公開日:2026年07月16日

判決が確定・・・しかし亡くなった人は戻らない【「強固な殺意に基づく冷酷な犯行」埼玉・ふじみ野市立てこもり医師殺害事件 被告(70)の上告棄却 無期懲役確定へ 最高裁】

こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です

ヤフーさんの記事で気になる記事が目に留まったのでシェアします。4年前(もうそんなに時間が経ったんですね)の事件の続報です。

「強固な殺意に基づく冷酷な犯行」埼玉・ふじみ野市立てこもり医師殺害事件 被告(70)の上告棄却 無期懲役確定へ 最高裁

 

当時もブログで書いたのですが↓

ふじみ野市の在宅医の悲劇、本当に残念です。

2022年1月、埼玉県ふじみ野市で在宅医が往診先の自宅に呼び出され、散弾銃で射殺されるという衝撃的な事件が起きました。被告は患者の家族で、亡くなった在宅医に恨みを持ち犯行に及んだとされています。2023年に無期懲役の判決が出て、今回最高裁が上告を棄却。無期懲役が確定しました。

判決は当然だと思います。「強固な殺意に基づく冷酷な犯行」——その通り・・・でも亡くなった先生は戻ってきません。

自分も似たような経験が・・・

当時のブログにも書きましたが、今井自身も在宅の現場で「これは危ないかもしれない」と感じた場面を数回経験しています。

在宅医療は患者さんの「自宅」に入る仕事です。病院と違って金属探知機も警備員も他のスタッフもいない。ドアを開けた先に何があるかわからない。そういうリスクを在宅医療者は日常的に抱えながら働いています。

99%、ほとんどの患者さん・ご家族は本当に良い方ばかりです。でも「ほとんど」=「全員」ではない。

今後どうすべきか——在宅医療者として思うこと

この悲劇を繰り返さないためにすべきこと・・・

①情報共有の仕組みを作る

患者・家族に暴力リスクがある場合、その情報を在宅医療チーム内で共有できる仕組みが必要です。「言いにくい」「差別になるかも」という空気が、現場の危険を見えにくくします。リスクのある情報は、チームで共有することが安全管理の基本かなと。

②訪問診療は複数で

訪問診療での一人対応は安全面で脆弱です。可能な限り定期訪問診療は複数対応とすることが普通ですし現実的な対策です。ただ訪問看護は・・・

③断る勇気を持つ

これが最も大事ですね。そもそも論ですがリスクがあると判断した患者さん家族に関しては、引き受けない、診療や看護を辞めるという判断をする。

在宅医療者は「断ってはいけない」というプレッシャーを感じやすい職種です。でも明らかに危険なリスクがある場合、スタッフを守る判断が重要です。

④国としての対応は?

在宅医療者への暴力・ハラスメントに関する実態調査、ガイドラインの整備、法的保護の強化——これらは個々の医療機関が頑張るだけでは限界があります。訪問医療・訪問看護の安全を守るための制度的な枠組みを、国、行政が本気で考えてほしいと思っています。

在宅だけではないかもしれませんが、医療現場におけるカスハラ対策はどうあるべきでしょうかね。

在宅医療は「その人らしく、自宅で生きる・死ぬ」を支える医療です。その医療に従事する人間が命を落とす——こんな理不尽なことが二度と起きてほしくない。今回の判決で一つの区切りはついたかもしれませんが、問題は何も解決していません。

在宅医療者の安全をどう守るか——皆さんのご意見はいかがですか??

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