終末期医療の最前線〜NY州「臨死介助(MAID)」合法化から読み解く現場の医師の役割とは?【アメリカの最新動向】
こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です

連日札幌の地域を回りながら多くの患者さんの在宅医療、そして在宅緩和ケアに関わっている今日この頃・・・
毎日の診療の中で、患者さんやご家族とともに「最期の時間をどう過ごすか」についてお話しするACP(アドバンス・ケア・プランニング)は、自分たち在宅医療者の大切なルーティンですが、病状が進行し苦痛が強い患者さんから、時折(冗談まじりですが)「先生、もう早くしてほしいよ~。どうにかならんべかね?(^^♪」というリアルな言葉を頂くこともあります。
さてそんな中、先日(2026年9月11日)、国立国会図書館から非常に興味深い翻訳・解説レポートが発表されていました。今後の日本の終末期医療を考える上でも、医療者としてぜひ知っておきたい内容でしたので、当ブログでもシェアしたいと思います。興味ある方は是非是非一読してみてください。
アメリカ:終末期にある患者の死亡に医師のほう助(臨死介助)を認めるニューヨーク州法
■「臨死介助(MAID)」とは何か?
アメリカのニューヨーク州の法案で議論されている「死亡における医療ほう助(MAID:Medical Aid in Dying)」。これは医師が直接致死薬を投与する「積極的安楽死」ではなく、あくまで患者さん自らが致死薬を摂取する形式を指します。法的には「自殺」や「ほう助される自殺」とは明確に区別されているのが特徴です。
レポートを読むと、ただ単に「患者さんが望めば薬を出せる」といった簡単なものでは全くなく、現場の医師や専門家に極めて厳格なプロセスと役割が課せられていることがわかると思いますよ。
■現場の医療者に求められる「3つの役割」
資料では、処方に関わるプロセスが以下のように厳密に分けられています。
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〇主治医の役割
単に薬を処方するだけでなく、まずは「余命6ヶ月以内」の診断を行い、患者さんが自発的に判断できる意思決定能力があるかを確認します。さらに、緩和ケアやホスピスなど、他の選択肢についてもしっかりと情報提供し、議論することが求められます。
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〇相談医の役割
主治医の診断だけで決まるわけではありません。主治医とは独立した別の医師(相談医)が患者さんを診察し、病状や意思決定能力、自発的な要望であることを「書面で追認」するダブルチェック機能が働きます。
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〇精神保健専門家の役割
もし患者さんの意思決定能力に少しでも疑義がある場合は、精神科医や心理士などの専門家が評価に入ります。彼らが「能力なし」と判断すれば、ストッパーとして機能し、処方はできません。
■日本で在宅医療・緩和ケアを行う立場として思うこと
皆さんはこの記事や制度を知って、何をどう考えるでしょうか?
「患者さんの自己決定権」を尊重する究極の形としてこうした制度を求める声がある一方、自分達のような在宅緩和(医療)の現場の感覚からすると、ここまで厳密な客観的評価システムや多職種連携を日本社会全体で構築するには、まだまだ途方もない議論と準備が必要だと今井は思いました。
ただ、世界的にこういった「自己決定」の議論が進んでいるという事実、そこに関しては日本の医療者もしっかりと認識しておくべきかなと。
今井としては、こうした制度の議論の前に、まずは
「今ある苦痛を少しでも和らげ、最期までその人らしく生きるための支援(緩和ケア)」
をどこに住んでいても当たり前に受けられる社会を作ることが、医療者として取り組むべき一番の使命だと改めて痛感しています・・・
在宅医療や終末期ケアの現場は、毎日が正解のない問いとの向き合いであり、考えさせられることの連続ですよね。でも、だからこそやりがいのある本当に大切な仕事なのかなと。
現在、当法人では一緒に地域医療を支え、より良い緩和ケアを追求してくれる医師や看護師の皆さんを大募集しています!!
2026年秋、2027年度に向けても、在宅医療や在宅緩和ケアに興味のある医師を募集していますので、在宅医療の現実に少しでも興味がある方は、ぜひ一度見学にいらしてくださいね。
今日が皆さんにとって素敵な1日となりますように!一日頑張っていきましょう!
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連絡先:011-215-8098 メール:nakayama-asa@imai-hcc.com
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医療法人社団青葉 法人本部管理課 栄浪、中山宛
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