公開日:2026年09月25日

地域の病院と、一緒に地域医療を続けていくということ【孝仁会の再生支援のニュースに思うこと】

こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です

さて、今回のブログはちょっと書くかどうか一瞬迷ったニュースについてです。

釧路と札幌で病院を運営している社会医療法人孝仁会が、地域経済活性化支援機構(REVIC)という官民ファンドの経営再生支援を受けることになった、と北海道新聞などで報じられました。道内の医療機関がこの支援を受けるのは初めてだそうです。

日本経済新聞さんの記事はこちらです。9月24日↓

「官民ファンドの地域経済活性化支援機構(REVIC)は24日、北海道内で病院を手掛ける社会医療法人孝仁会(北海道釧路市)の再生支援を決めたと発表した。高度急性期医療に強みを持つことから、地域の医療体制を維持するために支援が必要と判断した。

孝仁会や北洋銀行、厚生労働省系の独立行政法人の福祉医療機構がREVICに支援を申し込んだ。REVICは関係金融機関に債権回収の一時停止を求め、債権の一部を買い取る。新規融資や経営人材の派遣などを通じて5年以内に経営の再生を図る。負債額や金融支援の詳細な内容は非公表としている。

孝仁会は1991年の設立で、釧路孝仁会記念病院(釧路市)をはじめ道内各地で病院やクリニック、介護施設を運営する。2016年に札幌市で開いた病院の建設費に加え、高額医療設備の導入などで資金繰りが厳しくなった。今後はグループ内での病床機能再編で効率的な経営を目指す。」

経営の中身については報道に出ている以上のことを今井は知りませんし、ここで細かく書くつもりもありません(書くべき立場でもないと思っています)。

それでもこのニュースを取り上げようと思ったのは、今井にとってまったく他人事ではないから、です。

実は当院ですが、孝仁会さんが受け入れている研修医の先生方の地域医療の研修の場として受け入れております。病院で急性期の医療を学んでいる若い先生が、当院で患者さんのご自宅に一緒に伺って、「病院の外の医療」を肌で感じて帰っていく・・・。この流れは、孝仁会の皆さんが地域の医療、特に在宅医療を若い世代に「つなごう」としてくれているからこそ成り立っているものかなと考えています。

だから今井は、このニュースを「どこかの病院の経営の話」ではなく、「地域医療を一緒に支えている仲間の話」として受け止めました。

病院の経営が厳しいのは、どこも同じ・・・

同じ日に、全国の日赤病院の2025年度決算で、黒字の幅が前の年より174億円小さくなったというニュースも出ていました(CBnews)。物価の高騰、人件費の上昇、そして人口減少・・・。これは特定の病院の問題ではなく、日本中の病院が同じ波をかぶっている、ということだと思います。

在宅医療をやっていると、つい「在宅」と「病院」を別々のものとして語りがちです。でも実際は、全然そんなことはないんですよね。

〇急に具合が悪くなったとき、入院を受けてくれる病院がある

〇手術や精密検査を引き受けてくれる病院がある

〇退院のときに、しっかり情報をつないでくれる病院がある

この「当たり前」があるから、在宅医は安心して患者さんのご自宅に伺えるんです。病院が元気でなければ、在宅医療も当然成り立ちません。

今井がこのニュースから考えたこと

〇病院と在宅は「一本の線」でつながっている。入院から在宅へ、在宅から入院へ。患者さんの人生の中では、どちらも同じ一本の線の上にあります。どこかが切れたら、困るのは患者さんとその家族だよな、と。

〇人を育てることは、地域の未来への投資でもある。研修医の先生が在宅医療の現場を知ることは、何年か後に病院でも在宅でも「生活を見られる医師」が増えることにつながります。これを一緒にやれる関係は、本当にありがたいこと。

〇支え合える関係を、ふだんから作っておく。困ったときだけ連携するのではなくて、ふだんから顔の見える関係でいること。それが、地域の医療が揺れたときに一番の支えになるハズ!

報道によれば、今回の支援は5年以内に経営を立て直すことを目指すものだそうです。当法人としても、同じ地域の仲間として、孝仁会さんをはじめ札幌の病院の皆さんと一緒に地域の医療を続けていけるよう、(病院さんの支援になることを)できることを一つずつやっていきたいと思います(^^♪

皆さんの地域の病院、大丈夫でしょうか?よければ少しだけ調べてみてくださいね。

 

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