公開日:2026年10月31日

国民の医療情報はどこまで使われるようになる??【医療等情報の利活用の推進に関する検討会とりまとめが公表!】

こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です

先日、医療等情報の利活用の推進に関する検討会から

「医療等情報の利活用の推進に関する検討会とりまとめ」(令和8年10月9日)

が公表されました。36ページありますが、これからの医療機関の情報の扱われ方に直結する内容なので重要な資料かなと。医療者の皆さんにざっくり共有しますので、興味ある方は是非原文を一読してください。

7月に改正個人情報保護法が成立したとき、このブログでも「ルールはこれから、というのは順番が逆でしょ」と書きました。

病歴が、本人の同意なしにAI企業に??本当にこれ大丈夫?【改正個人情報保護法が成立 病歴や信条も…本人の同意なく提供可能に】

今回、その”ルール側”の方向性がだいぶ見えてきましたので、以下ポイントをざっくりまとめますね(^^♪

〇 診療に使う「一次利用」と研究・政策に使う「二次利用」を一体で進め、収集時に同意を取る「入口規制」から、利活用時に審査する「出口規制」へ転換する
〇 二次利用の受け皿は、国・公的機関のDB(NDBや介護DBなど)と、民間の認定事業者のDBの二本立てになる
〇 大規模な病院(特定機能病院など)には認定事業者への提供を義務付け、それ以外の医療機関は努力義務とし、小規模事業者には配慮する
〇 電子カルテ情報共有サービスは、規模に応じた差を設けつつ、一定の強制力でデータを集める仕組みも検討される
〇 民間の認定事業者への追加的な情報提供は、「本人への事前通知を要しないオプトアウト」とし、オプトアウトは国が一元管理する
〇 歯止めとして、差別的な利用や広告宣伝への利用の禁止、再識別の禁止、外部監査、罰則、審査委員会に患者の立場の人を入れること、などが示された
〇 患者の識別子は当面、被保険者番号(ID5)を使う(マイナンバーは見送り)
〇 令和9年通常国会への法案提出を目指している

細かい表現は原文でご自身で確認してください~

今井の率直な第一印象は、「7月の時点より、歯止めの絵は見えてきたな」というものでした。「何が禁止で、誰がチェックして、違反したらどうなるのか」が、少なくとも方向性として示されたのは一歩前進だと思います。

ただ、気になる点も残っています・・・・

①「事前通知を要しないオプトアウト」について(オプトアウト→「脱退する」「拒否する」「不参加を選ぶ」)
本人が知らないうちに提供され、止めたい人だけが自分で止める仕組みです。資料には「十分な周知を行う」とありますが、その周知がどこまで患者さんに届くのか。結局、一番近い窓口は外来や訪問の現場になる気がしています。「先生、私の情報はどうなるの?」と聞かれる日が来るかもしれません。(国が分かりやすい資料を作るとも書いてありますが・・・)

②現場の負担と費用について
努力義務とはいえ、電子カルテ情報共有サービスへの対応や標準仕様への移行は、診療所にとって決して軽くありません。「費用負担による悪影響が生じないよう留意」と書いてある一方で、診療報酬での評価は「療養の給付の対価」という趣旨を踏まえて検討するともあり、どこまで手当てされるのかはまだ見えません。

③「今は努力義務」が「ずっと努力義務」とは限らない
資料にも「将来的に見直しを検討する」と明記されています。規模に応じた強制力の話も出ていますので、小規模な医療機関も他人事ではないと思っています。というか正直必ず全医療機関強制になるはず・・・

データを活用して医療が良くなる、産業が発展する可能性があるのは確かです。ただ、その大前提は

「国民、患者さんが納得できる形で進むこと」

だと今井は思っていますがいかがでしょうか??

 

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