してはおそまつとしかいいようがありません。

○もっと在宅医療を経験させるべきですし、到達目標に在宅の分野のことを意識するように強調すべきです。

○10年後、20年後の先を見据えた医師の研修内容としては正直不十分なので早急に対応希望!

って個人的には思います。皆さんのご意見はいかがですか?

 

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