公開日:2026年08月29日

No Connection Required — つながらない権利と、つながり続ける在宅医療の矛盾【労働基準法の改正に関して考えること】

こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です

昨日8月28日、マンパワーグループさんのコラムで「労働基準法、40年ぶりの大改正へ」という記事を読みました。

労働基準法、40年ぶりの大改正へ―経営者・人事が今のうちに押さえておくべき3つの視点

1987年以来・・・・つまり今井が生まれる前から大枠が変わっていない法律が、いよいよ本格的に見直されるかもしれないという話です。読みながら、これは他業種の話じゃなくて、うちみたいな在宅医療をやっている法人こそ、真正面から向き合わないといけないテーマだな、と感じたのでそのことについてちょっとだけ書きたいと思いますよ(^^♪

経営側だけでなく従業員側の人にも大きな問題ですので皆さんも是非ちょっとだけ読んでみてください。

ちなみに今井個人は昭和生まれの経営者なんで、スタッフにはもちろん強制しないですが自分自身に対してはこのマインド、セルフブラック万歳です。やっぱ黄色と黒は勇気の印ですよね~(^^♪(なーんて)

何が議論されているの?

まだ法案が国会に提出されたわけではなく、労働政策審議会で審議中の段階ですが、方向性としてはこういう論点が挙がっています。

  • 〇連続勤務日数の上限を13日とする(14日以上の連続勤務を禁止)
  • 〇勤務間インターバル制度の法的位置づけを明確化、11時間程度が目安
  • 〇法定休日をあらかじめ特定する義務化
  • 〇有給休暇取得時の賃金計算方法を「通常の賃金」に一本化
  • 〇副業時の割増賃金の通算義務を見直し
  • 〇「つながらない権利」(勤務時間外の連絡を強制しない)のガイドライン策定
  • 〇過半数代表者制度の選出手続きの明確化

まだ確定事項ではありませんが、「夏以降の労働政策審議会において議論」とされているので、そう遠い未来の話ではなさそうです・・・

在宅医療の現実と、正直突き合わせてみると

っていうことで上記を踏まえて正直な話をすると(ここが今日の本題です)、在宅医療、特にオンコール体制を持つクリニックにとって、この論点は結構突き刺さります。(というか医療業界全体にとってもそうでしょうが)

うちは3診療所で1000人近い在宅患者さんをフォローしていて、年間それなりの件数の在宅看取りをしています。夜間・休日の急変対応、看取りへの立ち会い・・・・これは在宅医療の根幹であり、患者さんとご家族に選ばれている理由そのものです。でも同時に、これは「勤務間インターバル11時間」や「つながらない権利」という発想と、率直に言って、かなり相性が悪い働き方でもあります。

連続勤務13日の上限にしても、当直・オンコールを含めたシフトの組み方次第では、今のルールのままだと引っかかってくる可能性も否定はできない。医療現場、特に在宅医療は「患者さんの容体は労基法のスケジュールに合わせてくれない」という前提で回ってきた業界です。この前提と、今回の見直しの方向性をどう両立させるか・・・・これは今井個人の話ではなく、業界全体で問われる話だと思っています。

また医師に関しては管理監督者としての役割とするのか、それともあくまでスタッフであるという役割にするのか、これももう決めなければいけませんね。ファジーなままでは経営リスクに直結するのかなと。

訪問看護もほぼ同様に考えるべきですね。

今後の対応どうすべき??

〇 「24時間対応」を法人の売りにしている以上、それを支える医師・スタッフの働き方、マインドも同時にアップデートする責任がある

〇 連続勤務・勤務間インターバル・つながらない権利、いずれも「規制されるから対応する」ではなく、今のうちに自法人の実態を点検しておくべき

〇 タスクシフトやオンコール体制のより徹底した分散化&ルール化は、規制対応である以前に動いていくべきか

当法人としての今後の対応

当法人では今、下倉理事・中山理事を中心に、電子カルテ文書整備・バックオフィス自動化・タスクシフト標準化・スタッフ教育などなど各種プロジェクトが同時進行しています。特にタスクシフト標準化は、まさに今回の労基法見直しの論点と直結する話だと、この記事を読んで改めて思った次第ですよ。

オンコールを特定のスタッフに集中させるのではなくどう分散させるのか(当然質の担保もしつつ)。夜間対応を医師でなければならない部分と、看護師・多職種にシフトできる部分とに、もう一段切り分けるべきか?

この記事をきっかけに、現状から考えていくのではなく未来はどうあるべきかを見据えてフラットに考えていくべきかな、そう今井は感じた次第です。

法改正そのものを追いかけることが目的ではなく、これをきっかけに自法人の働き方の実態を見つめ直すこと・・・・これは記事内でも触れられていましたが、在宅医療の現場にこそ当てはまる指摘だと感じましたよ。

皆さんもそう思いませんでしたか??よければご意見くださいね。

さて今日は土曜日、楽しくコツコツと書類業務していきたいと思います。今日が皆さんにとって素敵な1日となりますように!!

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連絡先:011-215-8098 メール:nakayama-asa@imai-hcc.com

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医療法人社団青葉 法人本部管理課 栄浪、中山宛

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