公開日:2026年09月25日

「囲い込み禁止」で、本当に囲い込みはなくなるか??【有料老人ホーム登録制移行について】

こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です

シルバーウィークが明けて、札幌は急速に朝晩が冷えてきました。インフルエンザも例年よりかなり早く流行していますので、皆さん体調には気をつけてくださいね(^^♪

さて、今日は有料老人ホームのお話です。

9月18日の厚労省の検討会で、住宅型の有料老人ホームを「登録制」にするための基準案が示されました。資料はこちらです。

「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会」

から 資料2↓

登録制の施行に向けた対応について

内容ですが、登録制の対象になるホームは主に3つです。

〇中重度の要介護者を受け入れるホーム

〇認知症(日常生活自立度Ⅲ以上)の方を受け入れるホーム

〇医療ニーズの高い方を受け入れるホーム

報道では、既存の住宅型ホームの大半がこの登録制の対象になる見通しとのことで、施行は2028年6月までに政令で定める日から、という予定です。

中身をざっくり言うと・・・

〇個室が原則で、床面積は13㎡以上

〇日中は職員が常駐、夜間はオンコール体制(経過措置あり)

〇協力医療機関を決めておく

〇ケアマネの独立性を担保する

〇そして「囲い込み」の禁止

というものなんですが、囲い込み禁止の中身が実は検討会ではなかなか踏み込んでいますね。

具体的に禁止されるのは、こんな内容です。

〇ホームと併設・隣接している、あるいは「同一・関連法人や提携関係等」のある介護事業所、ケアマネ事業所、医療機関、訪問看護、薬局の利用を入居の条件にすること

〇かかりつけ医や担当ケアマネの変更を強要すること

〇系列のサービスを使う人だけ家賃を安くするなどの優遇をすること

〇入院などを理由に、合意なく部屋を変えたり契約を解除したりすること

「同一法人」だけじゃなくて、「関連法人」「提携関係」まで書いてあるんですよね。法人を分けただけの抜け道は、書類の上ではちゃんとふさごうとしているんだなと、今井は少し感心しました。

・・・が、正直なところ、今井はこれで囲い込みがなくなるとはあんまり思っていません。たぶん形を変えて残ると思っています。

札幌で訪問診療をしていると、入居した瞬間に医師も訪問看護もケアマネもヘルパーも薬局も、ぜ~んぶ「最初から決まっている」ホームに出会うことがあります。法人名はそれぞれ違うのに、実態は一つのグループ・・・というケースです。

今井が心配しているのは、こんな点です。

〇「関連法人」の線引きって、どこまで追えるの??

資本関係がなくても、親族や知人が経営する別法人なら、実質的には一体で運営できてしまいます。それを書類だけで見抜くのは、自治体にとってもかなり難しいのでは?

〇「条件にしない」と「誘導しない」は全然違う!!

契約書に「系列の利用が条件です」と書かなければいい、という運用になったら・・・入居説明の場で「皆さんこちらを使っていますよ」「このほうが手続きが楽ですよ」と言うだけで、ほとんどのご家族はそのまま受け入れるんじゃないでしょうか?親御さんの入居先を急いで探しているときに、医師やケアマネを紹介に反して自分で選び直す余裕がある方なんてほとんどいないのが現実ではないでしょうか?

〇そもそも「選べる」ことが知られていないのでは?

入居したあとでも、かかりつけ医やケアマネは変えられます。でも、それを知らないまま何年も過ごしている方が少なくない・・・

つまり、見かけ上の「法人分け」はルールで禁止できても、実質的な囲い込みは「説明の仕方」と「情報の差」の中でいくらでも生き残ってしまう・・・今井は現場を見る限りそう感じています。

なーんてことを資料をみながら考えていました。皆さんのご意見はいかがですか?よければ教えてくださいね!!

 

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