在宅医療の質を上げたいなら、○○を追え!
こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です
在宅医療の医療の現場でよく聞く言葉があります。
「数より質を大事にしたい」
よくこういうスタッフさん、どの事業所にもいませんか??一見するとこの発言、正しそうに聞こえます。でも今井はこの言葉を聞くたびに、少し違和感を覚えるんですよね。
なぜかというと、質と量は、実はトレードオフではないと思っているからです。むしろ逆説的に聞こえるかもしれませんが、在宅医療の質を本気で上げたいなら、数を追い求めることが一番の近道だと今井は考えていますよ。
<なぜ数が質を生むのか>
少し考えてみてください。
たとえばターミナルケア。末期がんの患者さんを在宅で看取る経験を、年間1件しかやっていない在宅医と、年間50件やっている在宅医では、どちらの判断力・対応力が高いか。
答えは明らかです。
在宅医療に限らず、医療の質は経験の積み重ねによって育ちます。症状コントロール、家族との関わり、急変時の判断、ACPの取り方、はたまた看取りの場面での言葉かけ——これらは教科書で学べるものではなく、実際の現場を数多く経験することでしか身につかない。
数をこなすことは、質を上げるための最大のトレーニングです。
<「丁寧にやりたいから少数精鋭で」の罠>
「患者さん一人ひとりに丁寧に関わりたいから、患者数は絞りたい」という考え方も理解できます。
でも今井はこれには一つの罠があると思っています。
経験が少ないまま「丁寧にやっている」のは、本当に丁寧なのか。それとも、判断に迷っているだけなのか。
経験を積んだ医師・看護師は、短い時間でも質の高い判断ができます。「丁寧さ」は時間の長さではなく、判断の質です。数を経験することで、その判断の質は確実に上がっていく。
少数の患者さんに丁寧に関わっているつもりでも、経験が少なければ気づけないことがある。それは患者さんにとって、本当に丁寧と言えるでしょうか。
<数字と向き合う>
当法人では年間を通して800名近い新規相談をお受けし、200名近い患者さんを在宅看取りしています。やっぱり在宅医療や在宅緩和ケアの質って、これだけの数を経験してきたからこそ、スタッフ一人ひとりの判断力・対応力が育つと今井は感じています。(まぁ経験だけではダメで教育なども必須ですが)
基本的な教育制度が整えば、経験数を増やすことで、もっともっと在宅医療の質が上がる。そう考えると、集患・新規相談への対応・連携強化——これらは「量を増やすための経営的な話」ではなく、「質を上げるための医療的な話」だということになります。
<一つだけ注意をするならば>
ただし、数を追うことと「流れ作業でこなすこと」は全く別の話ですよね(^^♪数をこなしながらも、目の前の患者さん一人ひとりに「今日の顔色はどうか」「いつもと何か違わないか」と感じながら関わる——その姿勢を失った瞬間、数は質を生まなくなります。
量の中に質を宿すこと。これこそが在宅医療の本質だと今井は思っています(^^♪
皆さんのご意見はいかがでしょうか?質と量、トレードオフになっていませんか??
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