公開日:2016年06月19日

天下一品

子供と水遊びして泥だらけの一日でした・・・

 

こんにちは、土曜日は更新さぼってしまいましたが本日はきちんといつも通り記事書いていきたいと思います。土日のアクセス数はいつもと比べると半分程度、内容が乏しくならないようにすればきっとみてくれる人も増えるはずだと思いますので・・・・

今日も患者さんの看取りの往診に行ってきましたがその際には訪問看護師さんが到着前にあらかた処置を終えていてくれました。ついた後は患者さん家族とそれまでの経過を振り返り診断書作成して帰ってきました。よくわかってくれている訪問看護師さんと一緒に行くとすんなりといくことが多いですが・・・・ええ、これが色々わかってくれない訪問看護師さんと組むと結構大変になります。今回は今まで訪問看護師さんと組んでこんなことが困った、という点を少し述べてみたいと思います。

①患者さんの報告がステーションに帰った後の夕方遅くになる看護師さん

これは結構あるのですが、看護師さんが状態変化している患者さん宅に訪問後、その報告を結構時間がたった夕方にしてくるんです。当然訪問医が対応するのは夕方のその時点から・・・・日中その患者さん宅の近く訪問していたのに!!ってことも結構ありますし、また遅くなればなるほど訪問医が対応できる手段って限られてくるんです。

②特別訪問看護指示書をしらない看護師さん

まさかそんなって思うかもしれませんがいるんです、”訪問看護は介護保険ですよね”って思っていて話がかみ合わない看護師さん、医療依存度の高い人とかみてくることがなかったんでしょうか、こんな看護師さんと組むと一から一応制度について説明してあげますが・・・・精神的にもなんでしょうか、疲労感が半端ないです。

③看取り後の処置が有料だからと看取りの時にこない看護師さん

これは看護師さんの問題というよりステーションの組織としての問題でしょうが・・・・看取ったときにその時の処置が有料だからといってこないステーション、札幌に複数あるんです。自分としては看取りの時のお金くらいとらなくてもいいんじゃないかなって思いますが、やはり営利を気にするステーションの場合そうは考えないんですね。そんな時は家族もそうかもしれませんが、自分としてもかなりがっかりします。

④レスキューのことを知らない看護師さん

麻薬に関してはある程度定時で服用するって知っている看護師さんが増えてきていますがレスキューに関してはその使い方まだ理解していない看護師さん多々いる印象です。オプソやオキノーム、アブストラルなど確かに種類は増えてきていますがその使い方に関してはある程度理解してほしいと思っています。看護師さんが間違った説明をする→家族が迷う→医師に確認するけど看護師さんの言っていることと違うので混乱する→結局疼痛時に一度往診する、ってことが結構な頻度であります。最近開業された児玉先生は看護師さんの教育ってところでセミナーとか頑張られており本当にすごいなあって感嘆していますが、自分としてはある程度の基礎的なことはセミナーよりはそのステーション内部で調べ、レベルアップすべきと考えており、その点では結構厳しい考えかもしれません。でもどうでしょうか?そのくらいのことは自分達で調べるべきですよね・・・

⑤勝手に救急隊をよんでしまう看護師さん

これも結構あるんですが、在宅医入っておりきちんと緊急連絡先とかお伝えしているのに体調変化したときに勝手に救急隊よんで搬送してしまった後に連絡くれること・・・この場合ぼくらって本当に困るんです。病院の先生からは「在宅医ってなにしてんだ(怒)」ってなるし、家族からは「いる意味ないじゃん・・」ってな感じです。確かに救急車呼んだ方がいい場合ってあることはありますが、その場合でも最低限連絡くれたら有意義なアドバイスなり手配なりってできるのに・・・なんかこんな時は非常に無力感を感じ脱力しちゃいます。

以上述べたらきりがないですが皆さんの街の訪問看護師さんってどうでしょうか?ただここで注意してほしいのはあくまでこれは在宅医側からみた今まであった経験だってこと・・・・看護師さん側からみた在宅医って視点となるとどうなるでしょうか?自分も意識してなかったこと「あの在宅医ってだめだよね」って言われているかもしれません。(当方都合の悪い情報は耳にはいっても無意識のうちにスルーしているかもしれません・・・・そこの技術は天下一品です<冗談ですよ>)

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↑↑↑天下一品(予想通りのネタですいません)

でもいいんです。最終的にはお互い(多分)なんだかんだいいながらも患者さんのため、よりより連携とりたいなって思っているはずですから。当院も医師が忙しい場合はSWにも入ってもらってどんどん連携深めていきたいと思っていますし実際そのように活動しています。もし何か意見あればどしどし教えて下さいね。

 

本日の医療ニュースですが薬剤師さんに関する以下の記事です。これからの日本の臨床現場で薬剤師さんの役割はどうなると皆さんはおもいますか?もしリフィル処方箋など処方権限の拡大を認めるなら、その場合の責任はどうするのか・・・・自分の考えとしては薬剤師さんの活動範囲が今より広がることは臨床的にはいいのではないかと思いますが、決断することがあった場合、その医療的な責任は医師ではなく薬剤師さん個人にもある程度でてくるのは避けられないのではないかと思います。(もちろんその前に連携は必須ですが)

現状診療報酬の改定にまどわされないで本質的な薬剤師さんの仕事の内容について議論が深まることを望みます。

m3.comより

北米現地レポート カナダの薬剤師(4) 薬剤師の処方権 https://www.m3.com/news/iryoishin/433706

日本で調剤薬局、ドラッグストアでの薬剤師勤務を経て、その後カナダの薬局でテクニシャンとして経験を積んだ五味さやかさん。その経験をもとに、現在お住まいのカナダ・ブリティッシュコロンビア州から、北米の薬剤師・テクニシャン事情をレポートしていただきます。

五味さんのブログ http://w-oasis.co.jp/globalpharmacist/contact/

薬剤師の処方権

 カナダの一部の州では、医師による処方内容を医師の許可なしに、変更・再発行できる「処方権」が薬剤師に与えられています。これは、相互作用や副作用の発現の回避などを目的としたもので、権限範囲は州によって異なります。
例えば、アルバータ州では、2007年よりこの制度を導入しており、現在200人を超える臨床薬剤師が処方権を得ています(薬剤師の全体の10%弱)。処方箋医薬品および血液製剤の処方が可能になりましたが、1年以上の実務経験を必要とし、厳格な審査に合格した臨床薬剤師のみに権限を与えています。カナダの薬剤師(2)「拡大する薬剤師の職能」でご紹介した、「緊急リフィル処方」や「処方箋の再発行/延長」「用量/剤形の変更」「代替処方」「軽症疾患に対する処方」は、アルバータ州のすべての臨床薬剤師が特別な審査を受けることなく行えますが、この「処方権」とは異なります。
また、オンタリオ州では、薬剤師による禁煙治療薬の処方(「ザイバン」や「チャンピックス」)のみ認めています。

多剤併用患者と医師不足の問題点

 日本では、複数の処方箋医薬品を服用する患者における副作用の発現や併用薬との相互作用が問題になっていますが、カナダでも服用する処方箋医薬品数が増えると、救急病院の利用率も上昇するという調査結果があります。
例を挙げると、カナダの救急病院を受診した人の1割以上が、薬物に関連したケースです。さらに高齢者に絞ると、その8割が、肝チトクロムP450代謝酵素に関連した薬物相互作用が原因という結果が出ています。相互作用の発現率が高く、特に高齢者に注意が必要な薬剤として「ワルファリン」や「インスリン」の他、経口抗血小板薬、ACE阻害薬、抗生物質、ベンゾジアゼピン系薬、血糖降下薬などがあります。
カナダでは、5種以上の医薬品を服用している場合を「多剤併用」と定義しています。1~2つの慢性疾患に罹っている患者は平均して3~4種の薬剤を服用しており、3つ以上の慢性疾患に罹っている高齢患者の場合、服用医薬品数は6種にものぼるといわれています。

多剤併用患者の複雑な薬物動態や相互作用を踏まえた投与設計をするうえで、薬剤師が処方段階で関わる意義は大きいでしょう。
実際、高血圧や高脂血症、心不全、抗凝固剤療法、喘息、糖尿病などの治療において、薬剤師の介入の有益性はデータでも証明されています。ある医療経済の評価に関する研究では、薬剤師が処方箋の変更や削除、薬剤管理を行ったことで、医師の受診頻度が削減できただけでなく、心血管系リスクも回避できたことが明らかになりました。イギリスやアメリカ、ニュージーランドなど、薬剤師の処方箋医薬品への介入は世界各国で進んでおり、さらに今後拡大していくと思われます。

処方薬の中止に不安を抱える医師たち

多剤併用問題を改善するため、カナダでは処方箋枚数を減らす取り組みが始まっていますが、多剤併用患者の処方薬の中止に不安を抱いている医師も少なくありません。「グリベンクラミド」(SU剤)や「短時間作用型ベンゾジアゼピン」(睡眠薬)は、高齢者への処方に注意が必要な薬として2012年からリストに組み込まれている代表例で、「デノスマブ」(骨粗鬆症治療薬)や「シンバスタチン」(脂質異常症治療薬)も、薬剤師が医師と共同して投与量の検討および増減するよう、政府機関から勧告が出ています。

最新の医薬品情報やエビデンスに基づき、処方内容の変更やプロトコールにのっとった漸減投与の提案を薬剤師が行うことで、医薬品に関連したリスクを最小限にとどめることができると考えられています。

処方介入に対する診療(調剤)報酬

 薬剤師の処方介入を活発にするため、一部の州では診療報酬が設定されています(大半の州は検討段階)。抗凝固剤療法治療中の患者の薬剤管理、薬物治療に関する医師への提言を行なった場合、1回の照会に対して$8.00~29.54(約770~2800円)、処方箋の再発行に対しては$3.5~$15.95(約300~1500円)の診療報酬が支払われます。
照会方法は電話が主ですが、一部の州ではファックス、メールも認められています。

権利と責任

処方内容の変更が認められるようになったカナダの薬剤師ですが、これらの変化に伴い、求められる能力と責任も変化しています。
2005年~2010年に起こった1249件の医療訴訟のうち17%が、65歳以上の高齢患者が服用する医薬品に関連した訴訟です。これらの被告側は「医師」ですが、今後、薬剤師が処方に積極介入することになった場合、薬剤師が訴えられる可能性もあるということです。
ですから、薬剤師が個人で最低でも$2,000,000(約2億円)の保険に加入することが、処方権付与の条件となっている州もあるようです。医師同様に処方に関する知識の習得および実地研修を継続的に受けることが、義務づけられています。

今後の課題と対策

 医師との最適な協働関係を構築するうえで、信頼関係は重要なキーですが、「ローマは1日にして成らず」という言葉の通り、互いの努力によってじっくり築くしかありません。カナダでは、チーム医療を身近なものにするため、教育分野での取り組みが活発になりつつあります。
モントリオール大学や、アルバータ州立大学では、学部および大学院生向けに「薬学・医学・看護学」の三学部合同授業を実施しており、チームによる症例検討を通して早い段階から協力関係の構築に力を入れています。

また、薬剤師の生涯教育においても医師との協働関係の構築に関する知識を積極的に提供しています。
医師と薬剤師間のコミュニケーション方法(訪問、電話、ファックス、メールなど)に関しても議論は活発で、現時点では、電話による照会が時宜を得た方法であると考えらえていますが、診療中に必ずしも医師が電話に対応できるとは限りません。カナダには幸いなことに、州によってオンラインで医療者が閲覧できる患者医療データベースが存在するため、それらを活用する案も出ています。ファックスおよびメール同様に、リアルタイムで意思疎通が取れない方法で問題が起きた際の責任の所在などが、今後の課題の一つとして挙げられています。

 

ってあっという間に週末に終わってしまったんですね・・・・