公開日:2017年07月07日

勤務医は労働者との決めつけ、乱暴すぎる?

あまりにも気になる医療記事あり更新です。

この記事の内容ですが大丈夫でしょうか?勤務医は労働者との決めつけ、乱暴すぎる?・・・・・・

うーん、基本的には自分は医師は長時間労働が当たり前、というか職業を超えた生き方の一つ、だとは思いますが制度として考えるならきちんと労働時間や内容などは設計しなければいけないと思います。

各病院の裁量にあわせた勤務を、というのはあまりにも現代日本の制度としては逸脱しすぎており経営者にとって都合のいい解釈としか思えません。皆さんはどう考えますか?

 

m3より 「勤務医は労働者」との決めつけ、乱暴すぎる – 邉見公雄・全自病会長に聞く https://www.m3.com/news/iryoishin/542178

 

――先生は「医師の働き方改革」の議論の難しさを指摘されています。

まずどこまでが医師の「労働時間」に当たるのかという問題があります。自分のスキルアップやキャリアアップのために、院内外のカンファレンスや研修会に参加する。研究、論文や学会発表の準備をする。学会で自分が発表する場合はどうか、他の発表を聞く時間も労働に当たるのか。研修医の「研修」はどこまでが労働か、指導医の「指導」、あるいはその準備も労働か。中には、「実家の父が病気になり、早く診療所を継承したいので」という理由で、その準備のために、長時間働く医師もいます。

「聖職感」が強い医師も多く、「休日」であっても、病院に来て働く医師がたくさんいます。午前2時、3時まで緊急手術しても、次の日も病院に来てしまう。さまざまな「医師の文化」をどう解釈するか。

主治医制という、日本特有の「医療の文化」もあります。「あの先生は、臨終にも来なかった」となれば、家族はその病院を受診しなくなってしまう。私が中医協(中央社会保険医療協議会)の委員をしていた際、中医協総会で東京に出てこなければならず、私が長年診ていた患者さんの臨終に立ち会えず、後からご自宅に謝りに行ったこともあります。

応招義務の問題についても、複数主治医制、あるいはグループ制などであれば、病院組織として対応が可能ですが、現実には主治医制がほとんど。例えば、「あの先生に、お産してもらいたかった」となれば、主治医が担当せざるを得ない。

邉見公雄氏は、「医師の勤務実態はこんなに複雑。これを一括して、『労働』としていいのか」と問いかけたいという。

――誰が労働基準法の「労働者」に当たり、「時間外労働」の上限規制の対象になるかという問題もあります。

開業医は、使用者であり、「労働者」ではありません。一方、病院の場合はどうか。(労基法で定める)「管理監督者」とは誰か。例えば「管理職手当」をもらっていることを基準にすれば、医長以上は皆、「管理監督者」に該当し、労働時間の規定の適用を受けなくなってしまう。

勤務時間をどう管理するかという問題もあります。例えば、タイムカードで記録した時間か。それとも電子カルテの記録で見るかですが、どちらも中途半端。医師の場合、タイムカードをほとんど押さない。電子カルテを立ち上げていた時間を労働時間と見なす場合、消し忘れたりしたらどうするか。使っていなかったら、スリープする機能がある電子カルテでは、手術している時間は働いていないことになってしまう。

さらに言えば、医師には「待機」の時間も多い。患者さんの状態が危なそうな時、「家に帰ってもまた呼び出されるかもしれないので、病院に待機しておこう」と自主的に残っていても、その日、容体が悪くならなかったら、その待機時間は労働に当たるのかどうか。

――その当たりを今回の実態調査では明らかにする。

はい。医師の労働がどこまでか、各病院でどんな運用、管理をしているかを明らかにしたい。調査項目は、ものすごく多くなる見込みです。当直にしても、どんな診療科で、何人で勤務しているか、当直時間をどこまで労働時間としてカウントしているかなどを細かく聞く。実際に労基署の立入検査を受けた経験がある病院も含め、さまざまな人に関与してもらい、調査表の作成を進めています。私も入っているけれど、とても難しい作業です。

――「医師の働き方改革」は、医療提供体制の在り方、患者の受診行動、医師の価値観など、全てに関係する問題。医師によっても、また病院によっても考えが異なり、取りまとめは容易ではないと思います。

先日、複数の医師で集まる機会がありました。ある病院は「午前2時までは夜勤扱いで労働時間としてカウントし、それ以降は当直扱い」。午前2時以降は、ほとんど患者さんが来ないからです。一方、別の病院は、田舎にあり、夜が早いためか、「午後10時までは夜勤扱い、それ以降は当直扱い」とのこと。そのほか、院長自身が管理当直を担当し、医師は病院の周辺に住んでおり、すぐに駆けつけられるため「当直はおかず、オンコール」という病院もあるなど、病院による違いは大きい。

調査結果を基に、どのように意見がまとまるかは分かりませんが、「医師の勤務実態はこんなに複雑。これを一括して、『労働』としていいのか」という問いかけをするのが、第一でしょう。

医療は「文化」。病院によっても、「文化」が違う。それを画一的な労働感で、「勤務医は労働者だ」と決めつけるのは、乱暴すぎる。要は「各病院の自主性に任せたら、どうですか」ということ。「ブラック企業」のように、だまして採用してはいけない。そうではなく各病院が自院の取り組みを公開、それを見て、医師が勤務先を選べるようにすべきでしょう。

私は、2000年の省庁再編で厚生省と労働省が一緒になった時、この問題は解決に向かうと思っていました。それ以前は、縦割りで、厚生省は医療を守る立場であっても、労働省は病院に対し、厳しいことを言っていた。しかし、せっかく省が一つになったにもかかわらず、余計にややこしくなってきた。不作為で行政が手を打ってこなかったから、今になって、時間外労働の上限規制の問題が、より複雑な形で顕在化してきたと見ています。 

 

 

自分は医療は文化、特別な職業の一つであるということは否定はしませんが、制度設計の話はそれとは別次元の話ではないかと思いますが・・・・皆さんはどう感じますか?