公開日:2026年08月23日

More Staff, Less Reward:人員配置診療報酬のパラドックス~【識者の眼】「地方病院での看護師不足を考える」小野 剛~

こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です

日曜日の朝、コーヒー片手に医事新報を読んでいたら、気になるコラムを見つけたのでシェアします。医事新報さんの8月20日付けのコラムです。興味ある方は一読どうぞ↓

【識者の眼】「地方病院での看護師不足を考える」小野 剛

「最近、地方の病院では医師不足と同様に、看護師不足も大きな課題となっている。看護師を十分に確保できず、病棟再編や医療機能の縮小を余儀なくされる病院も目につくようになってきた。

人口減少が先行して進む秋田県の中山間地域に位置する中小規模病院である当院でも、ここ数年、離職する看護師が増加している。一方で、看護師を募集しても応募者は少なく、特に新卒看護師の応募は皆無に等しい状況が続いている。この状況は当院に限ったことではなく、秋田県内全体でもほぼ同様の傾向がみられる。秋田県が公表している「看護職員需給推計」でも、看護職員の供給数は需要数を下回る状況が続いている。

地方では既に18歳人口の減少が進み、看護師養成校の志願者数も減少している。秋田県では多くの看護師養成校で定員割れが続いており、数年後には看護師の確保がさらに困難になることが予想される。今後は地方における「看護師不足・偏在」の問題が、「医師不足・偏在」の問題に匹敵する深刻な課題になるのではないかと危惧している。

日本看護協会が実施した「2025年 病院看護実態調査」では、2024年度の正規雇用看護職員の離職率は11.0%で、前年度(11.3%)より低下した。一方、病床規模別にみると、病院規模が小さいほど離職率が高い傾向が示されている。また、「2025年 看護職員実態調査」では、「看護職として働き続けたい」と回答した者は62.9%で、2021年調査(67.6%)より低下していた。年齢別では20〜30歳代の就業継続意向が他の年代より低い傾向がみられた。この結果を見ると、今後も離職率の大幅な改善は期待できず、地方の中小規模病院では、若い看護師を採用できたとしても長期間勤務するとは限らず、一定数の離職が生じることを前提に、人材確保・育成戦略を考える必要がある。

一方で、今後看護の道に進む若い世代を増やし、離職することなく看護師として働き続けてもらうための取り組みも欠かせない。前述の「2025年 看護職員実態調査」では、看護師として働き続けるために重要なことは、「業務や役割、責任に見合った賃金額である」が最も多く、ついで「休みがとりやすい」「職場の人間関係が良い」「希望する働き方ができる」の順であった。

この調査結果をふまえると、看護師不足への対応として、業務に見合った賃金体系の構築に加え、AIやICTを活用した働きやすい職場環境の整備、2交代勤務や短時間勤務、ダブルワークなど、多様な勤務形態を選択できる体制づくりが必要と思われる。また、看護師の教育システムを充実させ、病院全体で「育成する」という視点を持って人材を支えることも重要ではないかと考える。」

・・・・地方の看護師不足、いよいよ本格化してきたな、というのが率直な感想です。

診療報酬の”人員配置縛り”が根本原因では!!

今井個人としては、上記で挙げられている対策(賃金体系の見直し、ICT活用、勤務形態の多様化、育成体制の強化)はどれも大事だと思う一方で、そもそもの根本改革として”入院医療機関の診療報酬体系の抜本的な見直し”が避けて通れないだろうと考えています。

現在の診療報酬は、基本的に「看護配置◯対1」といった人員配置と紐づく形で設計されています。この枠組みがある限り、いくら現場が業務効率化やタスクシフトを頑張っても、それが直接「一人当たりの給与単価の引き上げ」には結びつきにくいんですよね。配置基準を満たすために頭数は必要、でも生産性を上げても診療報酬自体は増えない・・・これでは経営側がどれだけ努力しても、看護師さん個人の待遇改善には限界があります。

生産性と待遇はセットであるべき!!

本来であれば、「一人当たりの生産性を上げる(業務の質・量を向上させる)」ことと「その分、給与や待遇も上げる」ことはワンセットで機能すべきものです。ところが人員配置ありきの診療報酬体系の中では、この好循環が回りにくい。頑張って業務効率化をしても、それが病院の収益にも個人の給与にも反映されにくい構造になっている、というのが実感としてあります。

昨今の診療報酬改定ではアウトカム評価を重視する流れが出てきてはいますが、正直まだまだ部分的です。地方の中小病院がもたなくなる前に、もう少し思い切って制度としてこの方向に舵を切る必要があるのでは、と個人的には感じていますよ。

在宅医療の現場でも、訪問看護師さんの確保は年々厳しさを増していると実感しています。病院だけでなく、在宅・訪問看護の領域でも同じ構造的な課題を抱えているんだろうな、と改めて考えさせられますね。

・・・・などと日曜の朝から真面目なことを考えていましたが、今日も変わらずコツコツと書類業務です(^^♪今日が皆さんにとって素敵な1日となりますように!!

↓入職や見学の問い合わせ先はこちらから↓担当:人事部 栄浪

連絡先:011-215-8098 メール:nakayama-asa@imai-hcc.com

書類送付先:〒063-0803 札幌市西区二十四軒3条7丁目1-24

医療法人社団青葉 法人本部管理課 栄浪、中山宛

時間ある方は以下の項目をチェック!!

法人のこれまでのこと、これからのことを確認したい人はこちら↓

【2026年版】法人の歩みと「これから描く未来図」について

いまいホームケアクリニックの診療実績はこちらです↓

【2026年上半期】当院の活動を数字で振り返る

2026年6月に地域の医療機関、多職種の事業所さんに連携業務についてアンケートをお願いしました。その結果を確認したい方はこちら↓

【アンケート結果はこちらで全公開】いまいホームケアクリニック、さっぽろみなみホームケアクリニックの連携業務へのアンケートのご協力、ありがとうございました!

在宅クリニック、有床診療所、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所・・・なぜ当法人がそれらを運営しているのかを知りたい方はこちら↓

【2026年版】なぜ私たちは「複合体(クリニック・病院・訪看)」である必要があるのか?

3診療所で随時医師募集しています。内容確認の上是非ご連絡ください↓

【2026年版】在宅医・総合診療医、そして「法人内開業希望医」募集!~医師としてのキャリアと経営マインドを磨く~

看護師、MSW、リハスタッフ、ケアマネさんなど募集中。一同じマインドをもつスタッフと一緒に働きませんか?↓

【2026年版】多職種連携のリアル~看護師・MSW・リハ職が「主役」になれる職場~

アクティブに活動する医療法人でクリニック運営、人事部、広報活動などを情熱をもって一緒にやっていきませんか↓

【2026年版】「医療」を支えるのは医師や看護師だけじゃない!事務長候補・人事・広報などの総合職を本気で募集します!!

事務長、事務次長候補も募集しています!こちらをどうぞ↓

事務長、事務次長候補の方を1名募集しています。興味ある方はまずはご連絡ください。