公開日:2018年04月05日

80歳以上の高齢者では帯状疱疹の治療で入院してはいけない!!注射が必要でも在宅でやる選択肢もある。

こんにちは、札幌の宮の森の在宅医@今井です。

帯状疱疹って入院する必要あるの?

訪問診療している患者さん宅で患者さんやご家族と色んな話をします。その中で「帯状疱疹になった時って入院して治療する必要があるの?」と聞かれました。

自分の答えは

「基本は内服ですが重症の場合は入院して注射することもあります。ただ80歳以上の患者さんはよほどのことがない限り入院しない方がいいでしょう」

とお応えしました。

高齢者がなぜ入院してはいけないか

帯状疱疹の治療のために入院する。それは入院して点滴で加療する、痛みのコントロールをつけることが目的であることがほとんどでしょうが、80歳以上の高齢者の場合2週間程度の入院でも下手したら認知機能が低下する、もしくは廃用性に筋力が低下して治療が終了するころには自立した生活でできなくなっている可能性が否定できません。

本当に冗談でなくそれまでスタスタ歩いていたおばあちゃんが帯状疱疹の治療後にあっという間に寝たきりになることってあるんです。

内服での治療でどうしてもコントロールが不良の場合であっても、高齢者であれば1日2回の外来通院であったり訪問看護での点滴加療の方が絶対安全かと思います。場合により主治医に往診してもらってもいいでしょう。

帯状疱疹は治ったけれどADLが極端におちたらなんのための治療か全く意味がありませんよね。

本当に入院が必要かよく吟味しよう

他の疾患でもそうですが80歳以上の方に関しては安易な入院加療は意図しない結果になることがしばしばあります。

”本当にその入院は必要かな”とよく考えましょう。

病院の医師に入院を勧められたとしても患者として一人一人その必要性を吟味して返答したいですね。医師はともすれば近視眼的に疾患が良くなればそれで医師の仕事としてOKと考えるので・・・・・皆さんのまわりでも不必要な入院ありませんか?よく考えてから入院してくださいね~

se

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